2016年10月1日土曜日

ポピュリズム

国会で自衛隊員を称えようと呼びかける首相に与党議員たちが総立ちになって拍手し、今にも「ハイル・ヒトラー」とでも叫び出しそうな異様な光景を見て、この国はどんな方向に進んでいってしまうのだろうかと不安になった。自衛隊員たちやその家族のことを本当に思っているのであれば、必要以上に中国を刺激したりはしないだろう。刺激して領海侵犯を煽り、それに対して成す術もないところを見せつけられてしまうと、何の勝算もなく、国民にアピールするためだけにやっている動機が見え隠れする。喧嘩しても勝てない相手であることをよく認識していながら口先で威勢のいいことをいうのは前線で脅威に晒されている人たちに対して無責任なことだ。あからさまな侵略行為を受けている東南アジアの国も経済面で依存度が高まれば高まるほど彼の国との付き合いを優先するようになるだろう。日本は高度経済成長を遂げて世界第2位の経済大国になった過去の栄光を引きずっていても何もいいことはなく、こうした現実を受け止めて賢明な外交運営をしていくべきだろう。総立ち議員たちを見る限りそれも望み薄ではあるが…。