2012年8月25日土曜日

電機業界

「サムスンがすごくデザインのいい携帯電話を出してきているけど大丈夫か?」「白物家電は経営の重荷になっているように見えるが今後どうしていくのか?」外資系証券会社に勤めていたおよそ10年前に某大手家電メーカーのCFO(最高財務責任者)のお供でヨーロッパの投資家回りをしていたときに受けた質問だ。その後サムスンが携帯電話市場を席巻し、この電機メーカーは白物家電事業からの撤退を迫られていることを考えると実に的を得た質問だった。当時横並びで似たような製品をつくっていた日本の電機メーカーの中で今唯一まともな業績をあげている三菱電機。他社との大きな違いは事業の選択と集中を口先だけでなく、きちんと実行してきたことだろう。今になって思い出すのがソニーに入社を希望し、私のところを訪ねてきた大学の後輩のこと。私は何の役にも立てず、その後三菱電機に入社すると聞いた。当時は本人の期待にそえず申し訳ないと思ったが、今考えると期待にそえなくてよかったのかもしれない。