2016年3月13日日曜日

ホンハイ

「あんな下請けだった会社が…。」かつて台湾のホンハイがシャープと合弁を組むことになったときに、電機メーカーに勤める元同僚が言った。10数年前外資系証券会社で電機業界を担当していた時、日系大手ほどの資本力があるとも思えない台湾の後発メーカーが液晶事業のような設備産業に参入して勝算などあるのだろうかと思ったものだが、今にして思えば私も他の日本の業界関係者同様、見立てを誤っていたようだ。台湾のビジネスマンの方が概して経営センスがあり、海外慣れしている点は否めないが、やはり華語圏で、中国の安い労働力にアクセスしやすかったことも成功要因と思われ、これは日本の企業には真似できなかったのかもしれない。そのホンハイがいよいよシャープを買収したが、販路をがっちり押さえている同社の傘下に入れば、官民ファンドの「産業革新機構」に引き受けられるよりは生き残れる可能性が高く、安易に「オールジャパン」などという時代遅れな発想に乗らなかったのは評価していいのではないかと思う。