2014年2月22日土曜日

砂上の楼閣

時事通信社解説委員の鈴木美勝氏による「パンドラの箱を開けた安倍政治と外交の行方」と題する講演を聞いてこの国の先行きが不安になった。靖国参拝に対するアメリカの反応に慌てふためいている様を見て、そんなことも予想できない政府・外務省で大丈夫なのかと漠とした不安をもったが、安倍政権の最大の売りであるはずの経済面でも暗雲が漂い始めている。ジョージ・ソロス氏が日本株を売り始めたという話を聞いてはいたが、財務省の高官によると、先月行われたダボス会議で安倍総理と直接会ったソロス氏が所謂アベノミクスの第三の矢である規制改革に対する覚悟を探ったのだそうだ。このあたりは既得権益を支持基盤をしている政党であるがゆえに私も大いに疑問に思っていた点だ。その後に日本株を売り始めたとすれば、最近の株価下落の流れと一致する。前政権への失望や景気回復への期待感から高い支持率を維持しているが、貿易赤字が過去最大になり、経常黒字が限りなくゼロに近づく中で、「砂上の楼閣」、「嵐の前の静けさ」といった言葉が頭にちらついた。