2010年5月22日土曜日

イギリスからの来客

「週末はぐっすり寝られたよ!」前の週に来日したイギリスのクライアントからのメール。思えば過酷なまでにハードなスケジュールを組んでしまった。

まず到着当日の月曜日にはホテルにチェックインした後、休む間もなく面談に連れ出し、その後に会食、翌火曜日は東京で2社面談した後横浜に移動して面談、東京に戻ってさらに面談をこなした後、立て続けに新聞社2社の取材、そして会食、水曜日は都内で2社面談をした後大阪に移動してさらに2社と面談、そして会食、木曜日は大阪で2つ面談をした後広島に移動し、面談、工場見学、会食、そしてその日のうちに大阪に戻り、翌金曜日の朝に関空から送り出した。スケジュールを見返してよくここまで詰め込めたものだと思う。

しかし、である。それだけ多くの企業さんが面談の申し入れを受けてくださったことは有難く思うべきで、日本的な社交辞令の要素が多少あったにしても総じて感触は悪くなく、今回の来日の目的は達成できたと思う。また、そもそもこのようなキツキツのスケジュールになったのは月曜日到着の金曜日出発という正味3日余りの滞在だったからということもある。海外に出張するときには前後の週末を移動にあてるのが当たり前と考える我々日本人に比べてプライベートを重んじていることの表れだろう。

昼食もとる時間もろくにないほどの分刻みのスケジュールながらすべて時間通りに進んで満足していたところ、クライアントから思わぬことをいわれた。奥さんにお土産を買わなければならないというのだ。思えば連日夜の会食の予定まで入れてしまったので買い物に行く時間がなかったのだ。奥さんからは”Don’t buy me anything. ”(何も買って来なくていいから)といわれているということだったので、それなら今回はいいんじゃない?といったら、その言葉を文字通り解釈したらエラいことになる、「高いものは買わなくていいが、自分と離れていて寂しかったことが伝わる程度のものは買って来なさい」という意味なのだそうだ。大阪での面談の合間に船場の高架下のショッピングモールに連れて行ったが、安すぎるという理由で結局何も買わなかった。

その後博労町にある英国総領事館に行くと受付の掲示板に同館の管轄区域で国際結婚する予定のイギリス人とその結婚相手の年齢、住所等が印刷された紙が貼り出されていた。見ればそのほとんどがイギリス人男性と日本人女性のカップルで、これを見たクライアントは「日本の女性はsubservient(従属的)なんだよね。」といってきた。企業訪問などでお茶を出す秘書さんたちの姿を見てそのような印象をもったようだ。見ればほとんどのカップルが女性の方が年齢が上で、日本で生活するとなればなおさら旦那が主導権を握れそうにない。誤った認識を持ち帰られても困ると思い、「結婚するまではね。」と断った。