2016年12月31日土曜日

歴史は繰り返す?

今年の2大「まさか」はEU離脱を決めたイギリスの国民投票とトランプ氏が勝利したアメリカの大統領選挙だろう。いずれも排他的な思想で民衆を扇動した政治家が勝利を収めたわけだが、先月滞在したフランスでは同様に移民に非寛容な人物が保守党の大統領候補に選ばれ、社会党の分裂から、来年5月に行われる決選投票では極右の国民戦線のルペン氏との一騎打ちになる公算が高まった。そうなると右か極右かの選択となる。この傾向が来年選挙を控えた他のヨーロッパの国々にまで広がると、我々が想像しない事態に至るかもしれない。自国の問題を他の国や移民のせいにして当選した人たちは引っ込みがつかず、何をやらかすかわからない。多数決で決着がついた結果は受け入れるのが民主主義だが、この二つの「事件」については勝利した側がいっていたことのほとんどが事実でなかったのだから釈然としない。こんなことでは嘘ついたもの勝ちになってしまうだろう。

2016年12月24日土曜日

地方議会

新都知事が注目を浴びていることで、都民でもあまり見る機会がなかった都議会の様子が度々テレビで放送されるようになった。都知事の目論み通りにヒール役を演じる与党議員たちのおバカっぷりも、見世物としては面白い。所謂「セクハラやじ」が問題になったときも、都議会議員はそこまでレベルが低いのかと呆れたが、どうしてこんな人たちが選ばれるのかと考えてみると、やはり組織票が大きく作用しているように思える。東京は投票率が低いので、自らの組織に利益になる候補に集まる票がものをいう。都知事はそのことをよくわかっているので、政党復活予算を廃止したのだろう。与党議員たちが、よくわからない理由を述べて強く抵抗したことが、この制度が彼らの集票マシンとなっていたことを物語っている。しかし地方議会がダメなのは東京だけではないようだ。議員の政務活動費の不正受給が問題になった自治体は、報道されているだけでも兵庫県や富山市がある。知り合いの設計士の先生が岐阜に住む息子から、嫁が県議選に立候補するのを止めてほしいといわれたという。これまで政治に関わったことがない主婦が立候補したくなるほど、彼の県の県議会はレベルが低いのだそうだ。国会ほどメディアに取り上げられる機会もない地方議会にもう少しチェック機能を働かせることはできないものだろうか。

2016年12月17日土曜日

外交センス

案の定、ロシア側の完全勝利に終わった日露首脳会談。テレビで話題になっていた大遅刻は、より立場が弱い相手に対してそのことを知らしめるためにやる行為。ロシアが国際的に孤立する中、経済協力を餌に領土問題で譲歩を引き出そうという発想だったのだろうが、トランプ大統領の誕生で日本に譲歩する理由がなくなったことは素人目にも明らか。また、シリアやウクライナで冷徹極まりないことをやっている人物が北方領土の旧島民の声に本気で耳を傾けるかも明らか。さらに、自国の利益追求のために欧米諸国との協調を乱した日本に対する評価はどうなってしまっただろうか。大金をかけて国益を損ねただけとしか思えない。(首相自身がいつもになく一生懸命テレビ番組に出演して成果を強調しているのがそのことを物語っている。)先月はアメリカ、ヨーロッパと中東を駆け足で回ったが、どこの国の人も日本の首相が誰よりも先にトランプ氏の自宅に駆けつけて「信頼のおける人物」と評したことを知っていて、日本人として恥ずかしい限りだった。「日本はアメリカ国民が誰を選ぼうとすりすりしなければならない立場」と言い訳をしつつ、なぜ世界中で資質を疑問視されている人にわざわざ真っ先におべっかを使いに行って恰好の嘲笑の的となり、それを取り繕うかのように現大統領との真珠湾訪問を発表するのか。日本の外交センスはよく分からない。

2016年12月10日土曜日

無責任大国?

原発事故の処理費用が当初の見積額11兆円から21.5兆円に2倍に増える見通しという。オリンピックのときといい、誰が見積もって、どうしてこれほど大きく外したのか何ら説明も聞かれないし、マスコミもこの肝心な点には一切触れない。福島の事故の場合、発生前から津波の危険性が指摘されていたにも拘わらず電源を地下に置いたまま放置していた当時の東電幹部が罰せられることすらない。今や原発事故が発生することを前提とした対策がふつうに語られるようになっているが、事故が発生する可能性は限りなくゼロに近いといっていた人々はどこにいってしまったのか。また、今回の廃炉費用の見通しで原発はコストが安い発電方法といっていた説明が一挙に説得力を失ったが、そのようなことをいって原発を推進してきた政治家や御用学者には何ら説明責任はないのか。こんなやった者勝ち、いったもの勝ちでこの国は大丈夫なのだろうかと思う。

2016年12月3日土曜日

ビーガン

何年か前、高校時代にアメリカでホームステイしていた先の弟(所謂「ホストブラザー」)がビーガン(絶対菜食主義)になった。いかにもそれ系な奥さんの影響と思い、あえて理由を聞くこともなかったが、先月久しぶりにアメリカで会った際に「早死にの家系なので健康で長生きするために始めた」と聞いた。さらに糖尿病等の病気を併発して危険な状態にあった義理の母親もビーガンになり、薬も飲まずに健康になったと聞き、マクロビオティックで末期がんから回復した九州の人のことを思い出した。マクロビオティックも動物性のものを摂取しないという意味ではビーガン食そのものだ。このように食事で生死に関わる病気が治るとなると医者の商売もあがったりで、くだんの義理の母親がかかっていた医者は数値が改善しても、正常値に戻っても念のために薬を飲めと勧めたという。ただ、西洋医学至上主義の我が国では医者のいうことに従わないことは非常に勇気がいることで、先の末期がんだった人も、医者から見放されなければマクロビオティックを試すこともなかっただろう。日本の医者の中にもこうしたことに気づいている人はいるだろうが、それを口にすると異端扱いされ、商売にも響くといったところだろうか。

2016年11月27日日曜日

Uber(ウーバー)

今年の6月にベトナムで初めて利用した「白タク」サービスのUber。スマホですぐに呼ぶことができ、車のグレードも選べる。また、GPSで予約した車の位置をリアルタイムで見られ、目的地までの予想所要時間までわかるというからよく考えられたものだ。先週もロサンゼルスの訪問先が予約してくれて二度利用したが、実に便利で快適だった。利便性が高い上に値段も安いとなるとタクシー業界にとっては脅威だろう。日本人は自分の車に他人を乗せたがらないので普及しづらいのではと思いつつネットで調べてみたら、それ以前に規制があってできない様子。恐らく「利用者の安全を守るため」といった建前だろうが、タクシーの運転手の方が運転が安全という根拠はないし、利用者のことを考えるのであれば、車がないと生活できない地域ではいつでもどこでも安価で使えるのは捨てがたいメリットで、事故を起こしがちな高齢者の運転免許証返上を促す効果もあるかもしれない。消費者に選択肢も与えることよりも既得権益の保護が優先する規制づくめの国では所謂‘アベノミクス’が不発に終わるのも無理のないことか。

2016年11月25日金曜日

養子

久しぶりのアメリカ。当初は高校時代に1年間留学していたカリフォルニア州のサクラメントでホストファミリーと感謝祭を祝うのが目的だったが、その後小学校の低学年までの3年半を過ごしたロサンゼルスとアリゾナ州のツーソンに商用ができ、思いがけず昔の知人たちと再会する機会に恵まれた。ロサンゼルスでご近所だった日系人の家庭とツーソンに住む大学院時代の白人の知人にはそれぞれ養子が二人ずついて、前者は黒人と白人、後者はアジア系とラテンアメリカ系というように、親とは人種が異なる。こうした異人種の子を家族の一員として受け入れるアメリカ人と、不妊治療にお金をかける日本人の家族観の違いを改めて感じた。

2016年11月20日日曜日

「おもてなし」はいずこに

最近テレビでよく見かける外国人観光客のマナーを取り上げた番組。こうした番組を作っている人たちは国による文化(あるいは「マナー感」)の違いや、外国人をことさら悪く描くことで我々日本人が得るものは何もないことをわかっているのだろうか。よほどマナーが悪い人がいてもそれはごく一部だろうし、テレビで取り上げるようなことではないだろう。これから衰退期に入るであろう日本の経済にとって観光客がもたらす収入が重要であることは疑う余地がない。外国人観光客は国をあげて歓迎すべきだろう。私が子どもの頃は観光客もあまり来なかった山梨県の忍野村の住民が、日本の家屋が物珍しくて写真を撮るために敷地に入ってしまった人を邪険に追い払う様子を見てがっかりしたが、レポーターがさも何か悪いことをした人かのようにモザイク入りでインタビューする様を見て、この人たちは一体何を達成したいのだろうか、と思った。

