2012年9月15日土曜日

直方

今週は商用で福岡県の直方に行った。思えば筑豊に足を踏み入れるのは大学時代に福岡の友人が連れて行ってくれて以来で、それまで小説の世界でしかなかったぼた山や炭鉱労働者の住宅(炭住)を見て大いに興奮を覚えたのを思い出す。そして炭鉱のイメージしかないこの地を仕事で訪れることになろうとは当時は想像もしなかった。しかし今回は炭住の一つも目にすることはなく、すべて取り壊して新しい公営住宅にしてしまったのだと聞いた。郊外型の大きなショッピングモールができ、駅前が閑散としているあたりはどこの地方都市とも同じ風景。古いものを残そうという意識がないのだとタクシーの運転手さんがいったが、かつて日本の経済発展を支えた歴史ある町がふつうの町になってしまったのは実にもったいない気がした。