2019年12月21日土曜日

外国特派員

性的暴行事件の被告・原告が外国特派員協会で行った会見と、それを報じる日本のメディアの萎縮ぶりがこの国の報道の自由の衰退を印象づけた。日本のメディアは「刑事と民事とで判断が分かれた」という報じ方をしているが、実際には刑事事件の方でも逮捕状が発布され、海外から帰国する容疑者を警察が成田空港で待ち受けていたのだからクロとの証拠がそろっていたのは明らかだろう。それを官房長官が自らの秘書官として仕えていた刑事部長(現・官房長)に逮捕中止を命じさせたことまで明らかなのに、そうした核心の部分には一切触れようとしない。一方、会見で質問に立った外国特派員は首相や官房長官を名指しにこそしなかったものの、首相と親しく「よいしょ」記事ばかり書いていた被告を救済するために現政権が直前で逮捕を中止させた疑惑に踏み込んでいた。(ちなみに官房長官は自らの懇親企業に対し、被告に資金提供するよう依頼していたというから驚く。)性的暴行を犯しても首相と親しければ警察に圧力がかかって逮捕がとりやめになり、検察も無罪放免にし、マスコミもそのことを報じないような国はもはやまともな法治国家・民主国家とはいえないだろう。