2019年12月29日日曜日

Risk averse

某大使館の商務官が来日した同国の自治体の代表に行ったプレゼンテーションの中で語っていた日本人ビジネスマン像が実に当たっていて恥ずかしかった。受付もお茶くみもすべて女性という男尊女卑ぶりなど我が国の後進性を顕著に表しているが、笑えなかったのがリスク回避(risk-averse)の傾向が強いという指摘だった。自分が責任を問われないための行動があまりに多いと企業は衰退し、そうした企業が多ければ国も衰退するのではないかと思う。その最たる例が日本の大手企業の意思決定の遅さで、物事を決めるための稟議など、責任の共有といえば聞こえがいいが、要は個人の責任回避の手段にほかならない。海外市場に成長を求める日本企業が増えているが、そのスピードについて行かれなければ商機を逸するだけで、仕事柄そうした例をいくつも見てきた。社内の決裁規定など一朝一夕には変えられないだろうし、変えたくもないだろうから、我が国の凋落も加速度的に進むのかもしれない。

2019年12月21日土曜日

外国特派員

性的暴行事件の被告・原告が外国特派員協会で行った会見と、それを報じる日本のメディアの萎縮ぶりがこの国の報道の自由の衰退を印象づけた。日本のメディアは「刑事と民事とで判断が分かれた」という報じ方をしているが、実際には刑事事件の方でも逮捕状が発布され、海外から帰国する容疑者を警察が成田空港で待ち受けていたのだからクロとの証拠がそろっていたのは明らかだろう。それを官房長官が自らの秘書官として仕えていた刑事部長(現・官房長)に逮捕中止を命じさせたことまで明らかなのに、そうした核心の部分には一切触れようとしない。一方、会見で質問に立った外国特派員は首相や官房長官を名指しにこそしなかったものの、首相と親しく「よいしょ」記事ばかり書いていた被告を救済するために現政権が直前で逮捕を中止させた疑惑に踏み込んでいた。(ちなみに官房長官は自らの懇親企業に対し、被告に資金提供するよう依頼していたというから驚く。)性的暴行を犯しても首相と親しければ警察に圧力がかかって逮捕がとりやめになり、検察も無罪放免にし、マスコミもそのことを報じないような国はもはやまともな法治国家・民主国家とはいえないだろう。

2019年12月14日土曜日

属国

「何十年後かには日本人は皆北京語を話すようになっているよ」大手商社出身の人物がいったちょっと衝撃的な一言。また別の大手商社出身の人は尖閣はいずれかの国に取られると断言した。ビジネスの世界でグローバルに活躍してきた人たちがいうのだからあながちありえない話ではないだろう。現政権はもちろんそんなことは百も承知のはずで、自分の在任中に起こる心配がないと何ら策も講じないものと推察する。我々の世代には関係のないことだが、若い子どもをもつ商社マンは彼らのことを真剣に心配し、海外留学などさせている。貿易交渉であのアメリカ大統領から大きな譲歩を引き出したかの国の交渉力はアメリカの言いなりの日本とは対照的で、指導者の能力の違いが大きいにしても、アメリカが力でねじ伏せることができない相手に成長したことを示す象徴的な出来事と思った。かの半島国はそうしたパワーバランスの変化を敏感に読み取って少しずつ軸足を移しているのかもしれない。しかし長い歴史を見れば産業革命以降に起きた歪が是正され、元の状態に戻りつつあるとも見ることができる。違いは当時とは航海技術も戦闘技術もけた違いに発達しているので、もはや島国だから守られるということはないことだろうか。

2019年12月7日土曜日

劣化

野党の追及にあったとたん、国民の税金で食べている役人が時の政権に都合が悪い名簿を破棄して国民の知る権利を侵害するなどまともな民主国家ではありえまい。記者会見で支離滅裂な答弁を繰り返す晩節の汚し方がハンパない官房長官にメモを差し入れる官僚たちはそのことを恥とも思っていない様子で、この国は一体、政治家、検察、裁判官だけでなく、官僚まで劣化してしまったのかと思った。現首相を守っているのは某指定暴力団で、オレオレ詐欺、振り込め詐欺といった特殊詐欺の類がそうした団体の資金源になっていると与党及び警察関係者から聞いたことがあるが、名簿を破棄しなければならなかったのはそれほどやばい反社系の招待者の名前がそこにあったからと容易に推測される。公費を使った宴会の費用だけでなく、公開の義務がない官房機密費もどこに流れているかわかったものではない。現首相は自分の在任中さえよければいい人物で、何ちゃらノミクスのぼろが出る次期政権は短命に終わるだろうが、今回証拠隠滅で逃げ切ったとしても、いずれ彼の闇の部分が明るみに出ればさすがにお人好しな国民の彼に対する見方も一変するのではないかと思う。

2019年12月1日日曜日

元首相

アメリカの大統領と対等に渡り合い、野党からも一目置かれていた元首相の訃報。かつてはこの国にもあのようなリーダーがいたことを思い出した。片やアメリカの言いなりで、国税で自らの支援者に利益を供与していた疑いが濃厚な今の首相。このような政治家の劣化を生み出しているのは能力本位ではなく世襲議員ばかりを選んでいる国民に原因があるのだろう。司法/検察まで政権におもねるようになり、もはや隣国のことをとやかくいえるような民主国家の体もなさなくなったこの国は、経済の衰退と相まってますます住みにくい国になっていくだろう。財を成した日本人は接する情報量も多く、そんな彼らがどんどんとシンガポールに移住していくのはこの国に見切りをつけているからにほななるまい。

2019年11月22日金曜日

特殊詐欺

ひっかかることはまずないと安心していた母親が甥を名乗る詐欺犯から金をだまし取られた。話を聞けばおかしなところだらけだったが、それを指摘しても、間違いなく甥(つまり私の従兄)の声だったと譲らなかった。このことがあって昨年、叔母が母に私が金の無心をしてきたといってきたことを思い出した。どんなに困っても頼ろうなどとは思わない叔母だったので余計に不愉快だったが、母の場合と同様に開口一番「おばさん?」と聞かれて甥の名前をいってしまい、そこから甥と信じ込まされとものと想像する。二人の明暗を分けたのは、一方が甥が困っていたら助けようとする人で、もう一方が甥が困っていても助けようとしない人だったことで、助けようとする方が損をするというのは皮肉な限りだ。警察によると電話の声は生の声と違って判別が難しいそうで、子どもを名乗っても騙される親がいるくらいなので、声を聞く機会が少ない甥であればなおさら騙されやすいのだろう。子どもを名乗った場合に比べてお金を出す可能性は低くなりそうだが、それを補っても余りあるくらい騙せる確率が高いのだろうか。

2019年11月10日日曜日

身の丈

八王子の豪邸に住むという文部科学大臣の「身の丈」発言。つい本音が出たと正直にいえない言い訳が何とも見苦しい。考えてみれば日本もずいぶんな格差社会になったものだ。彼の発言はそれを是認する現政権の本音ともいえよう。民主党政権時代に140万世帯だった生活保護世帯数も今や160万を大きく超えている。人口が減っているのにだ。一人当たりGDPも民主党政権時代に世界12位だったのが現政権下で22位まで転落した。もはやアジア1位どころか香港に抜かされ、韓国に抜かされるのも時間の問題かもしれない。国は衰退し、大半の国民は生活が苦しくなっているのに支持率が下がらない理由を考えると二つあるように思える。一つは何といっても国民の無知につけこんだ首相の「詭弁」だろう。自民党政権の負の遺産をたっぷり背負いこんで3年しか続かなかった民主党政権を「悪夢のよう」と呼んで印象操作を行ったり、労働人口が減った結果として求人倍率が上がったことを自らの手柄のように語ったり、株式市場に国民の年金を含む大量のお金を流し込んで株価を上げ、景気が回復しているといってみたり。そうした裏が見抜けない国民が多いのを見越してやっているのだから、手法としてはアメリカの大統領と通じる。もう一つは日本国民が経済的で豊かで格差も少なかった時代を知らない若い世代へと代替わりしつつあるからに思える。いい時代を知らない若い世代には格差は当たり前、日本が豊かだった時代を知らなければ貧乏国に落ちぶれていくことへの抵抗感も少ないだろう。現政権が選挙権年齢を20歳以上から18歳以上に引き下げる法改正を行ったのも不満をもちづらい若い層の支持を得票につなげようとする思惑があったものと想像する。とはいえ国のトップの質は国民自身の民度を映す鏡であることは前回のアメリカの大統領選挙を見ても明らかであり、今日の事態を招いているのもいずれその犠牲となるであろう国民自身といえよう。

