2019年6月9日日曜日

言論封殺

土曜日に「“政治的発言”芸能人はタブー」と題する番組が放映され、劇作家の鴻上尚史氏が「政治的発言が問題なんじゃなくて、実はよく見ると、政権を批判してるとか反体制側の人たちが問題になっているわけで、(芸能人が)首相と会食しているのは誰も炎上していない。政治的発言がまずいんじゃなくて、政権に対する批判に対してすごく炎上するようになってるってのは、すごくヤバイと思います」と見解を述べ、MCの上田晋也氏も「不健全ですよね」と応じたそうだ。実質賃金の低迷、格差/貧困層の拡大、財政赤字の拡大、国力と国際的地位の低下、近隣諸国との関係悪化、領土/拉致問題の後退...10年間にわたる現政権が残した負の遺産はあまりに大きいが、もっとも憂慮すべきは都合の悪い行いを覆い隠すために影響力のある芸能人の言論の自由を封じようとする現政権とその取り巻きがもたらした民主主義の後退かもしれない。時を同じくして天安門事件30周年や香港における逃亡犯条例反対デモのニュースが流れていたが、今や様々な面で我が国の先を行く彼の国の言論封殺についてあれこれいえる国ですらなくなりつつあるように感じる。