2009年10月24日土曜日

HDR-TG5V

2か月ほど前に大阪から訪ねてきた大学時代の同級生。待ち合わせ場所の東京駅の丸の内北口の改札を出てくる彼の姿を見て開口一番「ずいぶん太ったね。」という言葉が口をついた。するとすかさず「その言葉、そっくりそのまま返すよ。」といわれた。そういえば彼と会うのは2年ぶりで、その間に私の体形もすっかり変わってしまった。

その彼の手もとを見ると見慣れない形のカメラらしきものを持っている。聞くとソニーのビデオカメラだという。そして彼はそれを構えると、何の断りもなく私の姿を撮りだした。ぶくぶくと肥え太った姿を映像に残されてしまってはたまらない、と思ったが時すでに遅し。しっかりと音声付きで撮られてしまった。

彼は昔からのソニーファン。このビデオカメラは使いやすく、映像データをパソコンに保存するのも簡単でとても気に入っているという。実際に持たせてもらうと驚くほど軽量で縦長の形状が何とも持ちやすい。ただ、旅行先にビデオカメラはおろかデジカメさえも持っていかないことが多い私が買っても持ち腐れになるだろうと思った。

それからしばらくして妹の家に遊びに行くと、今年の6月で1歳になった二人目の甥っ子がよちよち歩きを始めそうな様子だった。しかし肝心の妹は二人の息子の面倒をみるので手いっぱいで、下の甥っ子の姿を映像に残す余裕などなさそう。私も二番目なのでほとんど写真が残らない不遇さを知っている。にわかに友人が持っていたビデオカメラのことを思い出した。

ソニーに入社したての頃、新人研修で赤羽にある電気店に派遣された。同期入社の人たちと当時売り出し中だった8ミリビデオのハンディカムを売りに戸別訪問した。このとき電気店の人から入れ知恵されたのが「お子さんのかわいい姿を残せるのは今しかありませんよ。」というフレーズだった。次々に新しい機種が出るので買うのをためらっているお客さんへの殺し文句だ。電気店のおやじさんは確かに正しかった。

事務所近くのソニーショップに行くと友人が持っていたのと同じ機種の展示品が格安の値段で売られていた。しかしたまたま店を訪れていたソニー社員の人にどうせ買うなら新しい機種のほうがいいと勧められた。「でも値段が倍近いと…」などとためらった風な態度をとるとすぐに店長にいって2万円ほどまけてくれた。しかも三脚付き。

新品のビデオカメラを充電するとさっそく妹の家を訪ねた。思えば妹夫婦には長男が生まれたときもかわいい姿を残せるようにとビデオカメラを買って渡した。当時は子どもが彼一人だったので親が撮影していたようだが、二人目だと手が回らないようなので今回は私がやらなければならない。その代わり今回はビデオカメラはあげるのではなく、私がキープする。

この製品、AV(機器)マニアの友人がいう通り、すこぶるいい。軽くて持ちやすく、映像もきれい。これなら旅行に持って行ってもいいと思う。まだやってはいないが、パソコンにデータを移すのも簡単そう。ソニーの商品開発力が健在であることを改めて認識するとともに、私が新入社員だった頃に比べてずいぶんと単価が下がってしまったものだと思った。(私がためらいなく買える価格帯になったことは個人的には嬉しいが。)