2019年10月29日火曜日

がんビジネス

88歳だったという女優死去の報。かつて「がん治療に専念」と発表して表舞台から去り、ほどなくして亡くなった有名人たちのことを思い出した。復帰を果たした例より多いのではないかと思う。そんなに短期間で亡くなる状態なら、精神的、肉体的な苦痛を伴い、それでいて効果も疑問な「治療」をするよりは、ストレスのない生活を送った方がよほど長く生きられたのではないかと思う。特に高齢になれば所謂がんの進行も遅いわけで、患者の無知につけこんで、生活の質を犠牲にしてまで治療を選ばせる我が国のがんビジネスは実に恐ろしいと感じた。

2019年10月18日金曜日

菜食

「今どきベジタリアン(菜食主義者)向けのメニューも用意していないなんて。」トリップアドバイザーに掲載されていた三重県の宿泊施設に対する外国人旅行者のコメント。精進料理、普茶料理といったすばらしい菜食文化がありながら、いつしか肉食に傾いていってしまった我が国は、この点においても後進国となってしまったようだ。国連の気候行動サミットに出席しながら、生産するのにもっとも環境負荷がかかるステーキを食べたいと発言して物議を醸した「クールでセクシー」な若き環境大臣がそのことを象徴しているかもしれない。私もかつてはベジタリアンが動物愛護や宗教上の理由からと思っていて、健康や環境への配慮という側面を知ったのは最近のことなので、あまり偉そうなことはいえないが。人類がこのまま肉食を続けると2050年には世界の人口を支えるだけの食料が確保できなくなるそうだ。若い世代に菜食への関心が高いのもそのためか。2050年が関係のない世代の人たちも子や孫のことを思って少しは考えるべき問題かもしれない。

2019年10月5日土曜日

司法の堕落

6年前にイギリスで開催されたG8サミットで、「何だこいつ」と思うくらい首相への「すりすり」ぶりが尋常でなかった当時の駐英日本大使が帰国した後に最高裁の判事に任命されて驚いた。その後彼が首相と「同郷」であることも知った。同じサミットで首相に腰巾着のごとくついて回っていた代議士はその後何ちゃら総活躍大臣、さらに直近では厚生労働大臣に指名された。弁護士資格もない元外交官に最高裁の判事をやらせること自体司法をなめているが、政権に都合の悪い判決を下さない人たちが判事に選ばれているのだからもはや三権分立などないに等しいだろう。地下電源では津波が来たら大事故になることがわかっていながら何の策もとらなかった東京電力の元経営陣に東京地裁が無罪判決を下したのは実にショッキングだったが、上告しても上に行けば行くほど政権にとって都合のいい、行政の責任を否定する判決を下すだろうから犠牲になった方々はうかばれない。国民にとってはそれこそ原発にからむ関電幹部の金銭受領問題よりよほど深刻だろう。もはや日本の裁判官たちは黒服をやめて白服に替えた方が実態に合っているかもしれない。

2019年9月28日土曜日

軽薄

「ああいう頭の軽いのが日本の首相になることをアメリカは望んでいる。」政界通の人物から聞いた矢先、環境大臣に就任して早々、原発の汚染水問題の解決を遅らせかねない見識を欠いた発言をしてポピュリストぶりを発揮したかと思ったら、今度は初めての外国訪問で地球温暖化の問題について勉強不足と「軽さ」を露呈してしまった若き世襲議員。まがりなりにも日本の10倍以上の人口の中から競争を勝ち抜いた指導者が強権的に政治を推し進める彼の隣国と、片や親から地盤を引き継いだだけの二世三世議員があふれる我が国。その時点で勝負あったといわざるを得ない。そう考えるとアメリカが御しやすい頭の軽い首相がいいなりになりつつ、属国として庇護を受けるのもこの国の一つの生き方かもしれない。

2019年9月21日土曜日

落日

「日本製品を信奉して日本のメーカーの製品しか買ってこなかった日本の建設会社が他のアジア諸国で作られている製品も品質にそん色がないことに気づくのは時間の問題。」一時帰国していた日本の足場メーカーの海外駐在員の言葉に、「モノづくり日本」などと自画自賛するのがいかに時代遅れなことかを改めて認識させられた。元女性外務大臣が「バカ息子ども」と称した先見性が見られない現政権の幹部たち。片や国の繁栄の基盤は技術力にあることを理解し、基礎研究に大きな資源を投入し続ける隣国。製造でも勝てなくなったら観光しか活路がないが、集票のために貴重な観光資源である景観を永久に破壊する公共工事を続ける政権と、彼らの思惑のままに投票する多くの国民。役人が自分たちの権益保護のために作った不合理で経済発展を妨げる諸規制ももはや変わることはないだろう。この国がどこまで落ちぶれて行くのか。いい時代を見てきただけに、それを見届けずに済むことを有難く思った方がいいのかもしれない。

2019年9月17日火曜日

人からコンクリートへ

最近よく耳にする廃墟ホテル。景観を著しく損ねるが、所有者と自治体に負担能力がなければ取り壊しもできないという。一方、伊豆の下田の海岸近くで洋上風力の発電施設が建設されるという。驚くことに事業者に解体責任はないというから、いずれ老朽化した施設が景観を著しく損ねる状況がずっと続くということか。「コンクリートから人へ」を謳った民主党政権が短命に終わり、財政規律よりも景気浮揚を目的とした公共投資が再開され、あれほど国民が嫌気がさしていたはずの古い政治に逆戻りしてしまった。国の大切な財産で観光資源でもある美しい景観を破壊する巨大防潮堤の建設など愚の骨頂と思うが、現政権が膨張するインフラの維持や改修、再建に充てるお金もなくなることを知らないはずがなく、自分たちが政権の座にある間さえよければよいという現首相に対する見方はあながち間違っていないように思える。ボロボロになった建物や道路、橋が散在する国の姿を想像できない人が多いのかもしれないが、それを目にすることになる若い世代が今の政治を支持するのであれば仕方のないことか。

2019年9月8日日曜日

国民生活センター

相変わらず盛んにテレビCMを流し続けるエクスペディア。予約操作中に価格を変えてもそれを顧客に知らせずに受け付け、表示していた価格よりも高い金額をチャージするのは詐欺に等しく、また顧客がとっているはずもない最初の価格が表示されていた画面のスクリーンショットを要求し、「証拠がないから返金しない」というのだから悪質きわまりない。という話を知人にしたところ、同社のシステムは大きな欠陥があり、某公共放送と懇意にしている日系の旅行代理店などは、しょっちゅう職員のネット予約で起きた問題の処理にあたらされているとのことだった。これだけ多くの人たちに迷惑をかけておきながらシステムの欠陥を修正せず、テレビCMを流して集客を続けるなど許されるべきではないが、今回の一件でUCカードと国民生活センターは何もしてくれないことを知った。DCカードはいえば必ず調べてくれるが、UCカードは利用者の利益よりも大きな顧客の機嫌を損ねないことの方が優先するらしい(もちろんすぐに解約して別のカード会社に変えた)。国民生活センターはもっと悪質で、電話でエクスペディアの画面操作について根掘り葉掘り質問をした挙句に、スクリーンショットがないなら仕方がないとエクスペディア側の主張を繰り返した。そんな結論ありきだったら最初から長々と電話するなといったところ(仕事をしたと記録に残すためと思われる)、エクスペディアに話してみるので同行者に同意をとるために最初に表示された金額を伝えたメールやエクスペディアとのやり取りのメールの写しを送るようにいわれた。ところが再三リマインドしても決して証拠が残るメールでは結果報告をせず、何度も私の携帯に電話をかけ続けた(もちろん無視したが)。民主党政権も短命に終わり、こうした役人の天下り組織による税金の無駄遣いが問題にされることもなくなったので、独立行政法人の体質が正されることももはやないのだろうと思った。

