2015年12月26日土曜日

大成A案

「大成(建設のA)案でもう決まっているから。」業界では名の知れた知人の設計士が言った。それから程なくして新国立競技場のデザインがA案に決まったとの報道に触れた。この設計士はかねてから所謂入札案件も実は出来レースで、事前に誰が受注するかわかった上で他の企業が付き合いで参加すると言っていた。発注主が仕切る、形を変えた談合だ。付き合いで参加するのはもちろん自分の番が回ってくるからで、この設計士も自分の設計が選ばれないことがわかった上で協力するのだという。某公共放送を含むメディアが公正に審査されたかのような印象を与える報道を繰り返したことで、こうした裏事情はきれいに包み隠されたわけだが、敗れたB案の建築家が「さも最初からA案に決まっていたような印象を受けた」とインタビューで答えていたのには関係者もヒヤヒヤしたことだろう。くだんの設計士によると、一連のごたごたで世界の建築業界では日本はもはや一等国とは見なされなくなり、今回参加した建築家はザハ氏のデザインを選んだA藤何がし氏に比べて世界的な評価は高いものの、今回のデザインは予算を意識したことで大学院生でもできるレベルとのことだった。また、今回採用されている案でも言われている予算で収まることはまずありえないということだった。