2014年8月9日土曜日

ねぶた

「ほんと思いつきなんだけど…」突然電話をかけてきた幼馴染がこう切り出した。何かのお誘いと直感したところ、「ヒロシのところに行かない?」と続けた。ヒロシといえば青森に移り住んだ幼馴染で、市内で人気のカラオケ店を営んでいる。聞けば青春18切符の広告を見て、無性に自由旅行がしてみたくなったのだという。大企業に勤め、前の週には家族旅行でグアムに行った模範的人生を送る同級生が、一人でインドにバックパッキング旅行をした20代の頃の気持ちを残しているのが微笑ましい。世界自然遺産の白神山地に行き、その後青森でなぶたを見るということだったが、私は月曜日と火曜日の2日しかあいていなかったため、青森のねぶただけ合流することになった。人の家に泊まるのも気づまりなのでネットでホテルを探したところ、唯一空いていた部屋が狭いと評判のチェーンホテルが一泊2万円もして驚いた。ヒロシの店の前がねぶたの運行コースになっていて、最前列の特等席から見事なねぶたを間近に見ることができた。今年はまとまった休みが取れず、旅行も諦めていたが、幼馴染の思いつきのおかげで短いながらも思いもかけず楽しい夏休みを過ごすことができた。