2019年9月17日火曜日

人からコンクリートへ

最近よく耳にする廃墟ホテル。景観を著しく損ねるが、所有者と自治体に負担能力がなければ取り壊しもできないという。一方、伊豆の下田の海岸近くで洋上風力の発電施設が建設されるという。驚くことに事業者に解体責任はないというから、いずれ老朽化した施設が景観を著しく損ねる状況がずっと続くということか。「コンクリートから人へ」を謳った民主党政権が短命に終わり、財政規律よりも景気浮揚を目的とした公共投資が再開され、あれほど国民が嫌気がさしていたはずの古い政治に逆戻りしてしまった。国の大切な財産で観光資源でもある美しい景観を破壊する巨大防潮堤の建設など愚の骨頂と思うが、現政権が膨張するインフラの維持や改修、再建に充てるお金もなくなることを知らないはずがなく、自分たちが政権の座にある間さえよければよいという現首相に対する見方はあながち間違っていないように思える。ボロボロになった建物や道路、橋が散在する国の姿を想像できない人が多いのかもしれないが、それを目にすることになる若い世代が今の政治を支持するのであれば仕方のないことか。