2010年10月11日月曜日

困った来客

仕事柄海外からのお客さんを相手にすることが多い。ほとんどの場合、ビジネスの常識をわきまえている人たちがやって来るが、業界によってはかなりハイレベルな“困ったちゃん”に出くわすこともある。

先月事務所にやって来たアメリカ人建築家と彼のPR会社の女性担当。事務所に来たときは和気あいあいとしていたが、同僚が外に連れ出すと銀座のど真ん中で大声でけんかを始めるなど、さんざんだったそうだ。

建築家の方はまだ40前の若さだが、持続可能な建築を目指すグリーンビルディングの世界で実績をもつ人物で、今回の滞在でいきなり案件を受注したというからたいしたものだ。しかし大手企業との面談にジーンズ姿で現れたり、面談のための資料を何も用意していなかったり、待ち合わせの時間に待ち合わせの場所に現われなかったり、勝手にホテルを移ったりと、やりたい放題だったという。アテンドする側はたまったものではないが、聞いた私は笑うしかなかった。

一方のPR会社の50代と思しきおばさんもまたすさまじかった。週末に観光で京都に行き、当地がたいそう気に入ったのはいいが、京都はホテルも安いといって東京のホテルをチェックアウトして京都に移ってしまった。聞けば外国人向けの鉄道パスを持っているので新幹線はひかりかこだまが乗り放題とのこと。それにしても毎日京都から東京に通うという発想に驚く。さらに東京で訪問した会社の中年のおじさん(アテンドした同僚によると特に恰好よいわけでもない)に一目ぼれし、薬指に指輪をしていたのでチャンスがあるかしらなどといっていたそうだ。いったい何をしに日本に来てるんだい!といいたくなるがやはり笑える。

ほかにも展示会に出展するはずが来なかったという企業もあった。それも1社ではなく3社もだ。しかもそのうちの2社は事前に何の連絡もよこさず、こちらが会場にいってブースがもぬけの空で初めて気づいたというありさまだった。ここまで来るともはや文化の違いでは済まされない。

こうしたハプニングには笑えないものもあるが、それでもどの企業の人も悪気なくやっているので私にはむしろかわいく思えたりする。これも外資系証券会社などに勤めていたからだろうか…。