2016年11月12日土曜日

大統領選挙

アメリカ大統領選挙の開票が始まった後、大使館に勤める元同僚から届いた”Election Viewing”というタイトルのメール。添付されていた画像には大使公邸の広間のテーブルいっぱいにスナックが並べられ、クリントン氏の当選を見越した祝賀ムードが伝わってきた。その後実況が続くと思いきや、テキサス州を落としたあたりから通信が途絶えた。大使が要所要所でスピーチをしていたようだが、落選が決まった後に何をいわれたのかは定かでない。あんな人を国のリーダーにして恥ずかしくないのか、と思ったが、我が国の首相がいちはやく祝意を伝え、さっそくアメリカまで「すりすり」しに行くという報に触れ、アメリカ人が誰を選ぼうとよいしょしないとやっていかれない我が国の立場を思い知らされた。

2016年11月6日日曜日

学力テスト

出張先の岡山で、県内の中高生の学力が全国平均に比べて低いというニュースを見て、弁護士として成功している大学の先輩の言葉を思い出した。氏はアメリカ西海岸のシアトルの大学に留学していたが、冬場は毎日のように雨が降っていたのでよく勉強に集中できたという。そう、「晴れの国」ではほかに誘惑が多すぎて勉強などしている場合ではないのかもしれない。そう考えると北陸や秋田といった日本海側の県の学力が高いのも、教育熱心な地域ということもさることながら、冬は曇って雪も積もるのでなかなか外で遊ぶ気にならないということもあるような気がする。各地域の中高生の学力と降雨・降雪量を調べると意外に高い相関を示すかもしれない。

2016年10月29日土曜日

大麻騒動

アメリカ、特に西海岸やハワイに住んだことのある者であれば、大麻を所持していたとして元女優が逮捕されたニュースをさも大事件のように報じる日本のメディアを滑稽に感じただろう。アメリカで大麻をやる人などざらで、日本のメディアは幻覚症状云々と報じているが、そんな話は聞いたこともない(もちろんやり過ぎればあるのかもしれないが)。マリファナをやると「ハイ」になるといい、吸っている人を見ると目が潤んで気分が高揚しているのがわかる。それがタバコに比べて悪いことである根拠があるなら聞いてみたいものだ。ちなみにタバコは常習性が高く、吸わない人には不快な臭いを発するが、大麻は香ばしい香りがする。もちろんこうしたものを全て禁じるのならわかるが、片方だけ合法とするのはおかしな話だ。大麻くらいで大騒ぎする日本のメディアは、古来世界中で使われてきた大麻がタバコ産業を保護する目的で禁じられた歴史についてきちんと学び、公平に報道すべきだろう。

2016年10月22日土曜日

復興五輪

ボート競技の会場変更問題で久しぶりに聞いた言葉だ。招致に成功した途端、どこかに吹き飛んでしまい、いざとなると被災地での開催に後ろ向きになるのだから、招致のためにはどんなことでもいっていた必死さが窺える。千葉市長が講演する昼食会で同じテーブルに座った大手ゼネコンの副社長。組織委員会の会長との親密ぶりが噂されて何かと話題の会社でセンシティブなことは聞きづらいと思っていたら、隣に座っていた人が無邪気に切り出した。すると副社長は五輪招致の際にいっていた予算がそもそも非現実的なものだったと答えた。この時講演していた千葉市長もオリンピックの話題に触れ、予算削減のためにフェンシングやレスリングの会場として幕張メッセを提供することにしたのが、今の状況を見ると仮設費用の負担までさせられるのではないかと危惧していた。こうした話を聞くと、非現実的な予算を作ったのが誰なのか明らかにした上で費用負担を配分するのが合理的な気がしてくる。

2016年10月15日土曜日

タイ王室

生前退位の話題でエリザベス女王とともに思い浮かんだタイのプミポン国王。エリザベス女王は今でもテレビで見かけることがあるが、プミポン国王はそういえば最近あまりお見かけしていなかった。バンコクに出張した際に現地で暮らす日本人から、国王の死去とそれに伴う新国王の即位が混乱を招くかもしれないといわれたことを思い出した。皇太子の素行についてはかねてから噂ベースでは聞いていたが、電機メーカー時代の上司からは、出張で乗り込んだタイ航空機で突然「ロイヤル・フライト」になったとのアナウンスがあり、いったん乗り込んだ乗客が全員下ろされた話を聞かされたことがある。再度パスポート・チェックを受けた後、機内に戻されると、召使を引き連れた皇太子が乗り込んできて、ファーストクラスのトイレに直行したかと思うと次々に脱いだ服を放り出し始めたそうだ。召使は国王の前で立ってはいけないらしく、ひざまずいた体勢のまま、それを受け取っていたという。タイの暫定政権が皇太子に即位要請をしたと早々に発表したのは、国民の人気が高いという王女を支持する勢力との混乱を避けるためか。それにしても、これほど王室の動向が影響を与える国も今では珍しいかもしれない。

2016年10月9日日曜日

オーストリア航空

新聞の片隅に掲載されたオーストリア航空の日本撤退のニュース。電機メーカー時代、欧州出張の帰りにウィーン経由で同航空会社のフライトに乗ったことを思い出す。今では当たり前のコードシェアという言葉が聞かれ始めた頃で、当時は提携先の日本の航空会社の客室乗務員も同乗していた。以降、航空会社間のアライアンスが進む一方で、海外に出かける日本人が減ってしまったので、特に欧州系の航空会社にとっては日本に直行便を飛ばすよりも、北京行の便から提携先の航空会社の便につないだ方がコスト効率が高くなったことは想像に難くない。地理的な条件に加えて日本のアジアにおける相対的な地位の低下も象徴しているようで、ちょっと寂しい。

2016年10月1日土曜日

ポピュリズム

国会で自衛隊員を称えようと呼びかける首相に与党議員たちが総立ちになって拍手し、今にも「ハイル・ヒトラー」とでも叫び出しそうな異様な光景を見て、この国はどんな方向に進んでいってしまうのだろうかと不安になった。自衛隊員たちやその家族のことを本当に思っているのであれば、必要以上に中国を刺激したりはしないだろう。刺激して領海侵犯を煽り、それに対して成す術もないところを見せつけられてしまうと、何の勝算もなく、国民にアピールするためだけにやっている動機が見え隠れする。喧嘩しても勝てない相手であることをよく認識していながら口先で威勢のいいことをいうのは前線で脅威に晒されている人たちに対して無責任なことだ。あからさまな侵略行為を受けている東南アジアの国も経済面で依存度が高まれば高まるほど彼の国との付き合いを優先するようになるだろう。日本は高度経済成長を遂げて世界第2位の経済大国になった過去の栄光を引きずっていても何もいいことはなく、こうした現実を受け止めて賢明な外交運営をしていくべきだろう。総立ち議員たちを見る限りそれも望み薄ではあるが…。

2016年9月24日土曜日

大企業

視察の為クライアントとともに訪れた重機工場。疲れた建物や内装にお金をかける余裕がなかった状況が垣間見えた。しかし業界人であるクライアントはごみ溜めいっぱいに積みあがったごみを見て視察前に慌てて掃除したこと、しみだらけの会議室の壁や掃除が行き届いていないトイレを見て経営者の目が行き届いていないこと、さらに生産ラインのレイアウトや製品テストの現場を見てオペレーションや安全に対する知識が欠如していることまで見抜いた。経営トップは親会社から天下ってきた畑違いの人なので問題意識をもてないのも無理のないことか。大手メーカーはどこもやることが似ている。東京に戻る電車の中で、この子会社の売却を担当している親会社の部長と言葉を交わした。できの悪い子を救うために奔走している姿に、電機メーカー時代に同じことをやっていたかつての自分を重ね合わせた。会社のためにやっていることなのに、日の目を見ることも感謝されることもない報われざる仕事。思いは察して余りある。

