2019年12月29日日曜日

Risk averse

某大使館の商務官が来日した同国の自治体の代表に行ったプレゼンテーションの中で語っていた日本人ビジネスマン像が実に当たっていて恥ずかしかった。受付もお茶くみもすべて女性という男尊女卑ぶりなど我が国の後進性を顕著に表しているが、笑えなかったのがリスク回避(risk-averse)の傾向が強いという指摘だった。自分が責任を問われないための行動があまりに多いと企業は衰退し、そうした企業が多ければ国も衰退するのではないかと思う。その最たる例が日本の大手企業の意思決定の遅さで、物事を決めるための稟議など、責任の共有といえば聞こえがいいが、要は個人の責任回避の手段にほかならない。海外市場に成長を求める日本企業が増えているが、そのスピードについて行かれなければ商機を逸するだけで、仕事柄そうした例をいくつも見てきた。社内の決裁規定など一朝一夕には変えられないだろうし、変えたくもないだろうから、我が国の凋落も加速度的に進むのかもしれない。