2011年5月22日日曜日

沈まぬ太陽


1年ぶりのエジンバラ。一生に一度行かれたらいいというくらいに思っていたこの町に毎年来るようになるとは思いもよらなかった。観光客でにぎわうエジンバラ城からホリルードハウス宮殿へと続くロイヤルマイルも今や歩き慣れた道だ。エリザベス女王が宮殿に滞在しているときには旗が揚げられてそのことを知らせるが、私の滞在中はちょうどお隣のアイルランドに歴史的な訪問をされていた。

よくアメリカに行くよりも太陽と同じ方向に移動するヨーロッパに行く方が時差調整をしやすいといわれ、私の経験でもその通りと感じるが、緯度が高い当地ではこの時期は夜遅くまで外が明るいのでカーテンを閉めないと寝つけない。しかしカーテンを閉めると朝日が差し込まないので寝過ごす恐れがあり、それを防ぐためにモーニングコールを頼むと当地では忘れられることがある。出張を重ねるうちにここに来るときだけは目覚ましを持って来ることを覚えた。

夏場の日が長いということは当然、冬場は逆転して夜が長い。当地の人たちはよく酒を飲むが、これは冬の長い夜を過ごす娯楽がほかになかったからではないかと思う。彼らは日本に来ても毎晩当たり前のように飲みに出かけ、閉店を知らせる蛍の光のメロディが流れると皆大喜びで歌い始める(ちなみにスコットランド民謡である原曲は別れの曲ではないので彼らには「閉店時間なのでさっさと帰れ」というメッセージが伝わらないのだ)。

初めてスコットランドを訪れたときにグラスゴーでバーを5、6軒はしごしたのはいい思い出だが、果てしなく飲み続けるスコットランド人たちと最後まで付き合うと体がもたないし、翌日の仕事にも差し支える。これもまたスコットランドに来るようになって学んだことだ。

(写真は今回泊まったホテルの窓から撮った“夜の”町の風景)