2014年3月8日土曜日

ロックリン

広島のバーで知人と飲んでいると、バーテンダーの青年がテキサス出身というアメリカ人の客と話しているのを耳にした。その会話を聞くともなしに聞いていると、その青年のおばさんがアメリカ人と結婚してカリフォルニア州のサクラメントに住んでいるということがわかった。サクラメントといえば私が高校のときに留学していた地域の中心都市で、カリフォルニアの州都とはいってもロスやサンフランシスコとは比べるべくもない小さな町だ。広島のバーで耳にするなど思いもよらず、つい話しかけてみると、おばさんがいるのは実はサクラメント郊外の、シエラカレッジという大学がある名もない町だという。そのシエラカレッジがある人口数千人のサクラメントよりもはるかに小さな町こそ(「ロックリン」という名前はちゃんとある)私がホームステイしていた町で、ほとんどありえない偶然に驚いた(ソニー時代の同僚がロックリンの隣町の高校に通っていたことを知ったとき以上の驚き)。思えばサクラメントの周辺に住む日系人はそのほとんどが広島の出身かその末裔で、日系人が集まるバーベキューパーティーに行ったときに2世と思われるおじさんに「日本人なのに宮島に行ったこともないのか」といかにも広島セントリックなことをいわれたのを思い出す。彼のおばさんがロックリンの寿司屋で働いていると聞き、昔はあの町に寿司屋などなかったといったら、「僕が行った4年前からありましたよ」といわれ、20歳代にとっての昔と40歳代の昔の時間軸が大きく違うことを思い知らされた…。