2010年6月12日土曜日

ワールドカップ

今一つ盛り上がりが感じられない今回のワールドカップ。日本チームが弱すぎというのがその理由だろうが、逆にこれだけ期待が低いと選手にプレッシャーがかからなくていいのではないかと思う。オランダには逆立ちしても勝てないだろうが、カメルーン戦とデンマーク戦はうまくいけば勝つか引き分けに持ち込むことができるのではないだろうか。

いつもは視聴者の期待を煽りまくり、前回もブラジル戦しか残っていないのにまだ望みがあるかのように報じていた本邦のテレビ局も今回はさすがにおとなしめだ。最近は放映権をもつ局が日本以外のチームやプレイヤーについてさかんに取り上げているのが伏線を敷いているようで面白い。世界のトッププレイヤーの技と動きはJリーグの試合が緩慢に見えてしまうくらいだと聞くが、今回はそれを見るいい機会であるのは間違いない。

以前も書いたが今回のワールドカップは盛り上がらない方がいい部分もあるように思う。昨年の暮れに南アフリカを訪れて、一目で外国人とわかる日本人サポーターが行くのは危険と実感したからだ。また、8年前の日韓ワールドカップで静岡で行われたイングランド対ブラジルという夢の対戦を見たが、スタジアムで豆粒のような選手を見るよりは自宅のテレビで観戦する方がよほど何が起きているのかわかりやすくていいと思う。(もちろんファンの心理としては実際に行って声援を送りたいのだろうが。)

オランダには間違っても勝てないとなると初戦のカメルーン戦に負けた時点で残りは実質的に消化試合になってしまう。今回のワールドカップの最悪のシナリオは日本が全敗することではなく、日本をはじめとするアジア勢が不甲斐ない成績に終わって次回のアジア枠が減らされてしまうことのように思える。今回はアフリカ大陸の、それもオランダ系移民が多い南アフリカでの開催なのでカメルーン戦もオランダ戦も実質アウェイのようになると思うが、期待の低さを逆手にとって伸び伸びとやってもらえればいいのではないだろうか。