2009年9月22日火曜日

フラッグキャリアの受難

経営危機を迎えている日本のフラッグキャリア。昨年株を買った身としては(もちろん優待券ねらい)実に悲しい…。この上は資本注入を受ける相手からなるべくいい条件を引き出してもらいたい。

しかし日本航空が経営危機に陥ったのは多分に人災の面があるように思う。例の新型インフルエンザ騒動だ。日本が政府とメディアをあげて大騒ぎをし、WHOも効果を疑問視していた水際作戦に多額の税金を浪費する一方で、作戦が不発に終わって感染が拡大し始めたとたん今度は感染者の“あらさがし”を始め、日本を公表数字上感染者が多い国にしてしまった。ほかの国で日本ほど感染が進んでいないわけはないだろうから、どれだけ積極的に調べて公表するかの違いだろう。日本のように新型インフルエンザをことさら大げさに心配し、かつ国民がすぐに医療機関で受診する国でなければ感染して治った人たちの数など把握しようがない。

こうした大騒ぎをした結果、日本から感染国とされた国々に行く予定だった人たちだけでなく、日本に来る予定だった出張者や観光客も渡航をキャンセルし、国際線への依存度が高い日本航空に大きな打撃を与えた。うちの会社もインドからJALで来日する予定だった人が日本での新型インフルエンザの感染拡大のニュースを聞いて、予定していた日本への出張を取りやめた。「あなたの国でもきちんと検査をすれば相当数の感染者がいるはずだよ」といいたいところだったが、もちろん口には出さなかった。

今も続く新型インフルエンザ報道。いったん大騒ぎをしたマスコミとしては今さら引っ込みがつかないのかも知れないが、季節性インフルエンザで死亡する人の絶対数や割合との対比はいまだに聞かれず、“新型”というだけで大騒ぎを続けている感が否めない。これがグループ企業を含む従業員数が5万人近い一大航空会社の経営を傾け、国内の観光産業に大きな打撃を与えたとなると日本は自作自演のパニックで自滅したといえよう。