2011年9月11日日曜日

LCC


3年ほど前、商用で北九州に行くことになり、スターフライヤーという聞き慣れない新興の航空会社を利用した。値段が安かったのであまり期待していなかったのだが、機体は新型のエアバス機、革張りのシートはピッチも広く、大手航空会社のフライトよりよほど快適だった。

大手二社も他社との合弁で参入を決めたように、日本にも遅ればせながら格安航空会社(LCC)の波が押し寄せて来たようだ。航空業界再編後の国内路線がこの二社にほぼ独占され、価格競争もあまり働いていない状況からすると大いに歓迎すべきという気がする。今年に入ってから二度ほど松江に出張したが、羽田からのフライトを調べてみると、出雲に飛んでいる日本航空と米子に飛んでいる全日空が1円違わぬ料金だったのに驚き、呆れた。

先月再び北九州を訪れる機会があり、帰りはスターフライヤーを利用することとなった。大手航空会社とコードシェアをしていることを知り、チェックインの際にマイルをつけることができるか尋ねたところ、その航空会社が設定している数千円高い料金を払えば可能とのこと。費用はクライアントもちとはいえ、同じ飛行機に乗るのに何千円も高い料金を払うことは正当化できない。

LCCというと「安かろう、悪かろう」の発想でコストを下げるために機体が古かったり、座席が狭かったり、サービスが悪かったりするものと思いがちだが、スターフライヤーに限っていえば革張りの各シートに電源やディスプレイまでついていて、タリーズのコーヒーがふるまわれるなど、至れり尽くせりだ。テレビのチャンネルもゴルフレッスンからBBCニュースまでそろっていて機内で退屈することがない。

大阪への出張も飛行機で行く飛行機派の私にとっては今後もこうした「安かろう“良かろう”」の新興の航空会社が正常な競争を促し、空の旅がますます快適になることを望む。