2013年7月6日土曜日
ものの値段
九州で食事をご一緒した地方銀行の役員さんが、大学生のお子さんが頻繁に東京に行っているというので、それではずいぶんとお金もかかるだろうと思いきや、LCCで行けば片道数千円、到着空港は成田になるが、東京駅まで1,000円で乗れるバスがあるという。それでは片道何倍もの運賃を払っているのがばからしくなる。LCCである以上、座席が狭いとか空港に到着した後、ターミナルまでバスで移動しなければならないといった不自由はあるだろうが、大手航空会社の国内線用機材の一般座席も半端でない詰め込み方をしているし、ゲートから到着ロビーまで果てしなく歩かされるのと、バスでロビーにつけてくれるのとどちらがよいかという話もある。成田空港からのリムジンバスは以前は3,000円のしかなかったが、1,000円で採算が合うということは、いかに利用者が暴利をむさぼられていたかがわかる。羽田空港の国際化で独占的な地位を失い、LCCを誘致するために1,000円バスを認めざるを得なくなったというのが実態と想像するが、以前はリムジンバスの営業が一社独占で、成田空港に宅配便業者を入れずに空港公団の天下り会社が荷物の取扱会社を設立し、割高な料金を徴収しているのと同様、国土交通省(旧運輸省)が絡むことには一事が万事、発展途上国並みの腐敗の臭いがする。一部の役人の私利私欲のために移動にかかるコストが高くなり、観光の振興や経済交流の阻害要因になってきたとすれば実に残念な国だと思う。