2012年3月17日土曜日

ペットボトル飲料

私はペットボトル飲料はなるべく避けるようにしている。リサイクルのコストが高く、環境にも悪いし、直射日光が当たるドラッグストアの店頭に長時間置かれても腐りもしないのは、それを防ぐために自然界には存在しない物質が使われているものと想像され、抵抗がある。ペットボトル入りのお茶の原料によく“ビタミンC”などと書かれているが、これは自然の食物に含まれるビタミンとは異なる合成物質というから何ともミスリーディング。

しかし今週はそんな私も驚く話を聞かされた。農林水産省が国内で売られているミネラルウォーター30種類を検査したところ、何と20種類からホルマリンが検出されたのだそうだ。欧州などの“先進国”では採水場で熱成形したペットボトルにすぐ水を詰めるのだが、日本ではこの方法が認められていないため、ミネラルウォーターのメーカーは仕入れたボトルを規定通り洗浄するのにホルマリン入りの洗剤を使うのだそうだ。

この話を教えてくれたのはミネラルウォーターの水質検査をしている会社の人だが、肌に塗る化粧品に許されている量の最大8倍のホルマリンが、直接体内に取り込むミネラルウォーターから見つかったというから驚く。ホルマリンは消毒に使われることからもわかるように、細菌やカビが生きられないくらい毒性が強い物質で、シックハウス症候群の原因にもなっている。後でネットで調べてみると、ペットボトル飲料が汚染されている事実を知っている人はいるようだが、どうしてこのような重大なことがマスコミで報じられないのだろうか…。

原発事故の後、ミネラルウォーターを買って子供に与えている親は多いと想像するが、微量の放射性物質に汚染された水と、化粧品に許される上限の数倍ものホルマリンを含む水のどちらがより安全といえるだろうか。比較はともかく、少なくとも後者が安全でないことは確かだろう。監督官庁にはせめて検査結果の公表はしてもらいたいものだ。