2012年4月15日日曜日

きざみ奈良漬け


出張先の北九州のホテルで腰痛に耐えかねてマッサージを頼むと、約束の時間よりだいぶ遅れて60代と思しきおばさんがやって来た。言葉で地元の人間ではないことがわかったのか、どこから来たのかと聞かれ、東京と答えた。話題に事欠いておばさんは地元かと聞くと違うという。博多あたりの人はわかりやすいが、色々な地方の人が入り混じっている北九州の人の言葉は今一つ特徴をとらえづらい。

おばさんはすんなりとは教えてくれず、どこと思うかと聞かれた。あまり特徴的な言葉ではなかったので全国各地を旅行した私も皆目見当がつかず、最後にようやく「大和の国」だと教えてくれた。確かに奈良出身の知り合いは少なく、数少ない同県出身の知り合いも私には標準語(東京弁?)を話すので、奈良言葉というのはあまり聞いた記憶がない。それにおばさんは北九州の人と結婚して何十年も当地に住んでいるというから、話し言葉もだいぶ変わったものと想像する。

それにしてもこんなタイミングで奈良出身の人に会うとは驚きだった。というのもその翌週に商用で何年かぶりに奈良に行くことになっていたのだ。おばさんにそのことをいうと、私が訪問する先の銀行の前に老舗の奈良漬け屋があって、そこの「きざみ奈良漬け」がおいしいということと、そのまた近くにあるうどん屋がお勧めだと教えてくれた。

昨年、うちでバイトしていた子が就職した九州の家電量販店の採用担当が私のいとこの知り合いであるというありえない偶然に驚いたが、めったに奈良に行くことがない(商用では初めて)私がその直前にめったに会うことのない奈良出身の人に、しかも北九州で出会う偶然に驚いた。

きざみ奈良漬けはそれ自体の味が濃い奈良漬けが粕漬けのようになっていてその絶妙な組み合わせが癖になりそうだった。また、この老舗で今はやりの塩麹を売っていたので買ってきて肉料理や魚料理に使ってみたが、これがまた美味。一方、うどん屋は近くに2軒あり、どちらとも判断がつかなかったので、結局好物の柿の葉寿司をたらふく食べて帰ってきた。