2019年10月5日土曜日

司法の堕落

6年前にイギリスで開催されたG8サミットで、「何だこいつ」と思うくらい首相への「すりすり」ぶりが尋常でなかった当時の駐英日本大使が帰国した後に最高裁の判事に任命されて驚いた。その後彼が首相と「同郷」であることも知った。同じサミットで首相に腰巾着のごとくついて回っていた代議士はその後何ちゃら総活躍大臣、さらに直近では厚生労働大臣に指名された。弁護士資格もない元外交官に最高裁の判事をやらせること自体司法をなめているが、政権に都合の悪い判決を下さない人たちが判事に選ばれているのだからもはや三権分立などないに等しいだろう。地下電源では津波が来たら大事故になることがわかっていながら何の策もとらなかった東京電力の元経営陣に東京地裁が無罪判決を下したのは実にショッキングだったが、上告しても上に行けば行くほど政権にとって都合のいい、行政の責任を否定する判決を下すだろうから犠牲になった方々はうかばれない。国民にとってはそれこそ原発にからむ関電幹部の金銭受領問題よりよほど深刻だろう。もはや日本の裁判官たちは黒服をやめて白服に替えた方が実態に合っているかもしれない。