2014年12月6日土曜日

アベノミクス

NHKのニュース番組でアベノミクスについて語っていたW大の教授と国立H大の教授。前者は肯定的、後者は否定的であったが、実質所得の減少が消費を低迷させ、経済の縮小を生んでいるというH大の教授の的を得た分析に対し、円安が進めば製造業が国内に回帰するなどと語るW大の教授の見識のなさに驚いた。日本の多国籍企業の多くは過去の輸出モデルから「地産地消」型への転換を目指して市場の拡大が見込まれる海外に出ていっているわけで、円安になったからといって市場が縮小することがわかっている我が国に製造拠点を戻すはずなどない。政府が取るべき対策についてもH大の教授が規制緩和のみと述べたのに対してW大の教授は低所得者層への現金支給などとわけのわからないことをいう始末。W大の凋落ぶりは教授の質にも表れているのか。今月の総選挙は来年が大変な年になることを暗示しているように思える。アベノミクスがうまくいき、来年政権の支持率が上がることが見込まれれば何も今選挙をやる必要などない。今の経済政策に疑問をもっていても、野党に投票するまでの決断がつかない人が多いことを見透かした解散と思われるが、このあたりは政治巧者といえよう。低投票率の中で低得票の与党が安定多数を確保するという結果が容易に予想される。