2019年9月1日日曜日

日韓騒動

九州の地方銀行の人から韓国からの観光客の減少が地元の経済に与える影響について聞かされた。確かに同国は九州の目と鼻の先で、そこかしこで見かける同国からの観光客が地元経済に大きな恩恵をもたらしていたことは間違いないだろう。こんなことをしてよく「地方経済の活性化」などと謳えたものだが、外交成果ゼロの現政権が実はこうした事態も予測できていたかったように見える。軍事転用が可能な品目の管理がずさんだと輸出する側の日本の責任が問われるので、そのことについて抗議するのは当然だし、協議に応じようとしない韓国側の姿勢は大いに問題だが、警告もせずに優遇措置を取り消したことで徴用工問題に対する報復との韓国側の批判に説得力をもたせてしまったのは大失策だろう。経産省の役人が何か月もかけて考えた措置というが、韓国の左翼政権があからさまな報復に折れて態度を改めるとでも思っていたなら相当おめでたいし、徴用工問題と関係のない貿易面での措置をとったことで、韓国側の軍事面での対抗措置を正当化させてしまった。これもまた大失策だろう。韓国側に逃げ道を与えていたらまったく違う結果になっていたかもしれない。外交音痴の現政権もさすがに取り返しのつかないことをやらかしてしまったことに気づいているようだが、彼らがやるべきは静観することではなく、水面下で交渉を行い、徴用工問題の解決と輸出管理の是正と引き換えに優遇措置の再開を約束することだろう。

2019年8月27日火曜日

ビアリッツ

G7サミットがフランス南部の景勝地ビアリッツで開催されたというニュースを聞き、昔勤めていた電機メーカーがバブル期にこの近くに建てた工場を売るために奔走したことを思い出した。ビアリッツは息をのむような絶景が広がる海辺のリゾートだが、町中のビジネスホテルに泊まっていたので、売却先が決まって担当役員とセレモニー参加のための最後の訪問をするまでは、そこがどれだけ美しい場所なのかを知ることも、海を見ることさえもなかった。工場の売却を進めるために当地に通い始めた頃、パリのシャルルドゴール空港から何時間も後に出る国内線に乗り継ぐためにオルリー空港まで移動し、エールフランスのカウンターでチェックインした際に「ビアリッツに行くんですか。いいですね。」といわれたことを今でも思い出す。何も羨ましがられることをやりにいくわけではなかったのだが。G7に出席した顔ぶれを見て「何だかな~」と思ったのは私だけだろうか。G7が開かれる前にホスト国であるフランスが、利用者から取得したデータを活用して広告収入を得ながら税金を払っていないアメリカの大手IT企業に対する課税強化を決議したことに米大統領が例のごとくツイッターで噛みついたが、その際に「自分は以前からフランスのワインよりアメリカのワインの方が美味しいといってきた。ただし酒を飲まないのでどちらも飲んだことはないが」と書いていたのを見て彼がずっとしらふであったことを知り、そのことが笑えた。

2019年8月19日月曜日

特産品

避暑で訪れた山中湖のスーパーで山梨県ならではの一升瓶入りのぶどう酒を買おうとおもったら、そのほとんどが輸入ブドウで造られていることに気づいた。東京に戻り、近所の沖縄料理屋でカウンターに並べられた泡盛の瓶に目を向けると、原料の欄に書かれたタイ米という文字が目に飛びこんできた。「讃岐うどん」といいつつ小麦粉がオーストラリア産であるのと同じだ。思えば小豆島で売られているオリーブ油もほとんどが外国産のもので、そこで買う意味が見いだせなかったし、青森で訪れた道の駅にはトルコ産の干しブドウが置いてあり、これでは道の駅の趣旨と違うのではないだろうかと思った。全国各地で売られている土産用の菓子も米子あたりの会社が売られている場所とまったく違うところでまとめて作っているという話を聞いたことがある。日本で売られている特選品ほどいい加減なものはなく、そのことを知ってしまうと購買意欲がわかない...。

2019年8月11日日曜日

担ぐ神輿

北海道警の警察官が札幌の街頭で参院選の応援演説中だった首相にやじを飛ばした聴衆を取り押さえ、現場から排除したとのこと。この国もいよいよ中国化してきたように見える。やじが絶えないのはそれだけ人徳もないことの証。そんな人物が長期にわたって政権の座にあるというのは皮肉なものだが、政界の事情通の話によると日本を支配し続けたいアメリカにとってかつての中曽根首相のように頭のいい人が首相であることは実は好ましくなく、少々頭が悪くていうことをよく聞く人が好ましいということも手伝っているのだそうだ。確かに自分に必死に媚びて、ちょっと脅せば高い戦闘機を大量に購入してくれる人が日本の首相であることが嬉しくないはずはないだろう。そういった意味では実は最近総理官邸でフリーアナウンサーとの結婚のインタビューをした自民党の若手議員はアメリカにとって首相になってもらえるとこの上なくありがたい存在なのだそうだ。そんな話を聞くうちに、かつて日本が保有する米国債の大量売却の可能性を示唆してその後突如「発覚」したスキャンダルで失脚した元首相のことを思い出した。日本でも「担ぐ神輿は軽い方がいい」などというが、あまり頭のよくない人がトップに立つのは企業の場合と同様に国の競争力を失わせるのではないかと思う。

2019年8月3日土曜日

ネット予約

夏休みの家族旅行でふだんあまり使わないエクスペディアでホテルを予約した。ところがコンファメーションのメールを見ると57,543円と、最終画面で表記されていた55,817円より約2,000円多く請求されていた。同社のウェブサイトから超過請求額の返金を求めるメッセージを出すと、最終画面のスクリーンショットがなければ証拠がないので返金できないとの回答。ホテル予約でいちいちスクリーンショットを撮る人などいないことをわかっていて、しかも自社自身のサイトでいったん予約してしまうと前の画面に戻れない構成にしているにもかかわらず、こうしたことをいうのだから悪質極まりない。おそらく予約途中で金額が変わり、それを客に伝えずに予約を受け付けたものと思われるが、そうしたシステム上の不備についてつっこまれるのを恐れてか、「予約した“後”、金額が変わることはない」と論点をずらそうとするのだからますます質が悪い。マニュアル通り対応しているだけであろう末端の社員にいってもしかたがないと思いつつ、客に証明能力がないことを見越して責任を回避するなど企業体質を疑うと伝えたら、同社が自ら約束している48時間以内に回答はなかった。桁の数字が一つ違うくらいであれば見間違いもありうるが、万の位以外は全部違っているのだから見間違いなどありえないし、最終画面で金額が表示された段階で一緒に旅行する家族に金額を伝えたメールが残っているのだからこちらの勘違いではありえない。同様のことが頻発しているとしたら気づかない人たちを含めて相当数の被害者がいることが想像される。最近やたらとテレビCMを流しているが、このようなことをしてあげた利益を広告料に充てているとしたら実に倫理観に欠けた企業と思う。