2016年9月17日土曜日

のり弁資料

お金の使い道に関わる資料の開示を求めると肝心の箇所が真っ黒に塗りつぶされた所謂「のり弁」資料を出してくる。豊洲の汚染土の入れ替えを行ってもいないのに行ったと嘘の説明をする。都民の財産であるオリンピックの選手村の建設用地を周辺の地価の10分の1で民間に売り渡す。こんなデタラメをやっている人たちが我々が支払う都民税から給料をもらっていると思うと実に情けない。また、こんなレベルの人たちが行政を担っている先進国の首都などほかにないだろう。今後、こうしたことが起きた背景にメスが入ることに期待するとともに、責任者には都議会に出て事実を明らかにしてもらいたいものだ。

2016年9月10日土曜日

カープ女子

プロ野球をフォローしなくなって久しく、気づけばいつの間にかカープが優勝目前となっていた。前回優勝の記憶がないが、1991年というからちょうどアメリカにいたときだ。広島のすごいところはファンの熱心さだろう。東京に移ってもカープを応援し続ける広島出身者を多く見かけるし、横浜スタジアムなどに対広島戦を見に行くと、観客の1割ほどしかいない広島ファンの応援が残り9割の横浜ファンの勢いに負けていない。また、さらに特徴的なのが、地元広島の女性たちがカープの選手のことをよく知っていることだ。広島で協力先の社員と食事に行くと、女性がマエケンが駅前のマンションの最上階に住んでいるだの、〇○のレベルだったら格差があって当たり前、といったように選手を論評をする。チーム発足当時は弱くてしかたなかったと聞くが、市民に支えられて成長した球団というのが感じられる。頻繁に優勝する球団ではないので、歓喜に沸く広島の雰囲気を味わってみたいものだが、残念ながら間に合いそうにない…。

2016年9月4日日曜日

かぶせ茶

先月来日したヨーロッパのクライアントが最高級の緑茶をまとめ買いしたいというので、ゴルフ仲間でもある湯島の「大佐和老舗」の社長に相談したところ、お茶のインストラクターの資格をもち、常陸宮殿下ご夫妻にもお茶をお淹れしているという社員を伴って事務所まで来てくださった。氷を使って淹れた八女のかぶせ茶や、小さな茶器に数滴たらしただけで香りが広がる最高級の玉露を試飲させてもらい、こんな美味しいお茶があったのかと感動した。お茶には人並みにはこだわっているつもりだったが、氷を溶かしながら淹れるお茶や、二、三滴垂らしただけで濃厚な味と香りが楽しめるお茶があることすら知らなかった。緑茶好きのクライアントもたいそう気に入り、社長が持参した大量の高級茶に加えて、かぶせ茶を追加注文していた。ふだん和食屋でたいした有難みもなく緑茶を飲んでいる我々日本人は、よほどこだわりがある人でなければ、高級ウーロン茶のような金額を出してまで高級なお茶を買うことはないが、来客のお蔭で思いもかけず緑茶の奥深さを知ることとなった。

2016年8月27日土曜日

新体操

オリンピックでないとなかなか見られない新体操。テレビをつけたら決勝戦をやっていたので見てみた。誰が考えたのかわからないが、物を遠くに放ってしっかりとキャッチするなど、かなりの離れ業に見える。フェアリー・ジャパンなる日本チームも難しいことをやっているのに、なかなか得点が伸びない。技術的に足りないかは素人目にはわからないが、明らかに他の国に劣っていたのは体格と使っている音楽、そして衣装だろう。体格は仕方がないにしても、他の国が誰もが知るダンサブルなポップス曲を使って会場を盛り上げているのに対して、日本チームの曲は聴いたことがないものばかり。しかし何といっても極めつけは派手なだけでセンスのない衣装だろう。ヨーロッパのチームが軒並みシンプルながら非常に洗練されたデザインと色づかいの衣装を着ていたのに対して、日本チームはけばけばしいだけで品が感じられないものや色の組み合わせがありえないもの、あるいは安っぽい花柄をあしらったもの等で、その時点で減点したい感じだ。フィギュアスケートと並んで見栄えや芸術性も問われる競技なのだろうから、もうちょっとましなデザインにしないともったいない気がする。

2016年8月20日土曜日

オリンピック

地球の裏側での開催で不利かと思われた日本チームの活躍ぶりもあり、一つの大会で様々なスポーツ観戦ができるオリンピックの楽しさを再認識した。体操や卓球、バトミントンでは苦しい場面でも弱気にならない選手の精神力の強さに感動した。また、想像もしなかった銀メダルを獲得した男子陸上の400メートルリレーにも興奮した。少しかわいそうだったのが前回のロンドン大会で金メダルを取りながら今回は取れなかった選手たちで、周囲の期待値が他の選手よりも高かったからか本人が自責の念を表したり謝罪したりしていたが、銀メダルや銅メダルだって取るのは大変なことで、公明正大な選考で日本代表に選ばれたなら最善を尽くしたということで十分だったと思う。

2016年8月14日日曜日

高校野球

夏の甲子園高校野球で、県大会に参加する高校の数が最もが少ない鳥取県代表の境高校が、次に少ない高知県代表の明徳義塾に敗れたというニュースを聞き、何年か前にうちにインターンに来ていた境高校の副校長の娘のことを思い出した。セミプロ化して、競争が激しい県の有力選手が他県の高校に「野球留学」してしまう高校野球の世界にあって、境高校の野球部は地元の子が多いという。方や明徳義塾は地元出身者ゼロという極端さ。「地元の子が一人でも出ていれば応援できるんだけどね。」10年余り前、高知の飲み屋のおかみさんが客にいっていたのを思い出した。

2016年8月13日土曜日

オリンピック種目

ゴルフが112年ぶりにオリンピック種目に復活したというが、トッププレイヤーがことごとく欠場しているので、世界一を決める大会とは到底いい難い。そもそもサッカーやゴルフ、テニスといったオリンピックよりもステータスが高い世界大会があるスポーツをあえてオリンピックでやる必要があるのだろうか。トップ選手が出ないスポーツの金メダルが体操や卓球、柔道や水泳といった種目の金メダルと同じ価値があるといえるだろうか。世界一が決まらないスポーツをやること自体、オリンピックの価値を下げる気がする。

2016年8月6日土曜日

新千歳空港

新千歳空港で東京に戻る便に乗るために手荷物検査場で順番待ちをしていると、突然検査を中止すると通告され、場外に戻された。「緊急事態」という以上のことは知らされず、それから1時間半以上経ってから、ようやく再開した。お蔭でフライトは2時間遅れた。帰りの機内で「他の航空会社」の乗客が検査を受けずに待合室に入り込んだことが原因との説明があり、翌日のニュースで女性が車いす用のレーンをすり抜けたことを知った。お蔭で出発ロビーは長時間にわたって大混雑。こうしたことをする人間は厳罰に処してもらいたいところだが、騒ぎになった時には既に羽田行きの飛行機に乗って出発してしまっていたというから、すり抜けは成功し、もはやそこにいない人を探すのに時間をかけていたわけだ。これでは保安検査をしている意味がない。出発時間ぎりぎりで空港に到着したため、待機中に飲料を買って喉を潤し、雪印のソフトクリームを食べられたのがせめてもの救い?だった。

2016年7月30日土曜日

選挙運動

渋谷のハチ公広場を通ると、東京都知事の野党統一候補を支持する若者たちがシュプレヒコールを続けていてちょっと怖かった。誰も立ち止まることなく、あれでは明らかに逆効果だ。がん検診の受診率を100%にするとか、島しょ部の消費税率を下げるなど、実現可能性を検証しているとは思えない政策を行き当たりばったり的に言ってみるなど、候補者自身が最も効果的に票を減らしているようにも見えるが、前述のシュプレヒコールに加え、人気ダダ落ちで自らの選挙区でも当選できない元首相に応援させたりと、やることなすことが全てマイナスになっているように思える。主要三候補といわれる人の中では最下位確定だろう。後は与党系2候補の争いになるだろうが、折しも前回のブログで言及した自民党都議団の黒幕である内田氏のブラックさが週刊誌にすっぱ抜かれた。神田の親戚から、氏が娘婿を区議会議員にし、娘婿の方は‘一応’クリーンさで売っていると聞いていたが、週刊誌の記事を見る限り、いとこの幼馴染である内田氏の娘共々しっかりと腐敗している。これが日本の政治の中心である千代田区の実態とすると、日本の民度もたかが知れているかも知れない。

