2015年8月1日土曜日

東京五輪

新国立競技場問題の関係者がそれぞれ記者会見を開いて自分には責任がないと釈明する様は見世物としては面白かったが、肝心のコスト計算がでたらめだったことについてはいまだに納得のいく説明が聞かれない。文科省の責任が大きいというのは事実だろうが、責任転嫁をした人たちに責任がないかといえば、そんなことはないだろう。デザインは好みの問題としても、日本のような地震国でキールアーチなどというものを使ったデザインを採用すれば、耐震構造にするのに莫大な費用がかかることくらいは素人でも想像がつく。それをコストは自分の問題ではなかったかのようにいう建築家の発言は釈然としない。さらに大会に味噌をつけたのが五輪のエンブレムの盗作騒動と、好みの問題を超えたボランティアのユニフォームのダサさだろう。やることなすことすべて裏目に出て、本当にこの大会は成功するのだろうか。ただ、五輪の最大のリスクは東京で酷暑が続く今頃の季節に開催することだろう。外での運動は控えるように呼びかけられている時期にこうしたスポーツイベントを開いたらどのようなことになるのか。高温多湿に慣れた日本選手を利するならまだいいが、そもそもなぜこのような時期に東京で開催してしまったのかと後悔することにならないとも限らない。一層のことIOCに無理をいって、2022年の北京での開催の決定で2026年の冬季五輪の招致が難しくなった札幌に開催地を変更してはどうかとさえ思う。