2010年2月21日日曜日

春節

Happy Lunar New Year! 韓国の知人からのメールの書き出しで春節の到来を知った。”Chinese New Year”といわないのが韓国人らしい。

春節といえば中国人が里帰りをする、日本でいえばお盆休みのイメージだったが、最近は休暇を利用して旅行をする人が増えているそうで、秋葉原は現金で大量買いをする中国人観光客で大賑わいだったという。本国へのお土産なのか、同じ製品をいくつも買い求める人がいたり、一度に百万円単位の買い物をして現金で払っていく人もいるというから驚く。

中国人が好んで買うのは日本製の製品だそうで、電気製品などは指定買いだそうだ。Made in Japanがブランドになっているのは喜ぶべきことだが、デフレ真っ盛りの日本の人たちが安い中国製品を買い求めるようになっている一方で、中国の人たちが割高な日本製品を買っていくというのが何とも皮肉な気がする。いよいよGDPが逆転する今年は象徴的な年になるかもしれない。

日本の10倍以上の人口がいる中国なのだから、経済規模で逆転されるのは時間の問題だっただろう。一人当たりGDPではまだ日本の方が上であるが、中国の人口の1割が日本人並みの所得を得るようになるとそれだけで日本と同じ規模の消費市場ができてしまうのだから母数が大きいというのはたいへんなことだ。

高まる経済力を背景に休暇を利用して海外旅行をする人が増えている中国。おかげで海外に行くと中国人と間違えられてニーハオなどと声をかけられることが多くなった。東洋人と見れば日本人と思われ、客引きに日本語で声をかけられていた時代も今は昔。当時は迷惑に思うこともあったが、二度とそのような日が訪れないと思うとそれはそれでさびしく感じたりする。

日本政府もそうした中国人の観光需要のおこぼれにあずかろうとしてか、昨年から個人向けのビザを発行し始めたが、先日乗ったタクシーの運転手の話では、上海などから直行便で羽田にやってくる人たちはそのままタクシーで富士山を見に行くという。接待需要の激減で銀座でさえタクシー待ちがまれになっている時代にずいぶんと景気のいい話だ。日本人の財布のひもがかたくなればなるほど、今後も中国人観光客への依存が増していきそうだ。