2012年12月22日土曜日

韓国

久しぶりの韓国。釜山の空港はいつの間にかターミナルビルが建て替わり、町も高層ビルが立ち並んでいて、大学時代に来たときとはすっかり様変わりしていた。しかし変わっていたのは町の景色だけではない。空港から乗った韓国製のハイヤーは日本のそれをしのぐ快適さで、訪問先の財閥系企業が開発している製品は新規参入でありながら日本の同業の先を行く性能。日本企業がその地位を脅かされているのは電機業界だけではないようだ。今回訪問した韓国南部の地方都市はかつての日本の企業城下町を彷彿とさせる賑わいで、訪問先の企業には日本の同業を退職して移ってきた日本人もいた。同国は英語教育に力を入れていると聞いてはいたが、訪問した企業はTOEICで高得点をとらないと採用されないとかで、エンジニア職を含めて皆英語が流暢。久しぶりに乗った大韓航空も客室乗務員の英語力が格段に上がっていて、機内サービスを含めて日系の航空会社とはずいぶんと差がついてしまった。財閥支配による富の集中がいいとは思わないが、官民双方の合理的思考と意思決定のスピードは国際競争力をもつ上で欠かせない。最高学府を出た人たちが国の経済成長に関わる政策をリードしている点では日本も韓国やシンガポールと同じはず。それがなぜ“シロアリ官僚”などと揶揄される情けないことになってしまっているのか。また、政治主導でこうした状況を脱し、凋落に歯止めをかけられるのか。考えさせられる訪問となった。