2012年3月11日日曜日

震災

震災から一年。かつて出張や旅行で訪れた被災地の町も今はテレビの画面を通してその変わり果てた姿を見るだけとなった。当面復興がトッププライオリティなので、それ以外のことは後回しでも仕方がないと思うが、なぜこれほどの人的被害を出してしまったのかについては、いずれ検証する必要があると思う。

かつて三陸沿岸を訪れ、釜石などで過去の津波被害の資料を目にしてきた私には、当地の人々が津波に対する備えをしていなかったとは到底思えない。メーカー時代に度々出張で訪れた、海岸からだいぶ離れた多賀城の事業所にも津波が押し寄せたというから、その規模が相当なものであったことは理解できるが、気象庁は潮位の変化などからそれを十分に予測できたにもかかわらず、そのデータを無視して過小な予測を出したと聞く。

物的被害はお金をかければ取り返せるが、人命は戻らない。昨年の震災の深刻さは何といっても2万人近い犠牲者及び行方不明者を出したことだろう。震災の特別番組もいいが、これほどの人的被害を出してしまった原因がどこにあるのか、その核心に迫り、今後の教訓にしてもらいたいものだ。