2019年8月27日火曜日

ビアリッツ

G7サミットがフランス南部の景勝地ビアリッツで開催されたというニュースを聞き、昔勤めていた電機メーカーがバブル期にこの近くに建てた工場を売るために奔走したことを思い出した。ビアリッツは息をのむような絶景が広がる海辺のリゾートだが、町中のビジネスホテルに泊まっていたので、売却先が決まって担当役員とセレモニー参加のための最後の訪問をするまでは、そこがどれだけ美しい場所なのかを知ることも、海を見ることさえもなかった。工場の売却を進めるために当地に通い始めた頃、パリのシャルルドゴール空港から何時間も後に出る国内線に乗り継ぐためにオルリー空港まで移動し、エールフランスのカウンターでチェックインした際に「ビアリッツに行くんですか。いいですね。」といわれたことを今でも思い出す。何も羨ましがられることをやりにいくわけではなかったのだが。G7に出席した顔ぶれを見て「何だかな~」と思ったのは私だけだろうか。G7が開かれる前にホスト国であるフランスが、利用者から取得したデータを活用して広告収入を得ながら税金を払っていないアメリカの大手IT企業に対する課税強化を決議したことに米大統領が例のごとくツイッターで噛みついたが、その際に「自分は以前からフランスのワインよりアメリカのワインの方が美味しいといってきた。ただし酒を飲まないのでどちらも飲んだことはないが」と書いていたのを見て彼がずっとしらふであったことを知り、そのことが笑えた。