2010年3月21日日曜日

ご先祖探し

"Who do you think you are?"英語がわかる人にこんなことをいったら恐らくムッとされるだろう。日本語でいえば「いったい何様のつもり?」といったところだろうか。出張先のアメリカでこのような名前のテレビ番組が人気であることを知った。

何年か前に高校時代にホームステイしていたホストファミリーの娘(といっても今は40代半ばの4児の母)がインターネットで集めた情報から家系をたどっていってメイフラワー号に乗ってアメリカに渡った最初の移民に行き着いたという話を聞いた。どっからどう見ても“アメリカン”でしかないアイルランド系やイタリア系のアメリカ人が自らを“アイリッシュ”だの“イタリアン”だのと呼ぶ北東部ニューイングランド地方の人々ならともかく、西海岸育ちの彼女が自らのルーツに興味をもったというのは意外だった。ちなみにメイフラワー号でやって来た人々の末裔の中には会員組織まで作っている人たちもいるというから驚く。

昨年末南アフリカを旅行したとき、ツアーのガイドさんがアフリカ系アメリカ人が祖先の地であるアフリカにやって来てビジネスを始めようとするが、なかなかうまくいかないのだという話を聞いた。何でもアフリカでは土着の人々が皆同じ人種という意識はなく、細かい部族(tribe)に分かれているため、自分の祖先がどの部族に属していたかがわからないと仲間として扱ってもらえないのだそうだ。アフリカ系アメリカ人の祖先は移民としてアメリカに渡ったわけではなく、家系図を残せる状況にあったわけでもないので、これはなかなか難しいだろう。

前述のテレビ番組は有名人の先祖を調べるというもので、人気女優の何代か前の先祖の一人が奴隷だったといった発見があるのだそうだ。こうした番組の影響でご先祖探しがますます盛んになり、インターネットに掲載される情報が増えていくと、簡単な検索で意外な人たちと血縁関係にあることがわかったりして面白いかもしれない。果たして日本でもこうしたことが流行り出すのだろうか。