2016年7月23日土曜日

お触書

都知事選で自民党の推薦候補以外を応援したら本人のみならず一族郎党皆破門にするという同党都連の忠告文。民主主義国であるはずの我が国の政権党がこのような北朝鮮的お触れを出すセンスにまず驚かされる。出しているのは私の地元選出の衆議院議員で都連会長を務める元都知事の息子I原氏と、都議会を牛耳っているといわれる千代田区選出の古参の都議会議員U田氏。力関係でいえば後者が主導した可能性が高いだろう。なぜそうまでして同じ自民党出身の対抗馬の当選を阻止したいのか。それは彼女が都政の不明瞭な意思決定にメスを入れると公約しているからと推察され、それほどメスを入れられては困ることをやっていることの表れだろう。彼らが担ぎ出した真面目そうだが迫力のない候補は彼らの「傀儡」としてはうってつけといったところか。自民党都議団のドンといわれ、地元の有権者にビール券を配っても逮捕されないU田氏だが、神田の親戚によると一地方議員でありながら母親の葬儀には首相も参列したというから、彼が握る利権は首相が無視できないくらい大きいもののようだ。自民党都連の必死さを見れば見るほど、巨大な利権をめぐる意思決定がどのようにされているのかつまびらかにしてもらいたいと思うとともに、そのようなことを主張している候補が本当に当選できるのか、できたとして本当に公約を守れるのか、疑問な気もする。

2016年7月16日土曜日

がん検診

つけっ放しのテレビで始まった健康番組。通常であればチャンネルを替えるところだが、がん治療はやらない方がいい場合があるという話に興味をもってそのまま見続けた。番組では末期がんと診断された人が治療をやめ、結果的に回復したという話をやっていた。私の知り合いからも同じような話を聞いたことがある。間もなく膀胱上部にできたがん細胞を切除するという従兄が、うちの家系は同じがんになる傾向があるという話をしていたが、私も14年前に同じところにできて虎ノ門病院で切除手術を受けた。ところが出血で切除すべきところが見えなくなったという理由で断念され(それでもお金は取られた)、あまりの痛みに耐えかねてその後は再手術を受けていないばかりか、検査にも行っていない。都知事候補の一人が都民全員ががん検診を受けられるようにすることを訴えているようだが、がん細胞と呼ばれるものが放っておくと拡大・拡散(所謂「転移」)を続けて死に至るのであれば、それは意味があることかもしれないが、そもそもがん細胞が自然に治らないという前提が疑わしい。もちろん広がって死に至る場合もあるだろうが、代謝の過程で自然に正常な細胞と置き換わる場合もあるのではないかと思う。それでも治療を受けることで100%なくなるのであればそれはやる価値があるかも知れないが、そのようなことがないことは誰もが知るところだ。前述のテレビ番組では医者がそのことを認めていたのが画期的に思えた。

2016年7月10日日曜日

自民党都議団

東京都の区長や市町村長の有志と称する人々が集まって自民党都議団が推す官僚出身の人物に都知事選への出馬を要請する姿に違和感を感じた。市区町村の行政の長がなぜ、ここまで都政レベルのことに関与したがるのか。その「下心」を知りたいものだ。都議会で絶大な権力を握っているという自民党都議団がこの人物を推すのは、自分たちに都合がいい(言いなりになる)と思っているからだろうが、それだけ絡んでいる利権も大きいものと想像する。彼らにとっては利権にメスを入れることを公約する候補など、同じ自民党でもとても容認できないのだろう。ちなみにこの都議団のドンといわれている人物は私の親戚も住む千代田区選出の議員で、親の葬儀には現首相も参列したという。選挙区の有権者に公然とビール券を配っても不起訴処分になるのだから、この国は本当に法治国家と呼べるのかと思う。

2016年7月3日日曜日

都知事選

未だ候補が出そろわない東京都知事選。いつもながらの「じゃんけん後出し」狙いか。きっぱりと出馬を断った人気タレントの父親や、「先出し」で出馬を表明したK女史は潔い。既にツーアウトを喫している与党が担ぎ出しそうなのはいかにも安全牌そうな人物だが、「推されたので出た」的な人にはあまりなってもらいたくない。かといって地元の選挙区ですら当選できなかった国会議員を担ぎ出そうとする最大野党もわけがわからない。いっそのこと都議会議員で若くて威勢のいいのが出てきたら面白いだろう。二人連続であのような辞め方をしたので、意外に都民の支持を集められるかもしれない。

2016年7月2日土曜日

選挙対策

現政権は株価を上げて経済政策の効果をアピールするために年金の運用先に占める株式の比率を50%まだ高めたが、それが裏目に出て5兆円を超える損失が出ているという。年金の運用は安全が第一なのに、時の政権の人気取りのためにこのようなことをしてしまっていいのか大いに疑問だが、例年7月上旬に行っている運用実績の発表を、今年に限って参院選後の7月末に延期しているというから、選挙後のネガティブ・サプライズは必至だ。今回の参院選は与党が勝利するだろうが、投票後に勝者側に不都合な真実が明るみに出るというのは、先のイギリスの国民投票を思い起こさせる。また、「前進か後退か」という単純なフレーズのテレビCMを流して、自らの政策が前進、それ以外が後退という印象を国民に植え付けるあたり、小学生レベルのわかり易い言葉を使って扇動されやすい多くの国民の支持を獲得したアメリカやイギリスの右派ポピュリストを彷彿とさせる。国民が後で後悔するようなことにはならなければよいが…。

2016年6月26日日曜日

一票の重み

ブレグジットの国民投票は一票の重みについて考えさせられる出来事だった。一票の重みを等しくするのは民主主義の基本中の基本で、与党の都合で抜本的な是正が行わない日本など、民主主義国と呼べるのかも疑問だが、若者の多くがEU残留を支持したイギリスの国民投票でその逆の結果が出たことは、先が長くない人たちの意見が通ったということであり、その妥当性に疑問を抱かせるものだ。今日の政策決定に最も影響を受けるのは将来ある世代であり、そうした人たちの意思に反することが決定されないよう、年齢に応じて一票の重みに差をつけるというのはあってもよい気がする。そもそもの一票の重みの平等が確保されていない日本では望むべくもないことだが。

2016年6月23日木曜日

ブレグジット

久しぶりの長期海外出張。ホテルで日本のテレビ番組が見られても驚くほどつまらないNHKの衛星放送のみ。必然的に英語のチャンネルを見ることになるが、この一週間、どのチャンネルもイギリスのEU離脱の話題ばかり。もはや食傷気味なので、結局テレビを消してしまう。知り合いのイギリス人がEU離脱派の急先鋒である前ロンドン市長を称して「ドナルド・トランプのマイルド版」と呼んでいたが、急速な移民の増加等を背景に、人々の不安心理を煽って自らが救世主の如く振る舞う右派ポピュリストの台頭と、それを熱狂的に支持する群衆を見ると、人類は同じことを繰り返しているように見えてならない。

2016年6月19日日曜日

JTB

JTBからの個人情報流出のお知らせ。よくぞこんなことをやってくれたものだ。しかし考えてみればこうした事故を起こすとすればJTBだっただろう。というのも利用しているホテルの予約サイトの中でももっともトラブルが多く、「ITに弱い」感を出していたのは同社だったからだ。京都のホテルに泊まった際には予約確認のメールに予約したのと違うタイプの部屋が書かれていて、チェックインの際に混乱した(ホテル側には実際に予約した部屋タイプの情報が行っていたので、ホテルからJTBに電話してもらって誤りを指摘してもらった)。いちばん腹立たしかったのは高知のホテルに泊まったときで、予約していた料理と違うものが出てきたので指摘したら、ホテル側に誤った情報が行っていたことがわかった。後でJTBに抗議したら、入力したものと違うオーダーが行くことはシステム上考えられないと主張され、結局こちらが悪かったかのようなことにされてしまった。前述の京都でのトラブルがあったので、この主張は全く説得力がないが、オンライン予約は紙で証拠が残らないのでどうしようもない。また、領収書をネットからダウンロードしてうまくいかず、コールセンターに電話したこともあった。そもそもエクスプローラでしか表示できない時点でだめだろう。こうした危ない業者には個人情報を伝えるのを避けるのがいちばんだが、個人情報を登録した後に危ない業者とわかったらどうすればいいのだろうか。ユーザーが自ら操作して登録した個人情報を消せるようにすることを義務づけてもらいたいものだ。

2016年6月16日木曜日

ラマダン(続き)

