2020年4月11日土曜日

騒いだ者負け

2009年にメキシコから帰国し、今や誰もが忘れ去っているであろう豚インフルエンザ騒動に巻き込まれた者として一言。 本日付で厚労省が発表した日本の感染者数が7,524人、このうち亡くなった人は141人、致死率は1.8%ですが、感染した人の8割が症状が軽微だったり出なかったりで検査を受けていないとすると実態は1%を大きく下回る可能性があります。2003年に流行ったSARSの致死率は11%でした。また、WHOの統計で世界中でインフルエンザに起因する呼吸器系の病気で亡くなる人は年間65万人、新型コロナウイルスで亡くなった人は昨日時点で約10万人です。 分母を語らず大騒ぎする報道に惑わされるのもどうなんでしょう。東京が感染者数最多、東京都内では世田谷区が最多って人口比例でしかないですね。いうのだったら人口当たりの感染者数でしょう。世界で何百万人も感染者がいれば若者で重篤になる人だって出てきます。そうした人にやたらフォーカスして過度に恐怖感を煽るのもどうなんでしょう。インフルエンザだって同じことは起きているはずです。誰も取り上げないだけで。 他国の数字に目を転じるとイタリアやアメリカのように急に感染者が増えた国は検査体制が追いつかず、症状が出たり重篤な人のみがカウントされるため、分母に比して分子が大きくなり数字は高く出ます。一方、ドイツは初動が早かったことに加え、持病があった人を含めないので数字も低く出ます。感染者が多い国の方が全体に占めるウェイトが高くなるため、全世界で見た数字は高く出ます。 感染拡大を遅らせる努力は支持しますが、日本では失業率と自殺者に相関関係があるといわれており、どこまでやるかは病気の危険度を正しく理解した上で決めるべきでしょう。感染症が流行るたびにこんなことをやっていたら日本の衰退は加速するばかりです。非常事態宣言までやって豚インフルエンザのときのようにいうほど危険な病気でないことがわかったらそれこそ「騒いだ者負け」になってしまいかねません。