2016年12月17日土曜日

外交センス

案の定、ロシア側の完全勝利に終わった日露首脳会談。テレビで話題になっていた大遅刻は、より立場が弱い相手に対してそのことを知らしめるためにやる行為。ロシアが国際的に孤立する中、経済協力を餌に領土問題で譲歩を引き出そうという発想だったのだろうが、トランプ大統領の誕生で日本に譲歩する理由がなくなったことは素人目にも明らか。また、シリアやウクライナで冷徹極まりないことをやっている人物が北方領土の旧島民の声に本気で耳を傾けるかも明らか。さらに、自国の利益追求のために欧米諸国との協調を乱した日本に対する評価はどうなってしまっただろうか。大金をかけて国益を損ねただけとしか思えない。(首相自身がいつもになく一生懸命テレビ番組に出演して成果を強調しているのがそのことを物語っている。)先月はアメリカ、ヨーロッパと中東を駆け足で回ったが、どこの国の人も日本の首相が誰よりも先にトランプ氏の自宅に駆けつけて「信頼のおける人物」と評したことを知っていて、日本人として恥ずかしい限りだった。「日本はアメリカ国民が誰を選ぼうとすりすりしなければならない立場」と言い訳をしつつ、なぜ世界中で資質を疑問視されている人にわざわざ真っ先におべっかを使いに行って恰好の嘲笑の的となり、それを取り繕うかのように現大統領との真珠湾訪問を発表するのか。日本の外交センスはよく分からない。