2019年7月28日日曜日

ファミリー

お笑い芸能事務所社長の釈明会見。ニュースで断片的に見ただけだが、腹を括って事実を認め、謝罪するかと思いきや、説得力のない言い訳を繰り返し、ずいぶんと逆効果なことをやる人だと思った。また、所属芸人を「ファミリー」と呼んでいたが、契約で報酬を約束することもせず、いわゆる闇営業をしなければ食べていかれない状況においた相手がファミリーなら「扶養義務違反」だろう。こうした体質の芸能事務所を徹底的に美化する朝ドラを制作した公共放送もいかがなものかと思う。一方、こうした社長の対応も会社を守るためにやったことと肯定的にとらえる人もいて、見方を変えればその通りかもしれない。事実長時間にわたったという記者会見でももっとも核心の部分、すなわち闇営業を斡旋した芸人が、かつて会社も営業を受けていた先と発言していた点については誰も質問せず、同社と裏社会のつながりについてはついぞあぶり出されなかったようだ。

2019年7月21日日曜日

忖度

今の時代であれば手が後ろに回っていることを繰り返してきた芸能事務所の社長の死去を、そのことを知らないはずはないであろうマスコミ各社がこぞって英雄扱いで大々的に報じる一方で、いわゆる「闇営業」問題で事務所をやめることになった芸人が自分で開いた記者会見はそのまま放映する。この対応の違いは何なのかと考えると、前者は男性アイドル界で独占的な地位を築き、敵に回すと番組が成り立たない恐れがあるのに対し、後者はお笑い業界でトップでも競合も代わりもいて、決定的に敵に回してはならない相手ではないという違いだろうか。それにしても居酒屋チェーンがブラック企業ランキングのトップに選ばれたときはさんざん報じたのに、一大広告主の家電量販最大手が翌年選ばれると一切報じなかったり、同じく大広告主のシャンプー会社に都合の悪い事実は世間に知られつつあることでも一切報道はしない(界面活性剤が抜け毛の元であること)… 若者のテレビ離れが進んでいるといわれるが、代替となっているネットで発信される情報はもう少しまともであってもらいたいものだ。

2019年7月13日土曜日

酷評

おそらく世界の多くの常識人はトランプ政権を「無能」「例を見ないほどの機能不全」と酷評して辞任した駐米英国大使に賛同あるいは同情するだろうが、「情報鎖国」の我が国は少し事情が違うようで、首相が参院選の政見放送でそんな人物を一生懸命持ち上げて自らの外交成果を作り上げようとしている。世界的に見れば恥知らずなことだが、国民がそれがいかに恥かしいことかわかっていないことを織り込み済みなのだろう。(あるいは国際感覚を欠いた首相自身も実はわかっていないかもしれない...。)英国大使の酷評に感情的に反応する子供じみた彼の国の大統領は、国会で都合の悪いことを聞かれて質問には答えずむきになって相手を口撃する我が国の首相の姿と重なり、同じレベルの人間なのだとも感じる。そして両者の国内での支持率は50%を超えない範囲で安定はしているので、両国とも同じ割合で似たような層の有権者がいることを表しているのかもしれない。

2019年7月7日日曜日

血まみれの手

カナダ人の知人がG20で来日したサウジアラビアの皇太子を称してこういった。反体制派のジャーナリストをトルコのサウジ総領事館で惨殺することを命じた疑いが濃厚なこの人物をアメリカ追随がモットーの我が国の首相が何事もなかったかのように笑顔で迎え入れたのは想像される彼の人間性、政治姿勢からして不思議ではなかったが、天皇が赤坂御所で面会し、その「血まみれ」の手と握手を交わしたのにはがっかりさせられた。思えば自らの体制維持のためには国民を餓死させてまで大量破壊兵器の開発に大金をつぎ込み、自らの兄や叔父にまで手をかけた彼の国の独裁者を称賛する米国大統領、その「親分」の心変わりに気づかずに慌てて圧力路線を転換して「前提なし対話」のラブコールを送る節操がなくお間抜けな我が国首相も、善悪よりも自身の利益が優先するという意味ではこうした独裁者たちと同類なのかもしれない。また、そうした人たちが曲がりなりにも直接、間接に国民に選ばれているのだから、両国の国民がこうした状況を許しているともいえるだろう。

2019年6月29日土曜日

過剰警備

G20の警備に集まった警官の数が3万人を超えると聞くが、2週間余り前に大阪に行ったとき、すでに全国の県警の名前が記されたパトカーをあちこちで見かけた。これほど多くの警官が何週間も地元を留守にしても問題ないなら、ふだん何をしているのだろうかと考えずにはいられなかった。大阪の地域与党はG20を誘致できたことをアピールし、現政権はその政党との関係を深めたい思惑だろうが、こんなイベントを開かずとも大阪はすでに世界的な知名度があり、名前を売りたいのであればG7を開催した洞爺湖や伊勢志摩のような警備がしやすいところを選べばよほど負担が少なかっただろう。米大統領の「日米安保不平等」発言で、同様に巨額の(といっても政府が正確な金額を公表するとは思えないが)費用をかけた米大統領の国賓来日などの一連の「抱きつき外交」が世界に恥を晒すだけの無駄遣いだったことが明らかになったが、外交成果を得られる実力もないならせめてこうした国費の無駄遣いはやめてもらいたいものだ。これは余談だが、米大統領のような人が六本木の炉端焼き屋での接待を喜ぶものだろうかと知人に聞かれた。マクドナルドのハンバーガーを何より好む人物が炉端焼きのような料理を喜ぶとも思えず、庶民的な店を好むような人でもないだろうから、彼を喜ばせるのが目的だったとしたら完全な外れだろう。(現にテレビに映る彼の顔は、満面の笑みの我が国の首相と対照的にとても楽しんているようには見えなかった。)ただ、あの首相のことなので、そもそもが大統領を喜ばせるためではなく、自身のアピールのためにやった可能性は多分にあるだろう。

2019年6月22日土曜日

女性に道を聞いてはいけない

連携先の人と兵庫県某市のクライアントを訪ねたとき、Google Mapで前回よりも近道と思われるルートを見つけ、タクシー乗り場のない駅から歩き始めた。ところがすぐに迷子になり、近くの店にいた女性にいわれた通りに見たこともない幹線道路を歩いているうちにおかしいと気づき、沿道の不動産屋で反対方向といわれた。タクシーに乗れば間に合ったかもしれないが、流しをやっているのは大都市の中心部くらいのもの。ほかの地域ではタクシー乗り場がある駅で乗るか、電話で呼び出すしかない。おかげで時間に余裕をもって最寄り駅に着いたのに、アポイントの時間に15分も遅れてしまった。実はその女性がいったのは私の感覚とは正反対の方向だったが、地元の人が間違えるわけはないと歩き続けたもので、会食の席でクライアントにその話をすると、一言「女性に道を聞いてはいけない」といわれた。知らなかった...。そもそもGoogle Mapを信用し、少しでも近道をしようというスケベ心をもった私が悪いのだが、知らずに女性に聞いてしまったことが悔やまれた。

