2015年5月16日土曜日

法治国家?

志布志事件の裁判の報に触れ、いわゆる郵政選挙のときに同じ鹿児島の選挙区から出馬した当地出身の弁護士の話を思い出した。自らが立てた「刺客」候補の応援で全国を駆け回っていた当時の小泉首相が、彼の応援をするために鹿児島入りすることができなかったというものだ。その理由は誰もヘリポートを貸さなかったからで、代わりに武部幹事長が来たという。(小泉首相が応援に行った先の候補はことごとく当選したが、武部氏が行った先は皆落選したという話の真偽は不明。)志布志事件は警察や検察などの公的権力が地元の権力者に敵対する者を排除しようとした法治国家とは思えない事件だが、度合いこそ違え、それと似たようなことが起きているのが群馬だろう。安倍首相の米国議会での演説が新聞の一面を賑わせたのと同じ日に、小渕代議士の利益供与事件の首謀者とされる人物が起訴されたというニュースが小さく報じられた。群馬の地元政界に詳しい人の話では、起訴されたといっても帳簿の記載ミスという軽い犯罪で、さらに世間の注目を浴びないよう、安倍首相の米国議会での演説のタイミングとぶつけたのだそうだ。警察のみならず検察までもが時の権力におもねるようになって果たして正義など達成されるのだろうか。この国の先行きが心配になった。