2019年7月7日日曜日

血まみれの手

カナダ人の知人がG20で来日したサウジアラビアの皇太子を称してこういった。反体制派のジャーナリストをトルコのサウジ総領事館で惨殺することを命じた疑いが濃厚なこの人物をアメリカ追随がモットーの我が国の首相が何事もなかったかのように笑顔で迎え入れたのは想像される彼の人間性、政治姿勢からして不思議ではなかったが、天皇が赤坂御所で面会し、その「血まみれ」の手と握手を交わしたのにはがっかりさせられた。思えば自らの体制維持のためには国民を餓死させてまで大量破壊兵器の開発に大金をつぎ込み、自らの兄や叔父にまで手をかけた彼の国の独裁者を称賛する米国大統領、その「親分」の心変わりに気づかずに慌てて圧力路線を転換して「前提なし対話」のラブコールを送る節操がなくお間抜けな我が国首相も、善悪よりも自身の利益が優先するという意味ではこうした独裁者たちと同類なのかもしれない。また、そうした人たちが曲がりなりにも直接、間接に国民に選ばれているのだから、両国の国民がこうした状況を許しているともいえるだろう。