2019年6月16日日曜日

パシリ

案の定、何の成果もなく国費の無駄遣いに終わった首相のイラン訪問。米大統領の「パシリ」を買って出たときには冗談だろうと思ったが、実際に行ってしまったのを見てなぜ外務省は止めなかったのかと思った。「地球儀を俯瞰する外交」と銘打ってさんざん国費を使った割に10年経っても国連の常任理事国入りはおろか、公約の領土問題や拉致問題は逆に解決から遠ざかり、温泉接待までしたロシアからは経済協力をさせられた上に北海道へのビザなし渡航を要求され、何とかの一つ覚えのように圧力圧力と言い続けたあげくにアメリカに追随して対話路線に転じようとしたら北朝鮮にそっぽを向かれる恥晒しぶり。こうした自らの失策を覆い隠すために拉致問題が関心事でないことを知りながら来日した米大統領を被害者家族と引き合わせるパフォーマンスを行ったのだろうが、このことは自分にもはや解決能力がないといっているに等しい。ナイーブな日本国民の目を欺くといえば、最近の国会答弁で財務省が出した2千万円の個人貯蓄に関する答弁もいい例で、同庁が何の根拠もなくそのような数字を出すはずもないのにそれを否定するのは、自分の任期中に露呈しなければいいという彼の考え方を表しているのだろう。また、こうした都合の悪い話から注意をそらすためにか国会で質問に立った野党の女性議員に国民の年金は民主党政権時代に比べて40兆円増えていると答弁したが、これもまた国民の無知につけこんでの印象操作といえる。日本経済をけん引してきたのは彼の経済政策とは関係のない外需であり、彼がやったことといえば日銀が実質的に上場企業の「大株主」になるほど巨額の株式の買い入れを進め、安定運用が基本の国民の年金まで株式市場につぎ込む「禁じ手」だ。そのことで上がった株価を自らの経済政策の成果のごとく語るのだから欺瞞もいいとこ。日銀がさらに買い入れる余地は少なく、株価が下落したら年金も吹っ飛ぶリスクがあるが、これもやはり彼が政権の座にある間に起きなければいいという発想なのだろう。知り合いの文化人にこんな不誠実な人物が長年首相を務めていることについてどう思うか尋ねたところ、「同感だがほかにいい人がいるか」と聞かれた。そう思う人は多いらしく、世論調査でも「ほかよりよさそうだから」という消極的な支持理由をあげる人が多い。(不支持理由の筆頭が常に「人柄が信用できないから」ということに少し救われる。)どの政党でも構わないのでせめてもう少しまともな人間になってもらい、これ以上日本の恥を世界に晒すのだけはやめてもらえればと思う。

2019年6月9日日曜日

言論封殺

土曜日に「“政治的発言”芸能人はタブー」と題する番組が放映され、劇作家の鴻上尚史氏が「政治的発言が問題なんじゃなくて、実はよく見ると、政権を批判してるとか反体制側の人たちが問題になっているわけで、(芸能人が)首相と会食しているのは誰も炎上していない。政治的発言がまずいんじゃなくて、政権に対する批判に対してすごく炎上するようになってるってのは、すごくヤバイと思います」と見解を述べ、MCの上田晋也氏も「不健全ですよね」と応じたそうだ。実質賃金の低迷、格差/貧困層の拡大、財政赤字の拡大、国力と国際的地位の低下、近隣諸国との関係悪化、領土/拉致問題の後退...10年間にわたる現政権が残した負の遺産はあまりに大きいが、もっとも憂慮すべきは都合の悪い行いを覆い隠すために影響力のある芸能人の言論の自由を封じようとする現政権とその取り巻きがもたらした民主主義の後退かもしれない。時を同じくして天安門事件30周年や香港における逃亡犯条例反対デモのニュースが流れていたが、今や様々な面で我が国の先を行く彼の国の言論封殺についてあれこれいえる国ですらなくなりつつあるように感じる。

グルテン

毎日ジムに通い、食事にも気をつかっているアスリートなアメリカ人の知人。ここのところ胃の調子が悪くてしかたがないというので、漢方薬局でせんぶりを買って煎じ方を教えた。とても効果があったといわれ安堵したが、時を同じくして来日したカナダ人のクライアントが「それはグルテンの摂取によるもの。自分もなったがパンやパスタ等の小麦粉製品を食べない生活を一週間続けたらすっかり良くなった」と聞かされた。確かにくだんのアメリカ人は大のピザ好きで、さっそくそのことを伝えた。"グルテンフリー"なる言葉を聞くようになって久しく、一時の流行りと思いさして気にも留めていなかったが、実際にそのようなことがあるのだと知り、胃が丈夫でない自分も気をつけなければと思った。(といいつつ今日もランチにカルボナーラを食べてしまったが...。)

2019年6月5日水曜日

晩節

国連の言論と表現の自由に関する特別報告者で日本のメディアは独立性に懸念が残るとの報告書に関し、「日本政府の立場が十分に反映されておらず、報告書の記述も不正確で根拠不明」と“過剰”反論した官房長官。政府に都合の悪い報道をするメディアにさんざん圧力をかける一方で、犯罪を犯した御用記者を警察に不起訴にさせるという法治国家にあるまじきことをしておきながら、いったいどの口がいっているのか。政府のスポークスマンがこの体たらくというのは我が国も随分落ちたものだが、この人の辞書には「晩節を汚す」という言葉がないのかと思った。今の政権下で加速度的に国際的な地位が低下している我が国だが、こうした人物が選挙で当選して政府の要職にあるというのも厳然たる事実。我が国の「後進国体質」を象徴している人物といえるかもしれない。

2019年5月26日日曜日

言いなり外交

弱い野党には滅法強く出る我が国の首相も強いアメリカの大統領には卑屈なまでに低姿勢だが、同大統領が来日前に約200年ぶりの天皇の生前退位を念頭に「安倍首相は私に『あなたは名誉ある賓客だ』と言った。世界中の国々のなかでこの200年のうち最大の行事で私が賓客なんだ。」と語ったと聞き、あのような人物をノーベル平和賞に推薦するだけでなく、新天皇に200年ぶりの賓客として迎えさせるなど、ずいぶんと国の品位を落としてくれたものだと思った。(「接待外交で日本車に対する関税引き上げを免れようとする日本」と報じるアメリカのメディアと対照的に脳天気に大統領の一挙手一投足を生中継する国際感覚を欠いた日本のメディアもいかがなものかと思うが。)そこまで下手に出て国益を守れているかといえば、二国間の貿易交渉に持ち込まれた上に押し込まれる一方で、むしろ下手に出過ぎて完全になめられている印象しかない。案の定、来日直後に行われたビジネス界代表らとの夕食会で大統領に2国間の貿易はもっとフェアなものにすべきといわれ、夏の参議院選後は日本に容赦なく要求を突き付ける意向をツイートされる始末。しかし今回の異例の待遇と日本のメディアの脳天気な報道で「忠犬」ぶりを発揮しながら見返りが得られていない厳しい現実から国民の目をそらすことには成功したといえ、それがそもそもの首相の動機だったものと思われる。思えば在任期間中に必ず解決すると豪語していた北方領土問題や拉致問題も10年もやっていながらむしろ解決から遠ざかる一方で、北方領土での「共同経済活動」などただの取られ損。国費を使ったばらまき外遊の成果も見られない(国連安保理の常任理事国にでもなれていればまだ評価できるのだが...)。もはや自分には挽回不能とわかっていながら国民の無知と忘れっぽさを最大限に利用して「頑張ってる感」で覆い隠そうとしているようだが、経済・財政面でもインフレ目標や2020年のプライマリーバランス含めて公約はほとんど果たせておらず、しまいには人口減による求人倍率の上昇を自分の手柄にしてしまおうとする節操のなさで、これでよく3年しか政権の座になかった野党を批判できたものだと思う。

2019年5月25日土曜日

大相撲

相撲協会に抗議電話が殺到したという関脇栃ノ心の判定負け。動画で見ても静止画で見てもかかとは土俵の外に残っていて、ビデオ室は軍配通りを“支持”したという。にもかかわらず「もっとも近くで直視し、物言いを付けた勝負審判の放駒親方(元関脇玉乃島)」の意見でまとまったというからわけがわからない。同親方は「かかとが砂を連れてきたように“見えた”」というが、人間の目に狂いがあるからこそビデオ判定を行うのではないのか。また、そのように確信をもった言い方もできないくらいのことであれば行事の判断を覆すのはおかしく、せめて取り直しにすべきだっただろう。大関返り咲きがかかった大事な一番で一人の審判の見間違いで勝ちを取り消された栃ノ心も気の毒だが、この誤審で勝って翌日優勝を決めた朝乃山も素直に喜べないだろうから気の毒だ。今場所の優勝力士まで変えてしまった可能性がある世紀の大誤審。審判にあたった親方衆はどう責任をとるつもりだろうか。今後はこうしたことがないようビデオ判定優先をルール化すべきと思った。

