2014年6月20日金曜日

誤審報道

ブラジル・クロアチア戦の西村主審の判定に関する国内と海外の報道の落差に驚く。素人目にもブラジル選手の演技にまんまと騙されたようにしか見えないが、本邦では「…が西村主審の判定を擁護」などといった記事が目立つ。一方、海外の報道は少なくとも英文のメディアを見る限り誤審であったことを前提に、PKだけでなく、ブラジルのネイマールがクロアチアの選手にレッドカードとすべきエルボーをしたときにもイエローカードにしかなかったことを挙げ、この試合を通じた彼の判定の公平性に疑問を投げかける報道が目立つ。西村氏がその後の試合で主審から降格されたことを見れば、FIFAも暗に彼が公平性を欠いていたことを認めているように思われる。以前の大会でも開催国や特定の国に明らかに有利な判定をする審判がいたが、日本人審判がこのような形で批判の的となるなど想像しなかった。また、この誤審問題に限らず、世界ランキング40位以下の国が32か国しか出ていない大会で一次リーグ突破の可能性が高いなどと報じる本邦メディアの客観性を欠いた報道もいかがなものかと思う。