2009年7月11日土曜日

政権交代前夜?


仕事柄、外国の大使館が主催するイベントにお招き頂くことがある。企業スポンサーがつくイベントであれば、たとえばアイルランドならギネスビール飲み放題、アメリカであればクリスピークリームのドーナッツ食べ放題、スターバックスのコーヒー飲み放題と、中年健診ですべての数値がメタボを示している人間には目の毒だ。

先日出席したアメリカ大使館主催のイベントでは大手ファストフードチェーンの出店と並んでオバマ大統領ご推薦のメニューと称した料理がいくつか並べられていた。七面鳥のチリビーンズとクラブサラダはまずまずだったが、“ミネソタライスサラダ”なる料理はあまりのまずさに一口食べて全部残してしまった。ふだん食べ物を無駄にしないように心掛けている私もお手上げのまずさで、失礼ながらオバマ大統領は相当な味覚音痴なのだろうかと思った。

ドミノピザのコーナーではフレンチばかり食べていそうなイメージの有名料理研究家がピザにパクついていて、クリスピークリームのドーナツをお土産に配りはじめたときにはテレビでよく見かける有名弁護士が真っ先に列に並んでいた。いずれもイメージ的にいかがなものかと思ったが、自宅でデリバリーピザをとったりドーナツ屋の前で行列するよりは、限られた人しかこないこうしたイベントの方が“棄損度”が低くて済むという計算なのか…。

それはさておき、大使主催のイベントでは日本の有力政治家が招かれることがよくあるが、今回のアメリカ大使館主催のイベントには何と共産党の委員長が来ていて、臨時大使といちばん長く話をしていた。時代は変わったものだ。また、最近のイベントでは来賓の顔ぶれから民主党のプレゼンが非常に高まっているのを感じる。ヨーロッパの某国主催のイベントでは与党をさしおいて民主党出身の参議院議長が挨拶に立っていた。これも日本での政権交代を見越しての人選だろうか。

首相の不人気ぶりに、吉田茂の孫が自民党最後の首相となるなんてこともありうるのではないかと思っていたが、最近になってますます現実性を増してきているように思える。選挙に勝つためには票を稼げそうな有名人の候補を立て、過半数の議席を獲得できなかったときにはイデオロギー的に相容れない政党と組んでまで政権を維持してきた党なので、ひとたび政権を失ったら議員の心も離れ、分裂しないとも限らない。もちろんこれまで政権を維持するためにそのしたたかさを存分に発揮してきた政党なので、そうした事態を阻止するために色々な手を使ってくるだろう。今度の衆院選はダーティーな戦いになるのだろうか…。