防衛大臣

昨年末に起きた韓国海軍の駆逐艦によるレーダー照射問題で北朝鮮の瀬取り支援の決定的証拠もつかめないまま拳を振り上げて不発に終わった我が国の防衛大臣(韓国政府は日本側に証拠がないことがわかると態度を急変させ、強気に出た)。今度は関係改善のために韓国の国防相に会いたいといい出したという。理由は会って関係を元に戻さないと国の安全は守れないからだそうだ。さらに「防衛関係者が顔見知りになって信頼関係を築けば問題が起きたときに大きくならないから」とかで中国にも行きたいといっているという。仲良くする方がしないよりはいいが、国益を背負って真剣勝負をしている他国の防衛相とにこにこと外交辞令を交わすことで国の安全が守れるのであればそんな楽な話はない。日本の政治家のナイーブさ(特に世襲系)は今日に始まったことではないが、よりによって防衛大臣がこんなことで本当に国の安全が守れるのか心配になる...。

2019年5月18日土曜日

Dropbox

無料と思って使い続けていたアメリカ企業が提供するオンラインストレージサービス。同ストレージと複数のコンピュータとの間でデータの共有や同期を可能とするのが建前だが、ファイルがうまく更新できずにどれが最新版かわからなくなるトラブルが続出。タダで使っているので文句をいうべきでもないが、その後容量が制限を超えそうなので有料サービスに切り替えるようしつこくせっつかれるようになった。古いドキュメントを削除して容量を減らしたところ、今度は使える端末の数の制限を超えたといい出した。何やかやいって有料に切り替えさせようとしていることが伝わった。しかし前述のようなトラブルが起きるとお金を払ってまで使いたくはない。有料サービスに誘導するのであればもうちょっとしっかりしたものを作ってもらいたい。それにしてもタダと見せかけてさんざんデータを保存させ、依存度が増したところで有料サービスに移行させようとするのはやり方としていかがなものか。カナダ人のクライアントに聞いたところ、「無償との触れ込みでデータなどを「人質に」(take hostage)お金をとろうとするのはアメリカ企業がよくやるやり口」といわれた。

2019年5月12日日曜日

上場

以前、NHKの朝のニュース番組で長崎の活性化のために地元企業の上場を勧めている人物の話題が取り上げられていた。上場企業であれば地元の若者が就職したがり、県外への流出が減らせるという発想のようだ。確かに上場企業に勤めることを一つのステータスととらえる若者もいるだろうが、地元の有力企業がそれほど採用に困るとは思えないし、県外に出たい人は別に上場会社に勤めたいから出るわけではないだろう。また、いったん上場してしまうと株主対策などの大変な仕事が待ち受けている。もちろん上場の業務を引き受ける、特に主幹事証券会社は手数料で大儲けができるので、上場後のたいへんさなど、水を差すような話はしない。そうしたことを考えると地方の有力企業に安易に上場を勧めるのはいかがなものかと思う。

2019年5月6日月曜日

長崎新幹線

佐賀県知事が長崎新幹線のフル規格での整備に反対していると聞き、真っ当に感じた。博多・長崎間を30分短縮するのにどれだけのお金をかけるのかと考えれば当然のことだろう。ましてや佐賀県はスルーされるだけで負担に見合う経済的恩恵を受けられるとは思えない。佐賀の銀行の幹部から佐賀駅ではなく佐賀空港に新幹線を通す案まであると聞いたが、そんなことをしたら佐賀空港に到着した観光客を福岡と長崎に持って行かれるだけだろう。それにしても開通した先々で「ストロー現象」と呼ばれる人口流出を引き起こしているのに、なぜ未だに新幹線を欲するのかがわからない。長崎県庁に勤める知人も費用対効果を疑問視していたくらいなので、実は長崎県内にも反対の人は多いのではないかと想像する。どうせお金をかけるのであれば、もっと市内に近いところか佐世保との中間あたりに空港をつくって近隣国からのLCCの乗り入れを促進すればいいのに、と思う。

2019年4月27日土曜日

赤化統一

昔聞いたこの言葉も国力に差がつきすぎてもはや死語となったものと思っていたが、今の韓国大統領の北へのすり寄りぶりは、もしやそれを望んでいるのではと疑うほどだ。しかしあのような経済が疲弊した独裁国家と一緒になることにメリットがあるのだろうかと思っていたところ、一部の財閥が富を独占し、一般の国民は大学を出てもまともな仕事に就けない韓国の状況は相当深刻で、自力で財閥を解体できない大統領にとってのウルトラCが北との統一という話を聞き、まんざらありえない話ではないと思った。しかも核保有国になれば日本に対してもより強く出られる。構想は実はさらに大きく、中国と協調して東アジアの超大国の一角になることを目指しているというが、アメリカが同盟国であるはずの韓国に伝えた機密情報が中国に「ダダ漏れ」で、もはや信用されていないという話と符合する。単独では大国に太刀打ちできなくても、アメリカに代わって世界一の経済大国になるのも時間の問題の中国と連携すれば格段に影響力が増す。実現したら日本は「赤組」に対峙する最前線となってしまい、決してありがたい話ではないだろう。

2019年4月21日日曜日

大阪人 in 名古屋

「関西の人は東京の人は嫌いでも、九州の田舎から来たといえば仲良くしてくれる。」関西の大学に通っていたという福岡の会社社長が神戸の知人にいった。そのことよりもちょっとショックだったのは、ふだん親しくしているその知人が思い切り賛意を示したことだった。東京で「東京感」を出しているのも、テレビドラマのロケで使われるようなおしゃれな場所に住みたがるのもたいがい地方の出身者(私の大学でいちばん都会的な服装をしていたのは岡崎出身の人だった)なのだが...。一方、名古屋には大阪嫌いが多い。日本の製造業の中心で、大阪に勝る面が多いゆえのプライドかもしれないが、中には管理能力のない大阪の電力会社が福井で原発をやっていることが迷惑(事故が起きたときに被害を受けるのは風下にあたる名古屋)とまでいう人もいる。しかし大阪の人たちを前にそうしたことをいうはずもない。ヘビーな河内弁を話すITコンサルタントから名古屋の企業から大事な契約が取れなかったと聞き、営業のときくらい標準語を使えば結果が違っていたのではと思った。また、名古屋で行うセミナーの運営を委託した大阪の会社の人が関西弁でMCをやっているのを見て、レセプションにほとんど人が残らなかったのはそのせいではないかと疑った。(この人物は兵庫の人だが、関西以外の人に区別はつかない。)本人を目の前にして本音をいわないのが人間の常。こうしたことは全国各地にあるものと想像する。

2019年4月14日日曜日

地方選

「今度はもっとまともな若手が知事になるから」松江の知人がいったのは何か月前のことだっただろうか。前の知事は与党に担がれただけで地元愛などなく、知事などやめて早く東京に戻りたい人だったとも聞いた。ところが与党が公認したのがその若手ではなく、別の人物だったことに少々驚いた。同じく何か大きな問題を起こしたとも聞かない福岡の現職知事に与党が対抗馬をぶつけたと聞いてまた驚いた。伝統的に地元の電力会社の長が会長を務めてきた経済連合会のポストに与党副総裁の弟がなっていたことを聞いたのもその頃だった。こうしたごたごたの裏で糸を引いていたのが、その家に生まれてこなければ国会議員になれる器でもなかった二世・三世議員たちと聞いて納得するとともに、選挙結果を見て自民党であれば誰にでも投票する地方の人たちも代替わりし、そうした世襲議員たちの言いなりにはならなくなっている印象を受けた。島根の新知事には鳥取に負けないよう頑張ってもらいたいが、髪型はコンサバ目に変えた方がいいかもしれない。