ドイツに到着し、ラマダンで会食に参加できない企業幹部に会った。両親がモロッコ出身だが本人はドイツ育ちで、細身だが血色はいい。多少打ち解けたところで、ドイツのように夏至の頃は10時過ぎまで日が沈まない国で絶食するのは大変ではないかと聞いたところ、決してそのようなことはなく、むしろ体調はいいとの意外な答え。水は飲んでいるかと聞いたら日没まで水も飲まないとのこと。これには驚いた。日本の医者であれば体に悪いのでやめろというところだろう。彼によるとラマダン期間中は食事で仕事を中断することもなく、集中力も高まるという。確かに朝食や昼食をとった後は胃に血液をとられてしまうか、あまり頭も冴えないし、効率も上がらない。私の20歳の頃のような細身の体型を見て、自分もやってみようかと思った。

2016年6月9日木曜日

ラマダン

3年ぶりの欧州出張。訪問先の企業幹部がラマダン期間中のため、会食に出られないといわれた。ラマダンでも日没過ぎれば食べていいはずだが、そうか、今の時期の欧州は10時過ぎまで日が暮れず、そのときまで来客を待たせるわけにもいかない。考えてみれば元々イスラム教徒が多く住んでいた地域はそれほど緯度が高くなく、夏至に近い時期でもそれなりの時間には日が暮れる。ところが欧州に移住してしまうとかなり遅い時間まで食事がとれなくなってしまう。日中食事を絶つのはかなりきついと思うが、欧州のような高緯度地域に住むイスラム教徒はよく頑張っているものと思う。きついことが嫌いな私だったら移住を機に、さっさと改宗するか無宗教になっているかもしれない。

第三者委員会

「第三者の厳しい目」で調査するとして、第三者ではわかりえないことの答弁まで拒んだ都知事。本人が選任したとなれば、どこまで第三者なのだろうかと思っていたが、調査結果を公表するとした記者会見を見てその猿芝居ぶりに呆れた。政治資金の使途について「不適切」と断じて都知事の行動を厳しく戒めるように見せつつ、どれも「違法性はない」と結論付けて、知事にその職に留まる道を与えた。まさしく本人が希望した筋書き通りだろう。このことで一連の知事の行動が違法でなかったとの前提で道義的責任のみ問う論調になってしまっているが、実は木更津市のスパホテルでの宿泊が単に家族旅行だったとしたら、収支報告書に会議費用と記したのは政治資金規正法の虚偽記載という立派な違法行為になるそうだ。つまり、違法性があるとすればこの一点であり、それについて宿側に聞き取りをする等、最低限の調査もしていないのだから、この第三者なる弁護士たちは知事の意のままに「無罪」の判断を示したとしかいいようがない。一連の行動を見て知事の人間性は誰の目にも明らかだが、いちばんがっかりなのは調査を行った佐々木善三と森本哲也なる弁護士がいずれも元検事であることだろう。いちばん調べなければならないことを調べもせずに、知事に都合が良い結論を出すなど、検事をやっていた人にはやってほしくないことだ。佐々木氏は元経済産業相の関連団体をめぐる政治資金規正法違反事件でもその無罪放免に尽力したというが、そんなブラック政治家御用達みたいな人が検事をやっていたなんて、この国の司法は大丈夫なのかと心配になる。

2016年6月4日土曜日

Windows 10

「容量の制限を超えたのでスピードを落とす」との無線通信事業者からの突然の通知。容量制限を超えるような使い方はしていないはずなので、コールセンターに問い合わせたところ、私が目を離している隙に、デスクトップとノートパソコンのそれぞれでWindows 10が勝手にダウンロードを始めていたことが原因とわかった。欠陥OSを出し続けて世界中に迷惑をかけてきたマイクロソフトの新製品をあえてダウンロードする気などないので、パソコンを起動するたびに出て来たダウンロードを促すメッセージを無視し続けていたが、ユーザーの意向を無視して勝手にダウンロードを始める暴挙に出るとまでは想像もしていなかった。まだ月半ばでインターネットのスピードを落とされて大迷惑で、つくづくマイクロソフトなる会社のタチの悪さを認識した。ビル・ゲイツがいかに慈善事業に寄付しても説得力がないのは、彼が消費者に支持されるいい商品を世に送って財を成したのではなく、独禁法違反で制裁金を課せられるようなものの売り方をして儲けたからだからだが、創業者のキャラクターというのは企業体質に反映し、いつまでも受け継がれるものだということを改めて認識させられた。

2016年5月28日土曜日

消費増税

前与党は大いなる公約違反をして叩かれ、選挙で瀕死の敗北を喫したが、現政権の公約違反も目に余るものがある。前与党に解散を迫った際に約束していた選挙制度改革は今日なお達成されていないばかりか、自党の都合で抜本改革をさらに先延ばし、また、夏の参議院選を前に、これ以上遅らせないと断言していた消費増税を再延期する気満々だ。その是非はともかくとして、そもそもできる見通しがない、あるいはそのときの状況で判断しなければならないものを、その場の答弁を切り抜けるために「必ずやる」と約束してしまう軽さが気になる。また、消費増税先延ばしの口実を作るために、今がリーマンショック前に似た状況などと言い出す必死さも気になる。アベノミクスなるものも、そこまで行き詰っているのか。そんな説得力のないことを自国開催のサミットで持ち出して、経済が順調な他の先進国の同意を得られないのもみっともない話だ。この国にはもう少しまともな政治家はいないのだろうか…。

2016年5月21日土曜日

おいしくない牛乳

某乳業メーカーが売っている「おいしい」と名のつく牛乳。値段は高めでも美味しいと思っていたので、先日コンビニで買って飲んだが、その水っぽさにがっかりした。こんなことならコンビニ牛乳を買った方がまだまし。こうしたプレミアム感を打ち出そうとする商品は、まじめに作っていたら物量を出すのが難しいはず。それがどこのコンビニでも置くようになったら、品質が犠牲になるのも無理のないことか。しかし、コンビニやスーパーのオリジナルブランド物よりもクオリティが落ちるとなると「おいしい」という言葉が入る商品名はどう見ても誇大広告、「看板に偽りあり」だ。購入者の味覚がちゃんとしていればいずれ淘汰されると思うので、今後も店頭に並び続けるか観察したい。

2016年5月16日月曜日

強弁

頭脳明晰なはずの東京都知事の全く説得力のない釈明を聞いて見苦しいと思ったのは私だけだろうか。自分の非を認めて謝ればそれで済んだものを、変な突っ張り方をしたことで、どんどんと敵を増やし、墓穴を掘っていったわけで、これほど自身の“危機管理”ができていない人に日本の首都の危機管理などできるのだろうかと思った。今回の件で最も同情すべきは彼の子供たちかも知れない。家族旅行で行った木更津のリゾートホテルで選挙準備のために関係者を呼んで会議をした(ただし、それが誰かは明らかにできない)という父親の説明を聞いて果たしてどう思っただろうか。そのような事実があったかはその場にいた彼の家族が知らないはずがない。父親がそんなでも、子どもには何の罪もないわけで、学校でからかいやいじめの対象にでもなったら気の毒としかいいようがない。

2016年5月14日土曜日

産地偽装

欧州産の羽毛を使っているとして売られている布団の多くが実は中国等のアジア産の疑いがあるとのニュースを聞き、またオリーブオイルのことを思い出してしまった。日本全国津々浦々、どこへ行っても‘イタリア製’を名乗るオリーブオイルが大量に売られている。イタリアのオリーブ生産量はスペイン、ギリシャに次ぐ世界第3位だが、日本の消費をまかなうような量など作られていない。方や、一大オリーブオイル生産地域である中東やアフリカ製を名乗るのものは日本では殆ど流通していない。当然そこには絡繰りがある。チュニジアからタンカーで運ばれたオリーブオイルがイタリアで瓶詰めされて、‘イタリア製’として日本に輸出されているのだ。チュニジア産のものの品質がイタリア産に劣るということはないだろうが、イタリア‘産’と思って買っている人は騙されていることになる。こうした欺瞞がなぜまかり通るのか。一つにはどこの国で生産されたオリーブの実を使っているかを調べる手立てはない(つまりはばれない)こと、もう一つはイタリア製といえば、中身も疑わずに喜んで買う消費者が大勢いるからだ。羽毛布団の場合は、わざわざ欧州を経由して日本に運ぶことはないだろうから、日本の輸入者・販売者が偽装を行っている可能性が高いが、オリーブオイルの場合は「イタリアから来たのでイタリア産と疑わなかった」という言い訳も成り立つ。被害者は思ったものと違うものを買わされている日本の消費者だが、彼らのイタリア産信仰がこうした問題を引き起こしている側面もある。

