2014年6月27日金曜日

スケープゴート

都議会のやじ問題を見て改めて彼の政党の体質が何ら変わっていないことを認識した。所属議員の間にかん口令を敷いた末に出した結論が、より悪質な発言ををした議員を守るために、相対的に悪質性が低いやじを飛ばした中堅議員に謝罪させるということのようだ。この議員が会派を離脱してけじめをつけたように見せているが、いずれ復帰する申し合わせができていることは想像に難くない。そもそも問題が大きくなったときに記者からの質問に対して「誰が発言したのか特定するのは難しい」などと答えた与党議員団の代表や、発言者の処分の求めに対して「誰がいったかが特定されておらず要件が不十分」としてこれを拒んだ議長の不誠実さには驚く。(発言した人物の周囲に座っていた人がわからないはずがない。)ふだん請求されるままに都民税を払うだけで都議会での議論に注目したこともなかったが、これほどレベルの低い人たちが議員をやっているとは想像もしなかった。しかしこうした人たちを選んでいるのは都民であり、この一件は都民のレベルを反映しているともいえよう。こんなことでオリンピックの開催都市に値するのだろうか…。

2014年6月20日金曜日

誤審報道

ブラジル・クロアチア戦の西村主審の判定に関する国内と海外の報道の落差に驚く。素人目にもブラジル選手の演技にまんまと騙されたようにしか見えないが、本邦では「…が西村主審の判定を擁護」などといった記事が目立つ。一方、海外の報道は少なくとも英文のメディアを見る限り誤審であったことを前提に、PKだけでなく、ブラジルのネイマールがクロアチアの選手にレッドカードとすべきエルボーをしたときにもイエローカードにしかなかったことを挙げ、この試合を通じた彼の判定の公平性に疑問を投げかける報道が目立つ。西村氏がその後の試合で主審から降格されたことを見れば、FIFAも暗に彼が公平性を欠いていたことを認めているように思われる。以前の大会でも開催国や特定の国に明らかに有利な判定をする審判がいたが、日本人審判がこのような形で批判の的となるなど想像しなかった。また、この誤審問題に限らず、世界ランキング40位以下の国が32か国しか出ていない大会で一次リーグ突破の可能性が高いなどと報じる本邦メディアの客観性を欠いた報道もいかがなものかと思う。

2014年6月14日土曜日

ウィルス対策ソフト

「あなたのパソコンは危険に晒されています」。ウィルス対策ソフトがスキャンを終えた後にノートパソコンの画面に現れたメッセージ。「対策をとる」のボタンを押すと、新しいソフトウェアの購入を勧める画面に移行した。待てよ、ついこの間も同じ画面に誘導されて新しいソフトウェアを買ったばかりなのになぜ何度も買わされるのか。メールでソフト会社に尋ねたところ、2016年まで有効の基本ソフトを購入済みなので、この間買った追加のソフトすら不要であったことが判明。すぐに返金の要請を行った。購入を促す表示がされるのはパソコン内に【Security Scan Plus】がインストールされているからで、これはAdobe Flash Playerをインストールまたは更新した際に、オプションとしてインストールされる「無料のウィルス診断ソフト」だという。いやいや、無料の診断ソフトといえば誰しもインストールしてしまうが、それが必要のないソフトを何度も買わせるための細工だったら客を騙す悪質な仕掛け以外の何物でもない。そもそも基本ソフトで保護がされているのにも関わらず、パソコンが危険に晒されているなどと表示されるのは明らかな診断ミスだろう。さらに回答メールには「もし【Security Scan Plus】がご不要の場合は、 お手数ではございますが、アンインストールしていただければと存じます。アンインストール方法につきましては、技術的内容となりますので、弊社テクニカルサポートセンターをご案内させていただきます」と書かれていた。同じやり方で騙されている人たちが相当いることは想像に難くなく、こうした商売のやり方がまかり通っていることに驚くしかない…。

2014年6月7日土曜日

雲仙

今週は久しぶりに長崎県の雲仙を訪れた。思えば前回来たのは普賢岳が噴火する前だった。当時の様子は実はあまりよく覚えていないのだが、岩崎弥太郎の元別荘という当時三菱セメントの社員寮となっていた宿で出た料理が実に美味しかったことは今でも思い出す。下界よりも涼しくて緑が深く、温泉も実にいい。にもかかわらずホテル街は人の気配がなく、大型のホテルや旅館が廃墟のように建ち並んでいる。実に寂しい光景だ。今回は宿泊先のホテルが主催するウォーキングツアーに参加し、雲仙の歴史について知る機会を得た。もっとも印象深かったのが、長崎に住む外国人の避暑地のイメージが強いこの地が、高野山や比叡山よりも100年も前に開山した霊山で、一時は千人を越える修行僧がいたということだ。当時のお寺が残っていれば高野山以上の価値があったというが、キリスト教徒たちの焼き討ちにあって焼失してしまったという。本邦で日本史を習うとキリスト教徒たちが迫害されたというイメージしかもたないので、これは意外な史実だった。それにしてもアクセスが悪く観光客が減り続けているという雲仙。仏教遺跡もない状況で、どうしたら盛り返せるのか…。