2019年1月26日土曜日

迷走外交

「プーチン大統領と腹を割って話をしたい」の一言を聞いて今回もダメと思っていたが、案の定“手ぶら”で帰るはめとなった日本の首相。“温泉接待”に続く失態で、どうせできないなら国民の期待を煽らず、国費の無駄遣いもやめてもらいたかった。ソ連時代にスパイ教育を受けて数々の修羅場をくぐり抜けてきたであろうロシア大統領に、平和な日本で何不自由なく生きてきたのであろう三世議員が太刀打ちできるはずもなく、今回もロシアを利するだけの経済交流の継続だけが確認された。「腹を割って」などというのは日本人同士でのみ通用する発想で、利益が反する外国の首脳を相手にこんなことをいっている時点でほかの国や文化のことを知らなすぎだろう。韓国の思惑通りに決着したレーダー照射問題も然り。日本と親しくしたいとも、日本に対して正直であろうとも思っていない国に拳を振り上げるのだったら、瀬取りの決定的な証拠を撮るなど、最終的に相手をねじ伏せられるだけの勝算が必要だ。そうしたシナリオもなく、行き当たりばったりの対応の果てにのこのこと引き下がるくらいだったら最初から拳を振り上げるべきではない。隣国との関係が遠ざかるばかりの日本。現政権は外交面でこの国にいったい何を残すのだろうか。