2012年5月5日土曜日

Longs

ベルファストにある行きつけのフィッシュ&チップス屋。東京のイギリス大使館に勤める知人から、イギリスで1位にランキングされたと聞いた。自分の味覚が正しかったとちょっと嬉しく思った反面、年に一度の出張でしか訪れる機会がないのに、行列ができる店なんかになっていたらいやだなと思った。 先日1年ぶりの出張で当地を訪れ、グレートビクトリア駅の近くの裏路地にある店を訪ねると、何も変わった様子がなく、客の姿もまばら。これが日本だったら全国から一見客が押し寄せて大行列になっているだろう。店側も1位になったと宣伝している様子もない。これも国民性の違いなのか。 考えてみれば地元に固定客をもつお店にとって一見は有難くない存在。家の近所の定食屋はテレビで著名な料理研究家に「メンチカツが絶品」などといわれて一見客が押し寄せ、地元客が入りづらくなったことがあった。最近、某グルメ雑誌で私の地元が紹介されたが、やはりいちばん支持されている店は取材に応じなかったのか、載っていなかった。 よく「雑誌に取り上げられた」などと店の前に記事を貼りだしている店を見かけるが、私などは黙っていても客が入る店ではないのだと、逆に避けてしまう。ベルファストのこの店も、全国1位になって浮かれている様子もなく、黙々と地元客相手の商売を続けている様子に好感をもった。