2011年12月3日土曜日

インド

この一週間はインドからの来客で慌ただしく過ぎた。同国の大手コンサルティング会社と提携してから2年余り、製薬、食品、建材、医療機器など様々な業種の企業から順調に受注を受け(これは弊社の実力というよりは提携先の実績によるところが大きい)、セミナーを開けば常に満席になるくらい同国への関心が高まっている。

インドの人口は12億人近く。日本の10倍を超えるのももはや時間の問題。つまり全人口の10%が日本人と同じ購買力をもつだけで大変な市場になるわけで、多国籍企業であれば関心をもたずにはいられないだろう。しかしいかんせん意思決定が遅い日本の企業のこと。業界最大手クラスでも完全に韓国勢の後塵を拝しているところが多い。

インドの提携先との取り決めでは弊社が営業支援をして受注をした後は提携先がお客様に直接サービスを提供するということになっているが、そうはいかないのが日本の企業。何やかやで弊社にサポートの依頼が来る。そして今週はクライアントの大手医療機器メーカーから頼まれて、社長への市場調査の最終報告をインド人コンサルタント同席のもと、私が日本語でやることになった。

思えば大勢の人の前でプレゼンテーションをするなんて久しぶりだ。投資銀行時代ににわか勉強したことをさもずっと前から知っていたかのように語る術は身につけたが、予備知識のないインドの医療機器業界について語るのはかなり荷が重い。しかしインド人から各スライドのポイントを聞き、投資銀行業界で培った厚顔さを活かして?何とか切り抜けた…。

それにしてもインドのエリートたちの優秀さには驚く。自分が担当する業界の様々な製品について聞かれるがままにすらすらと答える。また、見込み客についても徹底的に調べ上げ、営業段階で有用な情報を提供する。人口の母数が多いとピラミッドのトップもそれだけレベルが高くなるということか。逆にいえば大変な競争社会で、つくづくインドに生まれなくてよかったと思う。