2016年5月7日土曜日

オリーブオイル・ソムリエ

オリーブオイルでもう一ネタ。日本には「オリーブオイル・ソムリエ」なる資格がある。ワインのソムリエを真似たものであることは容易に想像がつくが、オリーブオイルの味や香りをワインと同じように品評するのはかなりナンセンス。ワインはブドウの出来もさることながら、醸造技術によって差が出るので、味や香りでその技術を評価するというのはアリだが、オリーブオイルは本来はオリーブの実を圧搾して作るオリーブの果汁であり、醸造品ではない。また、日本で流通している、精製品に味や香りづけしているものをいくら評価してもあまり意味がなく、それよりは生産の過程で加水、加熱、濾過などをせず、どれだけオリーブの果汁本来の味や香り、そして栄養価を残しているかの方がよほど重要だ(本来のオリーブオイルの生産工程を知っていれば、小売値で1本1,000円などといった金額で作れないことはわかるはず)。こうした資格が存在すること自体、この世界でいかに欺瞞がまかり通っているかを表しており、まじめに取り組んでいる小規模生産者にとっては嘆かわしい限りだ。

2016年4月30日土曜日

オリーブオイル

「頂いたオリーブオイル、苦みが強かったので食べるのをやめて乾燥肌に塗ってます。」エジプトから取り寄せている‘本物の’オリーブオイルをプレゼントした女性に言われ、日本人はすっかり‘まがい物’に慣らされてしまっていることを認識した。オリーブオイルはその呼び名から誤解されやすいが、種子から搾油するその他の植物性の油と違い、オリーブの実の果汁だ。オリーブの果汁には苦みがあり、苦みがあるオリーブオイルというのは‘本物’である証だ。では日本で流通しているオリーブオイルにはなぜ苦みがないのか?オリーブオイルの量産工場に行ったことがある人なら量産機にパイプがつながれているのを見たことがあるだろう。オリーブの実から効率よく果汁をとるために加水、加熱をするのだ。この工程でポリフェノール等の水溶性の成分は溶け出してしまい、味も損なわれる。また、使うオリーブの実の量が多い量産工場では、屋外で山積みにしたまま長時間放置する為、かびたり劣化したりする。その臭いを取るために精製が行われるのだが、そのために果汁が本来持つ味も香りも栄養価も失われてしまうのだ。これはオリーブオイルが体にいいと思って使っている人には残念なニュースだが、ふつうの植物油に比べて体に悪いということもないだろう。ではなぜ、こうした欺瞞が横行するのか。それは量産機を使わずにオリーブオイルを作るのには大変な手間と時間がかかり、商業ベースには乗りづらいからだ。うちが扱っているのと同じ作り方をしている会社が小豆島にあるが、ここのオリーブオイルは200ml入りで5,000円近くする。市販のもので満足している人に無駄な贈り物をしてしまったと後悔したが、肌に塗って使っているだけでもまだいい。市販のオリーブオイルを肌に塗るのはお勧めできない。また、本物のオリーブオイル(果汁)は飲んでも平気だが、市販のものは飲めば間違いなくお腹を下すだろう。

2016年4月23日土曜日

インバウンド

「指定席は全て満席、グリーンが一席残っているだけです。」小倉駅で翌日の広島までの新幹線の切符を買おうとしたところ、窓口の人がいった。お盆でも正月でもないのに新幹線の指定席がいっぱいになることなどあるのか…。すぐに残っていた最後の一席を買って事なき?を得た。翌朝、小倉駅に到着したさくら号に乗り込むと、なるほど私が座る一席しか空いていない。周りはドイツ人のグループで、私の隣も大柄なドイツ人のおじさん(といっても私とあまり年齢は変わらないかもしれない)が座っていた。広島に到着し、ホテルに向かう途中、いつも泊まる駅に隣接したホテルが全て満室で、ちょっと離れたところにあるホテルの売れ残り感のある部屋を予約したことを思い出した。翌朝、朝食をとりに最上階のレストランに行くと今度は周り中がフランス人の観光客だった。出張の度にホテルをとるのが難しく価格も上がっていると感じるが、日本経済のためなら仕方のないことかもしれない。

2016年4月16日土曜日

前震

夜、広島のホテルの部屋でテレビをつけっ放しにしてパソコンに向かっていると急な横揺れが起きた。しばらくするとテレビに地震速報のテロップが流れ、地震が起きたのが熊本であると知った。その後しばらくして流れていた娯楽番組が突如として打ち切られ、地震関連の報道番組に切り替わった。地震国で生まれ育ったため、揺れ方で震源からの距離や地震の大きさの見当がつくようになっており、今回もやや長い周期の、それなりに大きい横揺れだったので、震源がある程度離れた場所で、地震の規模も大きいものと想像した。しかし今回の一連の地震で想定外だったのは、大きな地震の後にさらに大きな地震が起きたことだ。気象庁は慌てて先の地震を「前震」、後の地震を「本震」と呼び始めたが、そうなると大きな地震の後により小さな余震が来るという前提が崩れてしまう。今回の地震の教訓は大きな地震が、さらに大きな地震を誘発する可能性があるということかもしれないが、それではいつまで経っても安心できない…。

2016年4月13日水曜日

闇カジノ

バドミントン選手への厳しい制裁。後輩を引きずり込んだ方は問答無用だが、先輩に誘われて行ってしまった方については多少同情の余地があるかもしれない。損失額が報じられている通りであれば大してやっていなかったわけで、ずっとバトミントンばかりやってきて世間知らずなところがあったとしたら、先輩から誘われて断れず、好奇心から…というのもわからなくはない。テレビでは評論家がさんざん彼を叩いているが、かくいう彼らがゴルフ等で賭け(いわゆる「にぎり」)をやったことがないかといえば甚だ疑問だ。私も下手なだけに「にぎり」はやりたくないが、先輩からいわれたら断れない。ヤミ賭博場といわれるところに行った時点でアウトではあるが、叩く側もわが身を振り返った上で批判すべきと思う。

2016年4月9日土曜日

金子半之助

週末に事務所近くで食事をするために三越前をさまよっていたら裏路地に長蛇の列ができていて驚いた。見ると天ぷら屋らしい。行列してまで食べたい方ではないので近くのステーキ屋に入り、食事がてらに聞いてみると、いったん流行りだしたら行列が行列を呼び、大変なことになってしまったのだと聞いた。程なくして兄夫婦が吉祥寺に出店した同じ店に行き、美味しいだけでなくコストパフォーマンスも抜群だったといい、それからしばらくして三越前の本店に行ったという神田の叔母から同じ感想を聞いた。そうまで言われると行列嫌いの私でも行ってみたい気がするが、やはり長い時間待たされるのはかなわない。事務所から近い地の利を活かして少しだけ待つ覚悟で開店前に行ってみようかと思う。

2016年4月3日日曜日

Aプライム

かつてよく利用していた米系のネット通販。甥の誕生日プレゼントを買うので久しぶりに利用したら、商品が発送されたという通知が来た後、一向に届く気配がない。トラッキングのページを開いてみると、到着予定日が4月1日~4日の間とあった。国内から発送しているのに何日もかかる、しかも何日に届くかも特定されないなど、サービスの質的低下著しい。そこでふと思い出したのが、同社がしつこく勧誘してきたプライムサービス。年会費を払ってこのサービスを利用すれば荷物が早く届くというものだったが、それまで以上に早く届けてもらう必要もないし、会費を払うほど同社のサービスを利用していない(囲い込まれたくもない)ので、無視し続けていた。しかしプライム会員にならない人にを冷遇するというのは実にいやらしい。有料サービスへの移行を促す魂胆かも知れないが、こんなことをされては逆にこの会社のサービスを利用したくなくなる。

2016年3月27日日曜日

日本死ね

ここのところ話題の「日本死ね」ブログを見て違和感を覚えるのは私だけだろうか。言っている内容は真っ当だが、言葉が汚な過ぎる。そもそも筆者は選挙に行っているのだろうか。少子化対策をするにしても、こうした汚い言葉を使う親に子どもを産ませるよりは優秀な移民を受け入れた方が日本国にとってよほど好ましいように思える。それにしても、最もしょうもないのはネットの拡散力にビビッてか、急に対策を打ち出す(ふりをする)現政権や、同調者が多いことを敏感に察したかのように肯定的なコメントをする評論家たちだ。