2019年4月5日金曜日

新元号

新元号発表の日、テレビでは各チャンネルとも朝からお祭り騒ぎで祝賀ムードの押し売り。どこか一局でも別の話題をやってくれたらそちらを見たのに、選択肢がないなんてまるで全体主義国家だ。発表された元号の?さにコメンテーターも言葉少なだったが、それが選ばれた経緯について明かそうとしない官房長官のこわばった表情に自信のなさが表れているようにも思えた。国粋主義的とする海外メディアの反応が的を得ているかはわからないが、日本の古典にこだわっても漢字自体が中国のものなのだから意味のない抵抗だろう。ほかの候補を聞いてまだましな方かと思ったが、そもそも?な候補があがるのは有識者なる人たちに任せているからではないだろうか。一般の国民の投票の中から選べばもう少し納得しやすい元号になったことだろう。それにしても卑弥呼の装束で有識者会議に現れた元ニュースキャスターの相も変らぬ「イタさ」ぶりが印象的だった。あんなのと同席させられたら誰しも「一緒にされたくない」と思うだろうが、本人にはそうした想像力が働かないらしく、震災の被災地で高価そうな毛皮のコートを着てテレビ中継して批判を浴びたときから何ら学習も成長もしていないのが垣間見えた。一般の感覚と大きく乖離した人が「有識者」に選ばれている時点で元号を選ぶ場としてふさわしくないだろう。実際のところずいぶん大げさなことをやって決めたわりには、昭和天皇の崩御で急いで決めた「平成」の方がよほど納得しやすかったように思う。

2019年3月31日日曜日

やりたい放題

久しぶりにアマゾンで買い物をしたら頼んでもいない有料のプライムサービスに誘導され、知らないうちに申し込みをしたことにされた。以前も同様のことがあり、トライアル期間中に気づいて契約解除したが、こうした行為を容認している消費者庁はいったい何をやっているのだろうかと思う。アメリカの属国感丸出しの現政権の影響でアメリカの巨大企業にはものがいえないのかと勘繰ってしまう。日本人客をカモにしているという点ではマイクロソフトも同様で、明らかな初期不良が見つかりテクニカルサポートに電話をかけたら30分待たされた挙句にサポートは有料といわれた。アメリカで財を成した実業家が慈善活動を通じて社会に還元するのはよくある話だが、マイクロソフトの場合、良い製品を作って人々に受け入れられたのではなく、巧みに独占的なビジネスモデルを築き、バグだらけの製品を世界中で売って大もうけをした会社なため、ビル・ゲイツがどれほどの慈善活動をしてもまったくリスペクトできない。可能な限りこうした企業の製品やサービスを避けることが一消費者としてできるせめてもの抵抗だろうか。

2019年3月24日日曜日

自粛

ANAの国内線の機内で音楽を聴いていたら最近コカインの使用で逮捕された人物のバンドの曲が流れた。逮捕直後に所属レコード会社が「過去のCD、映像商品すべての出荷停止、店頭在庫回収、音源と映像のデジタル配信停止を決めた」と発表したが、さすがに機内エンターテイメントのプログラムは変えられなかったのだろう。それにしてもメンバーが逮捕されたからといってCDの出荷を止めたり、出演した作品の放映を中止したりというのは誰の得にもならない、まったく意味のないこと。企業の社会的責任をはき違えているものと想像するが、よくそんなアホなことを真顔でやるものだと思う。「関係者に多大な迷惑をかけたことをお詫びする」のも芸能人の不祥事があった際の常套句になっているが、世の大半の人に迷惑はかかっていないし、一部の関係者に迷惑をかけたくなければ出荷停止だの、放映中止だのをやらなければいいだけの話。たばこに寛容なわりにほかのドラッグを使った人を重大犯罪人扱いする不思議な国。そのような「重罪人」を見たくない人はその出演作品を見なければいいだけの話だろう。

2019年3月17日日曜日

人工透析

福生の病院で人工透析の治療をやめた40代の女性が死亡した問題で、他にもこれまで透析治療を選択しなかった20人が死亡していたことが判明したとのニュースを聞き、人工透析を「失われた腎機能は回復しないという西洋医学の常識に基づいた治療法」と呼んだ荻窪の鍼灸師の言葉を思い出した。その先生のところには親族の猛反対を押し切って子どもに腎機能を回復させる施術を受けに来させていた人もいた。今回のニュースで人工透析がいかに精神的苦痛を伴うかが想像されたが、その先生は「いったん腕の動脈と静脈をつなぎ合わせる手術を受けるとそれを元に戻すのは法律違反になる」といっていた。本人が希望しても自分の血管をもとの状態に戻してもらうことすらできず、治療をやめる=死を選択するということになるというのだから日本の医療制度は実に恐ろしい。私も膵炎で入院したとき、どう見ても回復しているのに病院を出してもらえず、点滴の管も外してもらえなかったが、そこに患者の意思は微塵も存在しなかった。西洋医学絶対主義が変わらないにしても、せめて死ぬまで続ける後戻りができない「治療」がどれほどの精神的・肉体的負担をもたらし、どれほどの人がやめて死を選んだかは予め知らせた上で患者に判断させるべきだろう。

2019年3月8日金曜日

変装

東京拘置所を出る際のカルロス・ゴーン氏の変装姿は受けを狙っているのかと思うくらい滑稽に見えたが、それに輪をかけて笑えたのが「パリッとした高級そうなスーツで、ふんぞり返って偉そうに出てくるよりは、今の状況は地位も奪われているので、庶民の一人として、労働者の一人として、ああいう服装はありかな」というゴーン氏の弁護士のわけのわからないコメントだった。保釈金10億円を支払い、「無罪請負人」の異名をもつというその弁護士を雇えるような人物を「庶民の一人」だの「労働者の一人」だのといって皆がなるほどと思うとでも思ったのか...。受けを狙ってのことだったら純粋に面白かったのだが。

2019年3月2日土曜日

ちゃぶ台返し

日朝交渉でアメリカ側の「ちゃぶ台返し」の引き金になったといわれる大統領の元顧問弁護士の議会証言。与党共和党の議員が証言の内容について質問するのではなく、同氏の人格を攻撃することで証言の信ぴょう性を疑わせようとする姿が印象的だったが、同じ日のニュースで我が国の国際的信用を落としかねない厚労省の統計不正問題を追及する野党議員を嬉々として「パフォーマンス」と片付ける与党議員の姿と重なった。どの国にも国家の利益より自らが「勝ち馬に乗る」ことが優先する議員がいるものだと思った。人徳がない実は臆病な人間ほどわかりやすいくらいに飴と鞭を使うが、飴をもらおうとそれにたかる輩が増えれば分け前も減り、使い捨てにされるのがオチ。少し脳のある人間であればそれくらいのことはわかりそうなものだが...。それにしても自国内でもあまり注目されていないことがわかったとたん、ちゃぶ台返しをやってのけたアメリカはさすがとしかいいようがない。注目されていない上に「安易な妥協」と批判されるのはマイナスでしかない。日本の政治家や官僚であればメンツのためといって国益に反する妥協をしてでも「成果」を演出するところだが、そこが勝負に勝てる国と勝てない国の違いだろう。ただし北朝鮮と「歴史的な合意」に達してあわよくばノーベル平和賞をもらおうと思っていたならそれはさすがにないだろう。選考委員が賞の価値を損ねることなどしないし、彼が受賞でもしたら今後もらって喜ぶ人がいなくなってしまう。首相が「国民を代表して」推薦してしまう世間知らずな東洋の島国に追随する国もいないだろう。

