2010年7月10日土曜日

認定ゴール

今回のワールドカップではひそかにウルグアイの健闘を祈っていた。3年前にブラジルとアルゼンチンという大国にはさまれた同国の首都モンテビデオを訪れ、大国のような気負いが感じられない、そののんびりとした雰囲気が大いに気に入った。立ち寄ったお土産屋では英語が流暢な店主にマテ茶用の茶器を買わされ?、かばん屋ではやはり英語が流暢な女性店員に必要もないスーツケースまで買わされたのもいい思い出だ。

南米での短い滞在期間中に大した見どころがあるとも聞かないウルグアイに行く予定などなかったのだが、アルゼンチンのブエノスアイレスに滞在中にモンテビデオまで船で行かれることを知り、行ってみることにしたのだ。1泊2日で訪問国を一つ増やせるなら効率がいいという発想もあったように記憶しているが、いずれにしてもいつもながらの計画性のない行き当たりばったりの旅がなせる技だ。

そんな存在感の薄い?小国が強豪ひしめく南米予選を勝ち抜いてワールドカップに出場するなど驚きだったが、決勝リーグまで勝ち残るのだから実際に実力があったのだろう。それだけにガーナ戦でのスアレスのあからさまなハンドの反則には実にがっかりした。球筋からして間違いなくゴールに入っていたボールであり、試合後の本人の発言からも腕に当ったのが偶然でないことは明らかだ。本人は出場停止処分になったが、ロスタイムの出来事で勝者と敗者が入れ替わったのだから、ウルグアイの勝利を無効にするようなルールが必要だったのではないだろうか。あのような行為を許してしまったらまさに“反則した者勝ち”になってしまう。

その後FIFAの会長が明らかな得点機会が故意の反則などで阻まれた場合、ゴールを認めるようにルールを改定する準備があることを明かしたと聞き、是非そのようにしてもらいたいものだと思った。今回反則を犯したスアレスがウルグアイの主要紙で英雄扱いされているやに聞くが、あのような勝ち方をよしとする国民だとしたらかなりがっかりで、同国での楽しい思い出がすっかり色あせてしまう…。