2015年9月19日土曜日

安保法

ふだん政治の話をしない人から安保法について意見を聞かれると、本件への関心の高さを感じる。政府は我々一般国民が知らないリスクを認識していて、国民を守るためにやっていると思いたいところだが、現政権(というか日本の政治家全体)に正しい時代認識、国際情勢認識があるのか、また、本当に憲法に違反していないのかという2つの疑念がぬぐえない。前者の国際情勢の認識に関しては、首相が外遊先でイスラム国を刺激する発言をして日本人の人質二人が殺害されるに至ったことや、靖国神社への参拝についてアメリカ政府に苦言を呈されたとたん慌てふためいて外相を“説明”のためにワシントンに送るところを見ると何とも心許ない(そうしたアメリカ政府の反応を見越した上で敢えてやるのならまだいいが)。安保法も合理主義のアメリカが日本を守るために中国と本気で事を構えることなどありえないという認識のもとにやっているのであればいいのだが、そのあたりもかなり怪しい。また、国会での答弁のぐらつきぶりが半端でない首相や防衛相がいくら合憲と主張しても説得力がない。今回の騒動はいずれ歴史の審判を受けるだろうが、それが取り返しのつかない事態が起きた後にならないことを願いたい。