2011年4月2日土曜日

自粛ムード

出張に出てから2週間、日本ではさまざまなイベントが中止やキャンセルになり、自粛ムードが高まっている様子。しかし何もかも自粛することが本当にいいのだろうかと思う。

東日本で働いている者としては震災後しばらく積極的に営業活動をする気にはならなかった。相手先の企業やそこで働く人たちが震災の影響を受けたり身内が被災しているとも限らないので、何事もなかったかのように面談を申し入れたり商談をもちかけることがはばかられた。海外の取引先からの心配の声に、出張などしている場合なのだろうかと考えたほどだ。

しかし私が事業活動を控えることは被災者にとって何のプラスにもならない。むしろ商売を続けて収益をあげ、国庫に少しでも貢献することの方が大事と考え直した。特に我が零細企業の場合、海外のお客様からの収入が多いので、ビジネスを続けてこそ日本経済にわずかばかりの貢献ができる。

BBCの報道の影響か、イギリスでは会う人会う人に日本が沈没したかのような勢いで大丈夫だったかと聞かれた。東日本以外は大きな影響を受けていないことをわかっていないようだ。また、「日本のお茶はお土産に持って行くと喜ばれたけど、もうだめだね。」などと国全体が放射能に汚染されているかのような言葉も聞かれた。

被災者のことを思い、イベント等を中止するのは間違ったことではないと思うが、国策として振興しようとしていた農産物の輸出や観光が大打撃を受けかねない中、行きすぎた自粛はかえってマイナスな気がする。特に国際会議やスポーツの国際大会などは日本が安全であることをアピールする絶好の機会であり、予定通りにやるべきではないかと思う。