2016年3月25日金曜日

組み体操

ニュースで耳にする組み体操。けがをする生徒がいて問題になっているのになぜ続けるのだろうかと思っていたら、国の調査で9人の死者が出ていることがわかったと聞いてさらに驚いた。なぜそのような危険なことを学校の公式行事である運動会でやるのかと思ったら、「ピラミッド」や「タワー」は見栄えがする種目で、成功させたらヒーローになれ、全員が一生懸命取り組まなければならないので困難に立ち向かう気持ちが養え、やり遂げた達成感が得られるからだという。また、団体競技であるため連帯感も生まれ、これらは保護者も先生も子どもに身につけてほしい「教育的効果」なのだそうだ。このようなことをもっともらしく語る人間が教育に関わっている時点でどうかしていると思う。運動会での見栄えのために子どもを危険に晒していいとでも思っているのか?連帯感や達成感を得る方法がほかにないとでもいうのか?こんなアホなことをやっている国に将来はあるのだろうか…。

2016年3月19日土曜日

民進党

台湾の政党そのままのセンスなき党名。一般の人の声を聞いて決めたというが、それなら最初から候補を二つにしぼらず、公募して集まった名前から候補を絞り込めば、もう少しましな名前が出てきたのではないかと思う。こうしたセンスのなさが政権獲得能力をも反映しているとしたら、前途多難といわざるを得ない。聞けば英語の党名はDemocratic Partyのまま。なら民主党のままでいいじゃん。

2016年3月13日日曜日

ホンハイ

「あんな下請けだった会社が…。」かつて台湾のホンハイがシャープと合弁を組むことになったときに、電機メーカーに勤める元同僚が言った。10数年前外資系証券会社で電機業界を担当していた時、日系大手ほどの資本力があるとも思えない台湾の後発メーカーが液晶事業のような設備産業に参入して勝算などあるのだろうかと思ったものだが、今にして思えば私も他の日本の業界関係者同様、見立てを誤っていたようだ。台湾のビジネスマンの方が概して経営センスがあり、海外慣れしている点は否めないが、やはり華語圏で、中国の安い労働力にアクセスしやすかったことも成功要因と思われ、これは日本の企業には真似できなかったのかもしれない。そのホンハイがいよいよシャープを買収したが、販路をがっちり押さえている同社の傘下に入れば、官民ファンドの「産業革新機構」に引き受けられるよりは生き残れる可能性が高く、安易に「オールジャパン」などという時代遅れな発想に乗らなかったのは評価していいのではないかと思う。

2016年3月5日土曜日

チロルチョコ

バイトの大学生たちが大好きというチロルチョコ。昔から名前は知っていたが、記憶をたどっても子供の頃に食べたことが思い出せない。思えば食べていた記憶がある菓子といえばグリコのキャラメルくらいだ。先般、チロルチョコの創業家(元は福岡の田川)の人と会う機会があり聞いてみたところ、私が子供だった頃(ん十年前)は確かに西日本でしか売られておらず、コンビニが普及してから全国区になったという話だった。コストを抑えるためにクッキーや餅を使っていると聞いていたが、食べてみるとそれがチョコだけのものより味のバランスを整え、食感を良くしているように感じる。値段も手ごろらしいので、販路さえ確保されれば全国的に流行るのはもっともかもしれない。

2016年2月29日月曜日

検察

東電の元会長らが強制起訴されたが、そもそも検察が不起訴処分にした時点で日本の司法は大丈夫かと疑ってしまう。東電のずさんな原発管理については元GEのエンジニアにも指摘されていたし、何より業界関係者の間では震災前から竜巻やハリケーンに備えて非常用発電機を地下に置く「米国式設計」をそのまま採用した福島の原発は危ないといわれていたというから(同じ津波の被害に遭った女川等の他の原発では事故は起きなかった)、東電の経営陣がそのことを認識していなかったとは到底考えられない。私の数少ない電力業界関係者の知り合いも異口同音に「あの事故は予見できた」といっている。にもかかわらず、これほど甚大な被害をもたらした大事故の責任者を無罪放免にしようとした検察の罪は重いだろう。かつて厚生労働省の官僚が冤罪事件に巻き込まれたとき、某有名弁護士から検察官は起訴した相手が有罪にならないと出世に響くという話を聞いた。つまり自分の出世のために罪のない人間を犯罪者に仕立て上げることも厭わない輩が検察官をやっているというのだから恐ろしい。検察の行動は東電の旧経営陣を無罪にしたい政財界の有力者が多くいることと無縁とは思えず、自分の選挙区の有権者にあからさまな利益供与を行っていながら不起訴処分になった群馬の元女性閣僚のことを思い出した。日本の司法は大丈夫なのだろうか。

2016年2月23日火曜日

ミスキャスト

昨年からつい見てしまっている朝ドラ。前作は出演者が可哀想なくらいつまらなく、すぐに見るのをやめてしまったが、今回のはなかなか面白い。やはり多少美化されていても実話に基づくストーリーは興味を引く。ただ、モデルとなった女性とはかけ離れた美形がヒロインを務めるのはドラマの宿命上仕方がないとしても、福沢諭吉と渋沢栄一役の俳優のミスキャストぶりにはがっかりさせられた。どうしてストーリーの説得力を失わせるようなキャスティングを敢えてやるのか。さらに今後有名アナウンサー二人を出演させるというが、何を目指しているのかがさっぱりわからない。制作側が高視聴率に浮かれて変な方向に走ってしまっているのかもしれないが、一視聴者としては楽しみにしているドラマがキャスティングで台無しにされてしまうのを見るのは実に残念なことだ。

2016年2月21日日曜日

関電

名古屋に転勤になった保険会社の人が、大阪出身というと誰も話を聞いてくれないので、母親の出身地(京都)を語るようになったといっていたが、最近お世話になっている名古屋の方もまた、大阪に対して厳しい。この方の場合、大阪の悪口が関西電力の悪口に発展し、しまいには同社に原発の管理能力などなく、福井の原発が事故でも起こしたら風向きからいって名古屋が大打撃を受けるといった。いくらなんでもそれは言い過ぎだろうと思っていた矢先に高浜原発4号機の事故の報に触れた。原子炉補助建屋で放射性物質を含む水たまりが見つかり、6時間も公表しなかったばかりか、その原因もわからないという。これで数日後には原子炉を再稼働するというのだから恐ろしい。竜巻やハリケーンに備えて非常用発電機を地下に置く「米国式設計」をそのまま採用していた福島の事故は十分予想できたと聞くが、東電の旧経営陣はその責任を問われていない。関電に管理能力がないといってしまうとそれまでだが、せめて経営陣が責任を問われるようにしておかないと余計に恐ろしいことになるのではないかと思う。

2016年2月20日土曜日

日本陸連

タイム的にも順位的にも五輪の出場基準を満たした女子マラソン選手が、それでも内定を出さない日本陸連への抗議の意を示すため、中1か月半の強行軍で次の選考レースにも出場するとのニュースに触れ、またかと思った。日本陸連なる団体は過去においても選考レースでの成績に関係なく瀬古やら有森やらをごり押しで出場させ、前者はメダル圏外、後者も金メダルには届かなかった。後者についてはメダルを取れたことで国全体が祝福するムードだったと記憶しているが、公明正大さを欠いた選考で出場できなかった選手が出場していたら、もっと上の成績をとっていた可能性は否定できない。そうした過去の学習もなく、いつまでこのようなことを繰り返していることにその組織自体が疑問をもたないのが不思議だ。

2016年2月11日木曜日

TPP議員と育休議員

就任して3カ月余り経っても一般人でもわかる「歯舞」の読み方すら知らない沖縄・北方担当相は論外として、某与党の国会議員の質的低下は目を見張るものがある。選挙の時に風が吹いて当選する議員が増えるとそうなってしまうものなのか、国会議員を目指す人のクオリティが下がっているのか、はたまた日本人全体が劣化しているのか。TPPの署名式に着物姿で出席した議員。こうした世界の注目が集まる場で和服を着るのは良いことと思うが、自身のブログに何台ものパトカーやヘリコプターの警護を受けたとはしゃいだコメントを書いたおバカっぷりには少々呆れた。「あなた個人ではなく、日本国に対するリスペクトなのですよ」って誰か言ってやれないのか。(現地で食べたブルーチーズが美味しいとコメントしたことが日本の酪農家を刺激したと批判されたようだが、こちらは正直な感想で問題があるとは思えない。)極めつけは「育休」を宣言してイクメンぶりをアピールしながら浮気を報じられた議員。イクメンをアピールするくらいならそうしたことはすべきでないし、自制できないのであれば、そもそもイクメンアピールなどすべきではない。こうした判断力がない議員はどのようなバックグラウンドなのかと興味本位で調べてみると、二人とも私と同じ大学の出身で、特に後者は付属の高校出身というところまで一緒とわかった。ライバルのK大の「滑り止め」に成り下がったW大はOBのクオリティも下がっているということだと個人的には笑えない。

