2009年10月2日金曜日

オリンピック招致

リオデジャネイロの順当かつ妥当な勝利。東京の案の定の敗退。すでに開催経験がある都市で、しかも同じアジアの北京でやったばかり。勝算が薄いことくらい誰の目にも明らかであっただろう。なぜ我々都民の税金を使ってこんなことをやってくれたのかと改めて思う。

開催地を決める投票に参加するIOC委員がもっとも重視するのは開催候補地の市民の支持率という。リオやマドリッドが8割を超えていたのに対して東京はダントツ最下位の56%だったという。百数十億円もの税金を使うならせめて招致に賛成するか都民に事前にアンケートをとってから立候補するかを決めるべきではなかったのか。私のまわりではきわめて関心は低く、招致を積極的に支持していた人は一人も知らない。日本国内の候補地選考で東京と争った福岡・九州であればまだましな数字が出ていたのではないかと思う。

一都民としてさらに気になったのが都庁職員の動員のされ方だ。この4年間もの間誘致活動に専念する人を何人も出せるほど庁内に人がだぶついているのか。今回のIOC総会を見物するツアーは格安な料金にも関わらず一般の参加者が集まらず、それを埋めるように都庁の職員が大挙してプライベートで参加したというが、それほど多くの職員が一斉に有給休暇をとっても業務に支障をきたさないくらい人に余裕があるのか。

今回の開催地選びでせめてもの救いはシカゴも事前の評価通りに敗れたことだろうか。開催地を選ぶ最近のIOC総会では国家元首クラスの参加が当たり前のようになっているが、人気のある大統領とその夫人が総会に参加して演説するという本質とは関係のないことで開催地の座を得てしまうようなことがあっては悪い前例をつくることになっていただろう。