2011年6月11日土曜日

姉妹州


契約先の米国ワシントン州から震災被災地の視察のために構造工学技術者の一団がやって来た。10日ほどの日程で宮城県や千葉県の被災地をまわり、東京では大手建設会社の協力で最新の免震技術を使った高層ビルの建設現場を見学させてもらった(写真は駿河台に建設中の大手保険会社の新社屋)。

ワシントン州はカリフォルニアと同じ北米大陸の西側にあるが、大きな地震があったという話は聞いたことがない。しかし視察団のメンバーによると地層などから300年ほど前に大地震が起きたことがわかっているとのことで、このあたりは“千年に一度”のこととして今回の震災の可能性さえ予測できなかった日本の地震研究より実は進んでいるのかもしれない。

被災地での視察を終えて夜に東京に戻った一行が同行していた女性の同僚に歌舞伎町に行きたいと言い出し、私も付き合うことになった。思えば大学時代に飲み会などでよく行っていた歌舞伎町も今や外国からお客さんが来たときくらいしか行かなくなった。なぜ歌舞伎町などに来たかったのかと尋ねると純朴な?エンジニアらしく「(ニューヨークの)タイムズスクエアのようなところと聞いたから」といった。いったい誰がそのようなことを吹き込んだのだろうか…。

今回の視察は一行が大絶賛するほど収穫の多いものとなったが、これもひとえに宮城県庁の協力のおかげだった。同県とワシントン州とは姉妹関係はないが、航空宇宙産業などの交流を目的として以前から県庁の方々の来訪があり、こちらがワシントン州関連のイベントを開催するときにもお招きしてきた。今回はこうした非公式のお付き合いが役に立った形だが、それにしても震災復興の忙しい中、視察への同行に加え、プロ野球観戦や石巻でのボランティア活動のアレンジまでしてくださり、まさに至れり尽くせりだった。

ちなみにワシントン州の姉妹州は兵庫県で、シアトルと神戸も姉妹都市且つ姉妹港の関係だ。これはイメージ的にもぴったりの組み合わせだが、一方で宮城県とデラウェア州との姉妹関係は正直よくわからない。カリフォルニア州の姉妹州も何らカリフォルニアンなものを感じさせない大阪府で、これもよく理解できない(アメリカ村なるところには行ったことがあるが)。こうした姉妹関係は県民自身が知らないことが多いようだが、どのようにして組み合わせが決まったのか知りたいところだ。