2016年2月6日土曜日

登山

同年代のいとこ3人と久しぶりに食事をした。一人は元トライアスロン選手で、今はロッククライミングをやっているツワモノ。話題が山登りになったので、富士山と屋久島の縄文杉がある山には一生に一度は登ってみたいと言ったところ、特に後者は行く価値が高く、今度一緒に行こうと誘われた。サラリーマン時代の同僚も一回行ってから通うようになったので、よほど魅力的な場所なのだろう。大学時代山登りをやっていた私も卒業後はエジプトでシナイ山に登ったくらいで、今ではすぐにエスカレーターに乗ってしまう生活だ。年齢とともに体力は衰えていくだけなので、早く行くに越したことはない。また、これまで行きたいと思いつつ行かなかったのは一緒に行ってくれる人がなく、一人で行くわけにもいかなかったからだ。元トライアスロン選手に着いて行くのは無理なので、旦那も一緒に来ることを条件に、早ければ今年の春に行ってみることにした。果たしてどうなることやら…。

2016年1月30日土曜日

コンビニおでん

コンビニおでんは食べてはいけない食品の最右翼というショッキングな記事を読んだ。筆者は三陸の老舗練り製品メーカー社長から聞いた話を紹介しているのだが、大手コンビニチェーンから要求された「仕様」の中でどうしてもクリアできなかったのが、「練り製品はおでんのダシ汁の中で8時間浮いていること」というものだったそうだ。チクワ、ハンペン等の練り製品は、スケトウダラなどの魚肉のすり身に食塩、砂糖、でん粉、調味料などを入れて練り合わせて作るが、通常の作り方では具材が汁を吸って型崩れを起こしてしまうため、どうやっても汁の中で8時間浮いたりしないという。そこで同業者に相談したところ、「原料のすり身にリン酸塩とソルビットをたくさん使えばすり身の比率が下がり、おでんの汁も吸いこみにくくなる」との助言を受けたそうだ。コンビニおでんはばら売りと同じなので添加物の表示義務がなく、コンビニチェーンのホームページにも原材料は表示されていないというから驚きだ。さらに大半のすり身は船上で作られ、品質保持や増量のためにリン酸塩やソルビットが添加されるそうだが、使用した食品には影響が出ないということで添加物の表示が免除されるという。これをキャリーオーバーといい、この制度を利用(悪用)すれば表示の必要がなく、消費者にもわからないという。考えてみれば汁の中に何時間も浮いている具材も異様だが、直射日光を浴び続けても腐らないペットボトル飲料も気味が悪い。天然のものとは似て非なるビタミンCという名の添加物のお蔭と聞くが、こんな欺瞞がまかり通る国が果たして先進国と言えるだろうか。また、コンビニチェーンはもとより監督官庁もこうした実態を知らないはずがなく、消費者の健康のことなど実はあまり気にしていないことが想像される。

2016年1月23日土曜日

トランプ旋風

私が学生の頃‘不動産王’として一世を風靡したドナルド・トランプ氏がこのような形で再び脚光を浴びるとは思いもよらなかった。私の記憶にある彼はやや脂ぎった観のある中年ビジネスマンだったが、ずいぶんといい(悪い?)おじいさんになったものだ。彼を支持する人たちは、彼の歯に衣着せぬ過激な発言を痛快に思うようだが、そうした発言ができるのは彼がビジネスマンであって、政治的に正しいことを言わなければバッシングされる職業政治家でないからだろう。多くの国民が彼の特定の人種や宗教を標的にした発言さえも熱狂的に受け入れてしまうのが、彼らの無知さや溜まっているうっぷんの表れだとしたら、ずいぶんと困った国である。

2016年1月16日土曜日

再開発

「このへんもいよいよ再開発されることになったよ。」内神田で創業100年の寿司屋を営む叔父が言った。何でもM菱不動産が雑居ビルやら小規模店舗やらが密集する内神田一帯に新しいビルを建てるらしい。そんなことをしてしまったら神田の町の雰囲気は台無しで、今でも旧町内会ごとに神輿が出る神田祭も存亡の危機になるかも知れない。そもそも何でも新しくすればいいという発想は頂けない。丸ビルも昔の方がよほど風格があったし、有楽町の三信ビルディングの取り壊しも実にもったいないことだったと思う。昨年の9月に赤坂のビルから兜町のビルに移ったが、50年前に建てられた鉄筋コンクリート造りの前者のビルは時代遅れの疲れた古っちいビルになり下がっていたのに対して、80年以上前に建てられた石造りの後者のビルは旧丸ビルや三信ビルのような風格があり、威厳を感じさせる。今の丸ビルや新丸ビル、三信ビルの跡地に建てられた高層ビルが果たして50年後、100年後に旧丸ビルや三信ビルの威厳を残せるのか。甚だ疑問だが、私自身がそれを見届けることもないだろう。

2016年1月10日日曜日

アベノミクス

某週刊誌に大前研一氏がアベノミクスについて語る記事が掲載されていた。アベノミクスなるものがいかに的外れで、崩壊不可避かという内容だった。私自身かねてから国内市場が縮小する中で金融緩和を行っても積極的に借入を行う企業などあるのだろうか、企業が政権の意向通り賃上げを行ったとしても、これほど物価が上がり、将来に不安がある中で消費が喚起されるだろうかといった、アベノミクスのロジックに対する漠たる疑問は持っていたが、記事はこうした疑問を確信に変えるもので、景気回復どころか、いよいよ日本の衰退も加速するのかと思った。特に共感したのは日本が低欲望社会になっている、つまりお金を稼いで贅沢をするという発想のない人が多くなっている現実を理解していないという点で、思えばバブルから30年近く経とうとしているので、消費の主役も代替わりしているのだ。また、インフレ目標を達成できなかった上に今度は非現実的なGDP目標まで持ち出して、達成不可能とわかっている財務省の役人たちがGDPの計測方法を変えようとしているとも書かれていたが、これが事実なら世も末だ。大前氏の指摘を考えると、中間層を増やすという民主党の政策の方がまだ消費を喚起する可能性があるような気がしてくる。日本の大企業が最近ますます海外の企業の買収を進めているのは成長性の高い海外の市場で足場を築くためとばかり思っていたが、大前氏によると、暴落する恐れがある円資産を海外の資産に変えようとする意図もあるそうだ。ということは大企業の経営陣も早晩アベノミクスが崩壊することを予想しているのだろうか。そうなると連立を組む公明党が消費税の軽減税率のことで政権離脱も厭わないなどと、それまでは考えられなかった強気なことを言い出したのも、経済政策の失敗を見越して首相と距離を置きたいとの思いがあるのではないかと疑ってしまう。(ちなみに大前氏は軽減税率は逆進性が高く、高所得者層により大きなメリットをもたらすと指摘している)「異次元の金融緩和」などと威勢が良かった日銀総裁が、「規制緩和が甘い」などと政権に責任転嫁を始めたときにはいよいよアベノミクスの先が見えたと判断していいかもしれない。

2016年1月2日土曜日

紅白

史上最低の視聴率を記録したというかつての「国民的」歌番組。実家で何気なく最後まで見てしまったが、歌っている歌手の背後に巨大なスクリーンを据えて意味不明な映像を流したり、歌手の背後でお笑い芸人を踊らせたりと、見るに耐えない演出が盛りだくさんだった。事前に紅白の関連番組を放映したり、人気の朝ドラの俳優や芸人をかつぎ出したのだから視聴率は稼ぎたかったのだろうが、それならなぜせっかくの歌を台無しにし、来年も見ようという気にさせないようなことをするのか。作っている当人たちが面白いと思ってやっているのだとしたら、民放で実績のある人たちと入れ替えるなどして番組を生まれ変わらせなければ、長期低落傾向は終わらないのではないかと思う。