2011年7月16日土曜日

斜陽の国

イギリスから久しぶりの大臣の来日。最近どの国も中国詣でが激しい一方で日本に来る要人はすっかり減ってしまい寂しい限りだ。イギリスもご多分にもれず就任したてのキャメロン首相が一大デリゲーションを率いて中国に行った一方で、大臣級の来日は同国での政権交代後今回が初めてだ。聞けば今回来日した大臣は連立相手の自民党出身の人物で、首相の意に反することも歯に衣着せずいうため疎んじられているとか。大使公邸で行われたレセプションでも日本の企業関係者を前に日本の市場の閉鎖性についてチクリとやった(いっている内容は正しいと思うが)。

我が社が業務委託を受けているアメリカの州政府からの突然のメール。来年度の海外予算が大幅に削減されるため、中国と欧州を残してほかの事務所の予算は凍結にするとのこと。優先順位に異存はないが、日本がゼロというのはあまりに極端。秋口に連邦政府の予算がおりれば日本の予算も復活するかもしれないというが、インドやブラジルといった新興国を差し置いて閉鎖的で成長が見込めない国に予算を割り振るとは思えない。かつて日本には全米50州のうちの半数以上が我々のような業務委託という形で事務所を構えていたが、年々その数は減る一方で、かたや中国にはすでに37を超える州が事務所を構えているという。

海外の政府機関からの委託業務をしていると日本の凋落ぶりを身に染みて感じる。国内産業を守るための非関税障壁がてんこ盛りの国も世界第2位の経済大国であった頃には見向きもされたが、人口が減り、購買力が落ち、景気も低迷する中ではとても関心がわかないのだろう。我が零細企業も“細々”と生き延びるために業務の多角化か業容の転換を迫られそうだ。