2019年2月23日土曜日

羞恥心

来年の大統領選挙に名乗りをあげた女性候補を揶揄するツイートを行ったアメリカ大統領。同じ日のニュースで自党の過去の失策の数々を棚に上げて3年しか与党の座になかった野党を口汚く罵る我が国の総理大臣の姿を見て、こんな人たちが国家のトップに立つ世の中っていったいどうなのだろうかと思った。その程度のことには慣れてしまった私も、我が国の総理大臣が「日本国民を代表して」世界中で問題視されているアメリカ大統領をノーベル賞に推薦する手紙を送ったというニュースには開いた口がふさがらなかった。国会の場で否定しなかったのでやったことは間違いないだろうが、韓国の大統領でさえ恥ずかしくてやらないことを堂々とやってのける厚顔無恥さにただただ驚く。さらに野党側の(少なくとも世界の大半の人々から見れば)きわめてまっとうな追及に対して「日本の唯一の同盟国」の大統領に失礼だと逆切れする姿を見て、人並外れた羞恥心のなさが彼の政治家としての大きな強みであることを改めて認識させられた。ただ、今回ばかりは我々日本国民をその恥知らずさに巻き込み、世界的に恥をかかせているのだから笑えない。

2019年2月17日日曜日

二重国籍

テニスの四大大会を連覇した大坂なおみ選手。全米オープンの表彰式で無礼千万なニューヨークの聴衆に対してとった言動はいかにも日本人的で母親の影響を強く感じさせた。とはいえ生まれたのが日本でも育ったのがアメリカなので、ふつうに考えればアメリカ人。日本代表としてプレイしてくれていることは我が国にとっては儲けものだが、そんな彼女が国籍選択の期限となる22歳になったときに日本国籍を選ぶ保証などない。彼女のアイデンティティを否定するかのように肌を白く描く漫画家がいたり、そのことに対する彼女のコメントを歪曲して伝えるマスコミがいる国に嫌気がさしたとしても不思議ではないだろう。日本を見限ってアメリカに帰化した学者までもノーベル賞を受賞したとたん日本人扱いしたり、「日本人力士」を「日本出身力士」と言い換えて日本に帰化したモンゴル人力士を差別したりする排他的でご都合主義な国の国籍制度を変えて二重国籍を認めさせるためには大阪選手の存在がいいきっかけになるかもしれない。

2019年2月9日土曜日

統計不正

天下り先の利益保護のためにさまざまな参入障壁を築いてきた厚労省。国民の無知につけこんで中小企業では取得が難しい特定保健用食品(トクホ)制度なるものを作ってさらに大企業保護に走ったかと思ったら今度は日本の行政を根幹から揺るがす統計不正の発覚。ここまで堕落した政府機関がある国を先進国と呼べるだろうか。しかしこの問題もいかに国にとってマイナスであっても現政権には好都合なので、財務省の公文書改ざん問題と同様にうやむやにされ、多くの国民が忘れ去ることだろう。人としての質が低い人間が上に立つとここまで国の体制全体が劣化してしまうのか、それとも勉強ができただけで志が低い者が役人になっているのが原因か(あるいは両者の「相乗効果」か)。彼らが作ってきた様々な不合理な規制を撤廃し、先端の医療機器や医薬品、質の高い化粧品や石鹸が自由に輸入できるようになったらどれほど国民の生活が豊かになるだろうか。民間並みのリストラをやってもらいたい筆頭の省だ。

2019年2月2日土曜日

核抑止

難しい隣人たちに囲まれたわが国。最近は隣の半島国家にもばかにされるようになり、アジアにおける地位低下も著しい。ロシアや北朝鮮のようにさしたる経済力もない国が、我が国が追随するのみのアメリカと対等に渡り合えているのは大量破壊兵器を有しているからにほかならない。凶器で人を脅しているようなものだが、これが世界の現実。現政権が本気で領土問題を解決したいと思うなら、少々クレイジーな人物がアメリカの大統領である間に国民を説得して非核三原則を凍結し、核兵器の持ち込みを許すべきだろう。日本が甘く見られるのは世論がそれを許さないことを見透かされているからなのだから。ここまでやって(あるいはそういうそぶりを見せて)ようやく日本にも発言力ができ、実のある領土交渉のみならず、核保有国と核廃絶の議論もできる。隣国の「良心」に訴えることで核兵器がなくなるわけではない。そうしたわかりきったことをいうリスクさえ冒さない人物に領土問題など解決できるはずがないだろう。

2019年1月26日土曜日

迷走外交

「プーチン大統領と腹を割って話をしたい」の一言を聞いて今回もダメと思っていたが、案の定“手ぶら”で帰るはめとなった日本の首相。“温泉接待”に続く失態で、どうせできないなら国民の期待を煽らず、国費の無駄遣いもやめてもらいたかった。ソ連時代にスパイ教育を受けて数々の修羅場をくぐり抜けてきたであろうロシア大統領に、平和な日本で何不自由なく生きてきたのであろう三世議員が太刀打ちできるはずもなく、今回もロシアを利するだけの経済交流の継続だけが確認された。「腹を割って」などというのは日本人同士でのみ通用する発想で、利益が反する外国の首脳を相手にこんなことをいっている時点でほかの国や文化のことを知らなすぎだろう。韓国の思惑通りに決着したレーダー照射問題も然り。日本と親しくしたいとも、日本に対して正直であろうとも思っていない国に拳を振り上げるのだったら、瀬取りの決定的な証拠を撮るなど、最終的に相手をねじ伏せられるだけの勝算が必要だ。そうしたシナリオもなく、行き当たりばったりの対応の果てにのこのこと引き下がるくらいだったら最初から拳を振り上げるべきではない。隣国との関係が遠ざかるばかりの日本。現政権は外交面でこの国にいったい何を残すのだろうか。

2019年1月19日土曜日

オリオンビール

野村ホールディングスと米投資ファンドのカーライル・グループによる沖縄のオリオンビールの買収。カーライルが持つ海外企業との豊富なパイプを生かし、成長が見込まれるアジア市場をはじめ海外展開を本格化するというが、沖縄の風土に合っているから地元で売れている(逆に本土ではあまり売れない)ビールが、海外でそれほど売れるものだろうか。沖縄に旅行に来てオリオンビールを知った人たちが懐かしんで買ってくれるという計算かもしれない。いずれにしても経済的なリターンを求めて投資を行い、何年かうちに売り抜ける投資家に買われることのマイナスイメージは否めず、農作物が原料の製品なので、全国で売られるようになって味が落ちた九州の人気焼酎ブランドの二の舞にならないとも限らない。何だかがっかりなニュースだった。

2019年1月13日日曜日

エスカレーター片側歩行

JR東が始めた駅エスカレーターの歩行禁止措置。世界でもっとも混雑する駅を抱える鉄道会社がなぜこのような危険なことをやろうとするのか意味不明。同社の幹部は社用車通勤だろうが、ラッシュ時の主要駅のホームがどれほど混雑しているか知らないはずがないだろう。保護柵も設置せずにエスカレーターを歩行禁止にし、ホームから人があふれて線路に転落でもしたらどう責任をとるつもりだろうか。それこそ人の命に関わることで、エスカレーターでつまづいたレベルの話ではない。エスカレーターの片側歩行を「悪習」という人がいるようだが、これも無知といえよう。ロンドンの地下鉄では日本よりもはるか昔から行われていて、危険だと問題になった話も聞かない。日本製のエスカレーターが歩行に耐えられないつくりをしているのであれば、ロンドンの地下鉄で使われているメーカーのエスカレーターを導入すればいい話だと思う。

2019年1月5日土曜日

世界的

世界的ギタリスト、世界的ダンサー、世界的ロッククライマー...年末年始テレビを見ているとこうした表現がやたらと聞かれた(特に公共放送)。その人がいかにすごい人かといいたいのかもしれないが、「世界的」と呼ぶ基準が曖昧。日本で名の知れたギタリストが海外でサンタナ並みに名前が知られているかといえば甚だ疑問。「海外でも活動している」という意味であればそんな人はどの分野においても大勢いるだろう。日本のメディアが「世界的」といわれるのは「海外でも活動している日本人」という方が正確かも知れない。