2011年6月18日土曜日

福岡


突然の福岡出張。同僚だけが参加する予定だった業界団体主催のイベントに県庁やら産業局やら領事館やらの方々が来られることになり、一人では荷が重いといわれ、急きょ私も参加することになった。

あまり頻繁に行かない町の地理はなかなか頭に入らないものだが、福岡に行くのは今年に入ってから二度目で、右も左もわかるようになってきた気がする。特に今回は夜行われるイベントのために一泊することになっていたので、町をぶらぶらと歩き回る時間があり、来月行われる博多祇園山笠のグッズが売られている川端の商店街を散策したり、イベントの翌日には大宰府まで行って好物の梅ヶ枝餅(写真)を食べたりした。

それにしても福岡は何度行ってもいい町だ。東京のように大き過ぎず、人も多過ぎず、それでいて何でもそろっている、というより東京にないものまで置いている。デパートの地下に行けばふつうに辛子蓮根や明太子が試食でき、博多駅近くに見つけた居酒屋では馬刺しが食べられるほか、東京の居酒屋ではあまり見かけないアルゼンチンのワインやアイリッシュウィスキーが飲める。三越の地下にあるフォートナム&メイソンでは東京の店舗にはないスコーンやドーナッツまで置いてあった。

福岡に行くと首都東京が日本でいちばん進んでいるわけではないことを認識させられる。幅が広い道路には自転車専用のレーンが設けられ、地下鉄の駅には東京ではまだ少ない転落防止用の柵が設けられている。また、走行中の地下鉄の車内でも携帯の電波が入るのはソウルと同じで、東京は完全に両都市の後塵を拝している。

せっかく福岡に来てテンションが上がっていたところ、イベントでお会いした建築関係者からまたも中央官庁のがっかりな話を聞かされた。2年前お台場に巨大なガンダム像が建てられてなぜここに?と思ったものだが、もとはヨーロッパから輸入した発電用の風車を建てる予定だったのが、"監督"官庁から姉歯事件で厳しくなった規制を盾に邪魔が入り、せっかく買った風車を泣く泣く中古品として第三国に売るとともに、予定地にガンダムの像を建てることになったのだという。

福岡は東京に行くのと同じ時間で上海まで行かれるそうで、成長著しいアジアの新興市場へのアクセスのよさが大きな潜在力を感じさせる。こうした地方都市が日本にあるがゆえに既得権益を利するだけの中央官庁の理不尽な干渉を受けて成長を阻害されることがないように祈るばかりだ。