2010年11月21日日曜日

グルメ交流会


事務所の移転に伴って商工会議所の所属先が千代田支部に変わった。相変わらず中小企業向けの経営相談だのセミナーなどの案内が多い中、表題の楽しげなイベントの案内が来たので速攻で申し込んだ。

会場は神田須田町にある天保元年(1830年)創業のあんこう料理屋。当時の杉並といえば窪地に荻が生えていたり、井草が自生していたような時代なので、当地の商工会議所でこうしたイベントがなかったのも無理からぬことか。

それにしても予約をとるのも難しい江戸の老舗料理屋を貸し切りにするなど、さすがは地元の商工会。東京都指定の歴史的建造物という古い木造の建物に入り待ち受けていた下足番の人に靴を預けると、鴨居に頭をぶつけそうな2階の座敷に通された。あんこうのフルコースは実に美味で、裏メニューの燻製(写真)までふるまわれ、締めはあんこう鍋の出し汁でつくったおじやだった。

祖父の代から三代続けて東京生まれの私は下町育ちの友人に何といわれようと江戸っ子を自称しているが、江戸と呼ぶには少々無理がある23区の西端で育ったため、このような機会は特に嬉しかった。しかし店の何代目かの若旦那の話では最近の温暖化で茨城辺りで獲れるあんこうが減っているそうで、こうした老舗で江戸の食文化を堪能できるのも今のうちかも知れない…。